
本稿は、RISE 2018 の取材の一部である。過去の RISE に関する記事はこちらから。
世界最大のスタートアップカンファレンス「WebSummit」が、4年前から香港で開催しているアジア版イベント「RISE」が始まった。ワンチャイ(湾仔)の Hong Kong Convention and Exhibition Centre(香港会議展覧中心)をメイン会場に、今週末まで香港の各所で世界中から集まったスタートアップ関係者が集うことになる。
RISE 初日となった10日、この日のトピックを簡単に振り返りたい。

Image credit: Masaru Ikeda
今回の参加者は102カ国からのべ15,000人以上、スタートアップのブース出展数は昨年の4割増になったそうだ。日本からの参加者も徐々に増えており、RISE の認知度が徐々に高まって来た様子。アジアでは毎年新しいスタートアップカンファレンスが次々と生まれる中で、RISE がその先頭を走り続けられるかどうかは興味深い。

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昨年に引き続き、LINE 代表取締役社長の出澤剛氏が登壇。日本、台湾、タイ、インドネシアを中心に約1.6億MAU(月間アクティブユーザ)を擁する同社だが、メッセージングプラットフォームをベースに、AI スマートスピーカー「Clova」はもとより、先日にはビットコイン取引所「BITBOX」の開設もアナウンスした LINE。まさに、中国で WeChat(微信)周辺で起きていることが、LINE がやりたかったことではないか、と問われた出澤氏は、ブロックチェーンを使ったトークンエコノミーの創出などにも積極的に関与していきたいと応えた。

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先日、トヨタから10億ドルの資金調達を発表した Grab からは、共同創業者の Tan Hooi Ling 氏が登壇。Grab では現在45の異なる国籍を持つ社員が働いていて、多様性には非常に寛容な会社だそうだ。シンガポールに代表される先進国から、ベトナムをはじめとする発展途上国まで、社会環境が全く異なる東南アジアにおいては、多重的にさまざまなサービスを提供することが重要だと強調。Grab を交通のみならず、さまざまなサービスのプラットフォームに成長させるとした。

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最近は、ブロックチェーン関連の話題でも頻繁に登場する 500 Startups の中華圏担当パートナーの Edith Yeung 氏、中国のテックニュース専門メディア Abacus のエグゼクティブプロデューサー Ravi Hiranand 氏、South China Morning Post のテクノロジーエディター Chua Kong Ho 氏は共同で、2018年版の China Internet Report を発表した。中国のテックシーンで起きていることが、わかりやすく要約されている。資料のダウンロードはこちらから。また、ステージ上でのハイライト紹介はこちらから見ることができる。

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メルセデスベンツの親会社であるダイムラーは先ごろ、外国企業として初めて中国国内での自動運転車の試験が認められたと発表した。交通渋滞の奮発する都市部や、信号や標識が未整備の僻地などでも機能する自動運転システムが構築できるかどうか注目される。これまで、中国国内での自動運転車の試験が許されているのは、Baidu(百度)だけだった(Project Apollo=阿波羅計画)。

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