Keypr はホテル業界に現代的クラウドサービスやキーレスエントリー、モバイルアプリを提供している企業の一つである。ロサンゼルスに拠点を置く同社は本日（6月20日）、初回となる資金調達ラウンドで1,900万米ドルを調達したと発表した。

本ラウンドは Karlani Capital がリードし、元 Starwood 幹部の Simon Turner 氏や Bally Technologies の元 CEO である Richard Haddrill 氏らを含む戦略投資家の参加もあった。

Keypr は Nizar Allibhoy 氏、Mark Anderson 氏、Sabir Jaffer 氏によって設立され、モバイルサービスを通じた顧客体験の向上、およびバックエンドオペレーションの統合化に最新テクノロジーを利用することで、接客業界の効率性を向上させることを目指している。

Allibhoy 氏は VentureBeat とのインタビューにおいて、今回獲得した資金を活用してプラットフォームの拡張、オペレーションの増大、営業とマーケティングの拡充を行う予定だと話した。また、同氏は元 Oculus 幹部の Robert Stevenson 氏を COO に指名し、海外より元 Belkin 幹部である Nandan Kalle 氏を製品管理部門の VP として招聘したとも述べた。

Facebook と Gaikai で勤務経験のある Stevenson 氏はインタビューで、自分は Keypr の初期投資家で同社のオペレーション拡大に今回のラウンドは最高のタイミングだと信じていると話す。

Keypr は Guest Experience Management System（宿泊客体験管理システム）および Keypr Intelligent Lock Technology（インテリジェントロックテクノロジー）を構築し、宿泊客がモバイルアプリを通じてチェックインし、ホテルのフロントデスクに立ち寄らずに直接部屋に向かうことを可能にした。また、ホテル運営に会話型ユーザインターフェース（Amazon の Alexa のようなもの）を加えることにも取り組んでおり、宿泊客がルームサービスやその他サービスをより簡単にオーダーできるようにすることを目指している。

Keypr は現在、ホテルやカジノ、高級住宅施設などで導入されている。有名ブランドとして Denihan Hospitality、Proper Hospitality、LE Hotels、Greystone Hotels などとの取引実績がある。今月にはカジノ業界での展開も開始となり、Odawa Casino Resort および Lac Vieux Desert を皮切りに2017年にはさらに他の施設での採用も続く予定だ。

Keypr に対応するホテルでは、宿泊客は安全に部屋にチェックインして、キーなしでドアを開錠、そして欲しいものは何でもオーダーできる。要するに、宿泊客がホテルのチェックインにもモバイルのライフスタイルをそのまま続け、既存のテクノロジー体験を持ち込めるようにしている。

Allibhoy 氏は次のように述べた。

私たちは接客業界における見方を変えることに成功しました。当初はこんなものが必要か、というものだったのが、今では優れたサービスには欠かせないものとして広く認知されるに至りました。誰もが自宅でこういったテクノロジーを使用しているわけで、ホテル体験も同等であることを望んでいるのです。

Keypr が他のプラットフォームと違う点としては、いくつかの新たなプラットフォームだけでなく、幅広いテクノロジーに対応していることだという。また、例えばホテル側が土曜日に利用される商品を多めにストックしておく必要があるかどうか判断できるといった様々なパターンを分析することも可能だ。

私たちの顧客はホテルです。私たちはパーソナライゼーションとコンテキストにフォーカスしています。トランザクション面での煩わしさを無くし、ユーザ体験のシームレス化を目指しているのです。ホテルスタッフの業務を軽減することで、彼らがよりパーソナルなサービスに時間を使えるようにしています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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