サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)の中国現地法人、サイバーエージェント・ベンチャーズ・チャイナの北京公司総経理を先月まで務めていた Joey Dai(戴周頴)氏が独立、中国のO2Oスタートアップと、日本と絡んだIoT分野のスタートアップに特化したファンド「Gravity Venture Capital(GVC、中国名:引力創投)」を設立した。
ファンドは資金調達の途中だが、7月末のクローズを目標としており、最終的には日本円相当で約40億円規模のサイズになる模様だ。 組成したばかりのためポートフォリオは存在しないが、これまでに CAV の人民元ファンドで投資した企業に対するフォローアップ投資のほか、当面はスポーツ・コミュニティ、海外旅行サービス分野への投資を検討している。
GVC が投資対象とするのは、ツールアプリ、シェアリングエコノミー、越境EC、サプライチェーン・ファイナンスのアーリーステージ・スタートアップ。基本的には、前出の CAV の人民元ファンドの投資スコープを踏襲するようだ。
THE BRIDGE の問合せに対し、GVC は LP(出資者)の具体名を開示できないとしながらも、中国のトップティアーの FOF(ファンド・オブ・ファンド)、A株上場企業、上場企業の CEO 個人などが出資していることを明らかにした。

Dai 氏は青山学院大学を2006年に卒業後、ガイアックスを経て、23歳で CAV にジョイン。その後、26歳で投資マネージャー、29歳で北京オフィスの総経理に就任、31歳から自ら募集した CAV 人民元ファンドを統括してきた。
中国の投資専門ニュースメディア「投資界」によれば、CAV に在籍した7年間で50以上のプロジェクトに投資し、80%は次の投資ラウンドにつながり、10社がイグジット、3社がIPOしている。
イグジットに成功したポートフォリオには飲食予約サービスの飯統網、モバイルコマースの口袋購物などがあり、中でも Android アプリマーケットの機鋒網は2013年、携帯電話販売の愛施徳に3.4億人民元(約67億円)で買収され、投資回収率20倍という好結果を出している。
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