
Image credit: Grab
東南アジアの配車サービスユニコーン Grab は今日、現在進行中の資金調達ラウンドで、トヨタ自動車がリードインベスターとして10億米ドルを出資すると発表した。明らかに、世界の配車サービス分野において、自動車製造メーカーによる史上最大の出資となる。
この合意の一部として、トヨタと Grab の両社は東南アジアに新たなモビリティを普及させるため、コネクティッドカーの分野において、現在の協業関係をさらに強化・拡大するともしている。
Grab は、テレマティクスを使った保険、金融プログラム、予防保全など、トヨタのモビリティサービスプラットフォーム(MSPF)上のコネクティッドカーサービスが、Grab プラットフォーム上でドライバーの体験をどのように充実できるかを確かめるため、トヨタと協業する。
今回の出資により、Grab は現在展開する GrabFood、GrabPay などの O2O サービスの枠組みを、東南アジアでさらに拡大することが可能になるだろう。今回の取引は、特定のクロージング条件を充足する必要がある。
現在の戦略的な協業関係をさらに深めるため、トヨタの上層部の一人が Grab の取締役に就任する予定で、トヨタチーム専任メンバーが Grab にエグゼクティブオフィサーとして出向する見込みだ。
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Grab は東南アジアにおける O2O モバイルプラットフォーム大手で、消費者への日常サービスを提供している。同社によれば、これまでの Grab のモバイルアプリのダウンロード数は1億件超、累積で660万人以上のドライバーやエージェントに乗客を紹介しており、毎日600万件以上の乗車をもたらす東南アジア最大の陸上交通サービスとなった。
Grab は交通のほか、フード、小包配送、モバイル決済、金融サービスも提供している。現在、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジアの8カ国217年でサービスを提供している。
Grab のプレジデントである Ming Maa 氏は、次のように語っている。
Grab は、1億人以上のユーザのモバイル端末にインストールされ、東南アジアで初めて10億米ドル以上のランレート売上を築いたテクノロジースタートアップだ。我々の急速なユーザ・売上成長は、極めて地元に密着したサービスを提供できていること、東南アジアのような多様な地域で効率よくサービスができるプラットフォームであることの証拠と言えるだろう。
トヨタ自動車の副社長で、コネクティッドカーカンパニーのプレジデントである友山茂樹氏は、次のように語っている。
トヨタのコネクティッド技術を使って、東南アジアの配車サービス大手 Grab との協業関係を強化できることをうれしく思う。今後は Grab とともに、東南アジアの顧客により魅力的で、安全で、セキュアなサービスを開発していく。
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