バンコク拠点の自動車ラッピング広告ネットワーク「Flare(フレア)」、VOYAGE VENTURESなどから資金調達——登録ユーザは約15,000人に

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Flare の広告をラッピングした車
Image credit: Flare

バンコクを拠点に自家用車を活用したラッピング広告ネットワークシステム「Flare(フレア)」を提供する Flare は16日、VOYAGE VENTURES やエンジェル複数から資金調達したことを明らかにした。調達金額、および、エンジェル全員の氏名は非開示。調達ラウンドは不明だが、前回のシードラウンドに続くラウンドで、シリーズ A ラウンドではないことから、プレシリーズ A ラウンドに相当するアーリーラウンドとみられる。

Flare は、連続起業家の神谷和輝氏により2017年8月にローンチ。神谷氏は2013年11月のタイ移住以降、これまでにオンラインのタイ語学校、翻訳・通訳のクラウドソーシング事業、タイのビジネスポータルサイト運営などを手がけてきた。Flare としてはこれまでのエンジェルラウンド、シードラウンドを経て、3度目の資金調達となる。

Flare では自家用車を持つオーナーがモバイルアプリからログインし、広告主が提示しているキャンペーンの中から参加したいものを選択。自分の車と免許証の写真をアップロードして応募すると、ラッピング業者がオーナーのもとまで広告をラッピングしに来てくれる。広告をつけた状態で、その車がどのように道路を走行したかは、アプリを通じて Flare に転送され、オーナーはその距離や経路に応じて収入が得られるというものだ。

2017年8月のローンチ段階で500台とされた登録台数は、サインアップ殺到により一時的に登録を制限したものの、2018年5月に約6,000台、2019年4月現在で登録ドライバー15,000人(登録車数とほぼ同義とみられる)と順調に成長を続けており、登録車数10万台の達成を将来目標に掲げている。Flare を通じてラッピング広告を出稿する広告主は、タイ・外資・日系企業のコスメ、食品、アプリケーション、商業施設など、累積で数十社に上るという。

Flare は先月、タイで自動車販売のほか、スマートリビング、高齢化社会、MaaS(Mobility as a Service)への投資を積極化させつつある豊田通商のタイ現地法人(以下、豊通現法と略す)と資本業務提携している。Bangkok Post の報道によれば、これは豊通現法がタイ国内に持つ自動車販売拠点を活用して Flare を共同キャンペーンすることを意図しており、豊通現法は Flare 現法に対し、300万バーツ(1,000万円相当)をプレシリーズ A 出資したことが明らかになっている(なお、今回発表の出資は、Flare の日本法人に対する出資である)。

Flare では今回調達した資金を使ってプロダクト開発と体制の強化を実施し、自動車ラッピング広告を軸に、自動車オーナーとの接点を活用した事業拡大を行うとしている。

以下は、タイのテレビ局「Channel 5」の番組で放映された、豊通現法と Flare が提携した際の記者会見の様子。

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