
Image credit: Damai(大麦)
Tencent(騰訊)と同様に、Alibaba(阿里巴巴)も中国のレジャー業界を握ろうと狙っている。
9月19日、Alibabaのデジタルメディア・エンターテイメントグループ(阿里巴巴文化娯楽集団)はライブエンターテイメントビジネスグループ(阿里文娯現場娯楽事業群)を立ち上げ、チケット販売やコンテンツ制作、そしてライブ体験事業に参入することを発表した。Damai(大麦)、MaiLive、Maizuo(売座)が3事業のそれぞれを受け持つ。Damai は中国最大のイベントチケットプラットフォームの1つで今年3月にAlibaba が完全買収した。MaiLive と Maizuo はコンテンツパートナーの支援業務を行い、Alibaba のデータ能力をオフライン番組に活用する予定。
ライブショービジネスは Alibaba が築こうとしているエンターテイメント帝国に欠かせない事業であり、同社がeコマース企業という枠を超えてさらなる成長を目指すためにも鍵となる。この動きは2014年頃の一連の買収から始まっており、買収企業にはモバイルブラウザの UCWeb(優視)、ミュージックストリーミングプラットフォームの Xiami(虾米)、ビデオストリーミングポータルの Youku Tudou(優酷-土豆)と Daimai などがある。香港株式市場に上場している同社の映画関連企業 Alibaba Pictures(阿里巴巴影業)は、スティーブン・スピルバーグ氏率いるハリウッドのコンテンツ企業 Amblin Partners と戦略提携している。
Alibaba のデジタルメディア・エンターテイメントグループ会長兼 CEO の Yu Yongfu(俞永福)氏は、次のように話している。
簡単に言うと、当社のミッションは Alibaba でショッピングをお楽しみ頂いている方々に、本当にAlibabaに住んでいるかのごとくあらゆる体験を提供することです。
ですので、ショッピングに加えて、ビデオや音楽の視聴、また情報のチェックについてももっと当社サービスと時間を過ごしてもらったり、ゲームも当社で楽しんで頂きたいと考えています。
Tencent はユビキタスソーシャルメッセージアプリ WeChat(微博)で広く知られているが、同様にエンターテイメント分野にも旺盛な意欲を見せている。同社は世界的に有数なゲーム企業に成長し、傘下の音楽関連会社は中国のオンラインミュージックストリーミング市場の75%以上のシェアを持つとしている。Alibaba がライブショービジネスグループを発表する前日に、Tencent は43本に及ぶ映画やテレビプロジェクトのロードマップを発表した。中国インターネットの2大巨頭によるエンターテイメント分野での競争は、デジタル決済での戦いと同様に再び熾烈なものになるだろう。
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