中国のストリーミング大手「iQiyi(愛奇芸)」、縦型動画の「Vertical Zone(豎屏控劇場)」をローンチ——「TikTok」らと対決姿勢を鮮明に

SHARE:
Image credit: iQiyi(愛奇芸)

中国のストリーミングプラットフォーム「iQiyi(愛奇芸)」が、ポートレートモード視聴用のモバイルアプリ( Android / iOS )上で新しいチャンネルをローンチした。これは、ポートレードモードフォーマットの普及を促進させる短編動画プラットフォームの採用の一環だ。

iQiyi の最高コンテンツ責任者 Wang Xiaohui(王曉暉)氏は声明の中で、オンラインエンターテイメントにおいてポートレート動画が最重要フォーマットの1つになりつつあるとの同社見解を述べている。

同社は中国で急成長中の短編動画市場で大きなシェアを獲得することを目指しており、国際的に TikTok として知られる Bytedance(字節跳動)の「Douyin(抖音)」や「Xigua Video(西瓜視頻)」、Tencent(騰訊)傘下の「Kuaishou(快手)」などの牙城に食い込もうとしている。

iQiyi の縦型短編動画への参入は、中国における動画視聴動向が大きく変わる中での動きである。コンサルティング会社 iMedia(艾媒)のレポートによると、短編動画の普及(縦型動画の普及要因になっている)は中国のインターネットユーザで増加しているモバイルファースト(動画はまず最初にモバイル端末で視聴される)の傾向に沿っている。

Wang 氏は次のように述べている。

テクノロジーによって人々のコンテンツ視聴方法が変わる中、エンターテイメントプラットフォームもコンテンツの提供方法を見直し、変化に対応していかなければいけません。

iQiyi の設立者兼 CEO Gong Yu(龔宇)氏は、昨年11月に上海で開催されたカンファレンスでこのフォーマットの重要性を認めており、ユーザの約70%がコンテンツをモバイル上のポートレートモードで視聴していると述べている。同氏は、縦型動画のトレンドはユーザが撮影した動画に留まらず、プロが制作するコンテンツにも広がっていくであろうとも述べている。

Vertical Zone(豎屏控劇場」と名付けられた新規チャンネルは、若者向けコンテンツ、トークショーやバラエティショー、コメディ、ライフスタイル関連動画の4つのカテゴリー構成となる。他プラットフォーム(縦型コンテンツを含む)とは違い、Vertical Zone ではユーザ作成動画オは対象外となる。

「Ugh! Life!(生活対我下手了)」
Image credit: iQiyi(愛奇芸)

Vertical Zone は25本のオンラインTVシリーズによるセレクションをフィーチャーしており、同社が制作し2~3分の動画で構成される「Ugh! Life!(生活対我下手了)」も視聴できる。同番組は11月に封切りされたもので、同社初のポートレートモードのシリーズ物となる。また、「The Rap of China(中国有嘻哈)」を含むオリジナル番組のインタビュー動画や舞台裏映像もフィーチャーする。

同社は膨大な量の水平方向の動画資産を縦方向フォーマットに変換したと発表している。

コンサルティング会社 iResearchのレポートによると、中国の短編動画市場は2020年までに300億人民元(約4,815億円)以上の規模に達するとの見込みだ。iQiyi は縦型動画コンテンツの制作に積極的に取り組んでおり、複数のジャンルに渡り20本の新シリーズをリリースする計画だと発表している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する