
日本の投資家であるソフトバンクは、インドにおける最大スタートアップ投資の2つである Ola と Snapdeal の評価額を切り下げた。ソフトバンクはこれまでに、2社の株式に対して約5.5億ドルの拠出を確約している。
今回の修正の結果、インドの国内市場における両社のバリュエーションも下落するだろう。
今回の修正は円高の影響もあるが、Ola や Snapdeal が最も恐れていたパニックボタンが押された形だ。Ola や Snapdeal は、それぞれの競合にあたる Uber や Flipkart からの圧力に直面する中で今回の修正がなされたことになる。Tech in Asia から Ola とソフトバンクに送られた質問のメールには回答が得られていない。Snapdeal は回答を拒否し、「我々の投資家の会計実務について、コメントすることはできない」とした。
Ola と Snapdeal の両社は2015年の4月から9月にかけて重要な資金調達を行なっていたが、今年は資金調達が困難な時期にあり、さらなる資金を集めることはできていない。
ソフトバンクはこれまでに20億ドル近い資金をインドに投資しており、その投資額の大部分にあたる13億ドルを Ola と Snapdeal に出資している。ソフトバンクはホテル予約プラットフォームの Oyo、食料品デリバリアプリの Grofers、不動産クラシファイドの Housing に出資している。
ソフトバンクは2014年10月、Ola の2.1億ドルの投資、Snapdeal の6.27億ドルの出資のリードインベスターを務めている。両社に対しては、フォローオン(後追い)の投資も実行している。
ソフトバンクは、9月期の6ヶ月連結決算で5.57億ドルの赤字を報告しており、その多くは、インドでの投資に起因するものだ。この赤字のうち、2.84億ドルの損失は年を経ての円高によるものだ。昨年、ソフトバンクは10.8億ドルの黒字を報告していた。
日本円はアメリカドルに対し、今年4月までに10.2%上昇した。
Snapdeal の評価額が今年2月に65億ドルとされた一方、Ola は2015年9月に実施した前回の調達ラウンド後、その企業価値は50億ドルとされている。
インドで最も評価額の高いインターネット企業 Flipkart は、数回に及ぶ評価額修正を経て、バリュエーションは150億ドルから90〜100億ドルに下落した。
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待