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Image credit: Grab
Grab は1月31日、タイの小売および不動産コングロマリット Central Group から2億米ドルの出資を受けたことを確認した。
今回の戦略的提携を通じて、Central Group は Grab のタイ部門株式の非支配持分を手に入れることになる。今回の出資は、Grab がトヨタ自動車、マイクロソフト、ソフトバンクといった投資家から30億米ドル近くを調達しているとみられる、現在進行中のシリーズ H ラウンド調達の一部ではない。
Grab と Central Group はフードデリバリで協業し、Central Group のレストランや食品関連ブランドが GrabFood のプラットフォーム上にお目見えする予定だ。物流や交通分野でも協力し、Central Group の事業に GrabExpress のバイク便サービスを提供するほか、Centrlal Group 経営のショッピングモール、ホテル、商業施設の顧客に Grab の配車サービスを利用できるようにする。
Grab と Central Group の提携が噂され始めたのは昨年9月だ。当時ロイターは、Grab が Central Group にタイ国内事業の株式を売却し、Central Group が中国の E コマース大手 JD(京東)と設立した5億米ドル規模のジョイントベンチャー JD Central とより密接に協業する可能性があると報じた。
JD が Grab 競合の Go-Jek に出資していることを考えると、これは少し奇妙な関係になる可能性があった。インドネシアでは、Go-Jek と JD が Eコマースとニューリテールの分野で協業しており、Go-Jek が JD のインドネシア事業を買収するのでは、との憶測が流れたこともあった。
Go-Jek は昨年12月、タイ国内でバイク配車とバイク便サービスのローカライズ版「Get」をローンチした。Go-Jek インドネシア版に存在する他の(バイク配車とバイク便サービス以外の)機能はタイでまだ利用できないが、将来提供されるかもしれない。Central Group の JD との関係を考えると、Grab と Central Group の友好関係は、タイで Go-Pay を展開するうえでは障害となるかもしれない。JD Central は今週、バンコク銀行とカシコン銀行と共同で開発した新モバイル決済プラットフォーム「Dolfin Wallet」を公開した。
昨年11月、カシコン銀行は GrabPay をタイに導入すべく、より進んだ戦略的提携関係の一部として Grab に5,000万米ドルを出資した。JD Central と関係性について聞いた Tech in Asia の質問に対し、Grab のスポークスパーソンは、市場の噂や憶測にはコメントしないと語った。
Go-Jek のスポークパーソンは Tech in Asia に対し、競合についてはコメントしないと語った。
【via Tech in Asia】 @techinasia
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