【追記あり】未来のふつうを実現する、ものづくりイベント「GUGEN」大賞は「おしゃぶりセンサ」に決定

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GUGENで受賞したチームのみなさん

「未来のふつうを実現する」をコンセプトにしたものづくりコンテスト「GUGEN」の2回目となるイベントが12月13日から2日間に渡って開催された。

昨年の大賞受賞者に輝いた筋電義手「Handiii」はその後独立、スタートアップし、先頃クラウドファンディングで初号機となるプロダクトの資金調達に成功している。

今回、2回目となる同イベントの大賞には「おしゃぶりセンサ」、優秀賞には「Raplus」「コロコロプラグ」、アイデア賞には「Hikari×Tsumiki(ヒカリツミキ)」が輝いた。以下、ノミネートされた10作品の概要をご紹介する。(この記事は後ほどアップデートする12月15日/当日の様子などを追記しました

おしゃぶりセンサ
なんでもセンサ開発チーム

吸っているかどうかや、その強さなどについて計測できるおしゃぶり。吸い方のパターンがわかるので、そこから赤ちゃんの状態を予測して両親に次のイベントをお知らせすることも可能。

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Scopion ~スマートフォン連携距離測計~
M2MテックSチーム

距離センサーから得た測定データをBluetooth経由でスマートフォンに送信。スマホ、クラウドデータベースと連携した人・距離測定、障害物検知を1台で可能にしている。

Raplus
Hack the Bodyチーム

リハビリに使用されている装具に取り付けることで膝の動きをアシストしてくれる。既存の装具を活用することで小型軽量化に成功している。

RulerBot
慶応義塾大学筧康明研究室

手軽に線を引いたり長さを測ったりすることができる定規。デジタル技術によって定規を進化させることで、物理的なサイズの制約を越えた描画、測量を可能にするデジタル文具。

電車に載せられる電動バイク|折りたたみEV ~ ORIEV
nanomotors

折りたたみ自転車をベースに試作された電動バイク。電動自転車のようにアシストではなくあくまで電動バイクとして動く。折りたたみができるので、公共交通機関での移動も可能。

OTOPOT
KTHAN1 SDhosei

声を水のようにためる容器でボイスメッセージを手軽に伝えることができるツール。ポットの蓋をあけて声を入れ、再度蓋をあけると音声が聞こえてくる。声を消去する場合は水を捨てるようにポットを傾けるとなくなる。

パーソナルホームセキュリティ:PRS
チームソニックダッシュ

個人オフィスや商店などに最適化されたホームセキュリティシステム。窓や扉の形状を監視して状態に変化があったときに音と光で通知。外出時にはスマートフォンなどに知らせてくれる。

Hikari×Tsumiki(ヒカリツミキ)
川口一画

複数の独立した機能を持つツミキを光で繋いで様々な機能を実現できるデバイス。それぞれのツミキの繋がりが光で直感的にわかる。

口部入力インターフェイス for ALS患者&重度四肢障害者
PTインターフェイスコロニー

手足の自由がきかなくなった方のために用意された、口の動きをインターフェース化するツール。パソコンのカーソルや電動車いすなどを動かすことができる。

コロコロプラグ
コロジャー

スマートフォンに物差しの機能を追加するデバイス。イヤフォンジャックで駆動するので電池が不要。

応募作品は126点、昨年をはるかに上回る完成度

「いや、これ完成度すごく高いよね」ーーこれは昨年もこのイベントに参加していたある審査員の言葉だ。私も昨年のイベントには取材に入ったのだが、確かに盛り上がりは感じつつも、やはり電子工作の延長で楽しむ人たちのイベント、という様相だった覚えがある。(だからこそ筋電義手のHandiiiが大きく目立ったとも言えるのだが)。

ところがだ。今回のGUGENはすべてのブースで完成度が高かった。主催サイドも受賞はあくまで評価のひとつであり、すべての作品に製品化、事業化の可能性があると繰り返し会場に伝えていたのがよくわかる。

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DMM.make AKIBAの4階フロアを使ってのイベント会場は満員御礼だった
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大賞に輝いたなんでもセンサ開発チーム。リーダー(真ん中)は東京大学の石井健太郎さん。
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作品の多くは「日曜Makers」仕事は別にありながら、休日に集まって開発をしていた人が多かった

Maker側で参加している人は学生さんや年配の方で余暇の楽しみとして開発されている方、企業に勤めながら休日に集まって開発を続ける方など、本当に多種多様だった。アイデア賞を受賞したヒカリツミキを開発した川口さんは大学生。元々自分の娘のために開発をしたおもちゃだったが、今回のGUGENを通じて多くの人たちから反応を貰い、壇上で商品化に向けて一歩を踏み出すと宣言していた。

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Hikari×Tsumiki(ヒカリツミキ)を作った川口一画さんも筑波大学の学生さん

小さな身の回りのニーズを形にし、そこからビジネスが始まる。大きな事業をどんと立ち上げるのではなく、こういった日常をビジネスにする、そういう「何気なさ」もGUGENの良さかもしれない。

冒頭にも書いた通り、初代覇者のHandiiiは商品化に向けて大きく一歩を踏み出している。今回、受賞を逃したチームも含め、ここから新しいビジネスが生まれるかどうか。早くも次回が楽しみになってきた。

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