SF住宅の8割が「億円越え」の高騰ーーGoogleがベイエリアの住宅整備に10億ドル投資、MSに続く

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america architecture bay boat
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ピックアップ$1 billion for 20,000 Bay Area homes

ニュースサマリー:Googleは18日、同社が本社を置く米カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアにて10億ドル規模の住宅投資の実施を発表した。同社CEO、Sundar Pichai (サンダーピチャイ)氏の名で投稿されている。

同社によれば、現在Googleが商業・オフィスとして利用している7億5000万ドル分相当の土地を、10年かけて住宅用に再構築していくという。同投資では新たに1万5000件の新規住居の建設を見込んでいるとしており、ベイエリアにおける平均所得層、また低中所得者へ向けた物件としている。加えて同社は、不動産開発・建設業者向けに2億5000万ドル規模のファンドを設立して支援体制を築くとし、包括的なバックアップ体制を整えようとしている。

また同社は総額5000万ドルを補助金としてベイエリアにてホームレス支援をしているノンプロフィット団体に支給することも表明している。

話題のポイント:Googleによる今回の発表は特に今後、西海岸に本社を置くIT企業が背負わなければならない社会問題となるのでしょうか。

Googleによる10億ドル投資で最初に思い浮かんだのは、今年1月に発表された米マイクロソフトによる5億ドル規模の住宅整備投資でした。MS本社が位置するワシントン州シアトルも、サンフランシスコと同じ西海岸に位置しておりIT新興企業による住宅価格の押し上げが問題視されています。

<参考記事>

Bureau of Labor Statistics and PSRC

上図は2011年から2017年のシアトルエリアにおける雇用 (企業)成長率と住宅成長率を比較したものです。雇用・企業成長率は約7年間で18%の伸びを見せる一方、住宅に関しては半分以下の8%の成長率しか記録していません。これはつまり、人口や収入が増え続ける一方で住居の絶対数が不足し、価格が上昇してしまうといった流れを引き起こしています。

では、今回MSと比べ2倍の額を投資することを発表したGoogleのあるサンフランシスコ・ベイエリアのシチュエーションはというと以下の通りです。

Bay Area Council Economic Institute

こちらもやはり圧倒的な差が生じており、社会問題として顕著なのは明らかです。また、不動産サイトを運営するTruliaによる調べでは、サンフランシスコは81%の住居が100万ドルを超えており全米で1位を記録しています。特に1位から9位まで(ホノルルを除く)は全て西海岸に位置していることも特徴的です。

住・滞在環境の課題解決はAirbnbやOYO、日本人起業家が取り組むAnyPlaceなど多くのチャレンジャーを生んでいますが、根本的な解決にはこういった大手や国・行政の大胆な動きが必要不可欠という話題でした。

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