AI 写真のスタートアップ Meero は、フランスのテックエコシステムが近年成し遂げたことの好例と言えるかもしれない。 2016年に設立された同社はすでにベンチャーキャピタルから6,340万米ドルを調達しており、その中には昨年夏の4,500万米ドルのラウンドも含まれている。直近のたった6か月間で400人を雇用し、同社の従業員は600人近くとなっているが、今年末までに1,200人にする目標を持って…
VivaTech に登壇した Meero CEO の Thomas Rebaud 氏 Image credit: Viva Technology
AI 写真のスタートアップ Meero は、フランスのテックエコシステムが近年成し遂げたことの好例と言えるかもしれない。
全般的に、これらの資金調達ラウンドは、フランスが幅広い分野の最初期段階のスタートアップに数多くの小規模ラウンドをばら撒いているということを反映している。資金のほぼ62%はシードあるいはシリーズ A ラウンドの企業へ回され、24%は「その他」に分類されるもの(ビジネスプランのコンペティション、企業のマイノリティ施策、奨励金など)に注ぎ込まれている。
スタートアップの資金調達の残り約14%はシリーズ B ラウンド以降へと向かっており、この割合はここしばらく変わっていない。これに対処するため、昨年フランス政府は「スケールアップ」を加速させるための一連のプログラムを発表し、ポテンシャルを秘めていると思われる100社以上の企業を特定して、それらの企業が資金調達の途を見つけることができるよう手助けを推し進めている。
一方で、政府は PACTE(Plan d’Action pour la Croissance et la Transformation des Entreprises/ビジネスの成長と変革のための行動計画)と呼ばれる広範囲な改革を採択した。これには、オンラインでのビジネス設立の簡素化、税制改革、雇用プロセスの緩和、ICO などの新しい方法を通じて資金を調達できるようにすることが含まれている。
政府はブロックチェーン使用の促進といったイニシアチブも、引き続き推し進めている。また自国産のスタートアップを後押しする別の方法も探そうとしている。例えば、フランスのデジタル大臣 Cedric O 氏は、政府はパリに拠点を置きプライバシーに注力した Qwant 検索エンジンを使い始めるだろうと明らかにした。
昨年正式にローンチした France is AI は地元のエコシステムを促進させようとする別の取り組みであり、また技術の設計や使用に関して、より倫理的なアプローチを奨励するものでもある。フランスの AI の人材は長い間シリコンバレーに奪われてきたため、このプログラムはフランスに大きな気づきをもたらし、AI 業界で働く人にフランスで会社を始めるよう促すものとして設計されている。
フランスの AI コミュニティ出身者としてはおそらく最も有名な Facebook のチーフサイエンティスト Yann LeCun 氏は、VivaTech のステージでフランスが果たすことができる役割について楽観的であると述べた。
過去2年間、同氏は世界中のテック CEO の有力者や為政者を引き付けてきた Tech For Good Summit を通じ、VivaTech を活用してフランスに注目を集め、テック政策の発表ならびにフランスへの投資を盛り上げてきた。今年、同イベントは企業や政府がオンラインのテロリズムと戦うことを手助けする枠組み、「クライストチャーチ・コール」の創設で国際的にニュースの見出しを飾った。
フランスのテックシーン、もしくはフランスそのものが示す現在進行中の発展の兆候としては、昨年 La French Tech のディレクターに選出された Kat Borlongan 氏も挙げることができる。5年前にフランスの前政権がローンチしたこのプログラムは、フランスのテック復活への取り組みの中心となることを意図したものだった。
Borlongan 氏は Techstars や Google で働いた経歴、彼女自身のコンサルティング企業 Five by Five によって、パリのテックコミュニティではよく知られている人物だ。だがよそ者に対してあまりオープンではない国においては、フィリピン生まれで15年前にフランスに移って来たばかりの人が選ばれたのはかなり注目に値することであり、よりオープンであろうとする取り組みの象徴である。
French Tech Mission はパリのスタートアップキャンパス Station F にオフィスを持っており、その役割の大部分は同国の悪名高いお役所仕事を起業家が切り抜ける手伝いをすることだ。Borlongan 氏はテック関連の問題に対する補助を調整し応答性の速度を上げるために、フランスの様々な省庁とネットワークを構築している。
Pass French Tech と呼ばれるプログラムの下で、同国は240社の急成長中のスタートアップを特定し、追加の補助を受ける資格があるとしている。現在これらの企業は国外出身の従業員に新たなフレンチテックビザを提供することができる。このビザには必須条件がほとんどなく、例えば企業はフランスで仕事を探している人を見つけようとしていると証明する必要がない。そしてたった48時間で承認が下りるのだ。
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ニュースサマリー:公共交通機関を対象としたビッグデータ解析企業「Swiftly」は8日、シリーズAにて1000万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドに参加したのはVia ID、Aster Capital、 Renewal Funds、 Total Energy Ventures、 Samsung NEXT、 RATP Dev、 Wind Capital、 1776、 Plug and Play Group、 Elemental Excelerator and Stanford StartX-Fund。同社はブログにて、意図的に伝統的なVCファームでなくモビリティー領域に特化したファンドを選択したと強調している。
話題のポイント:公共交通機関向けMaaS(Mobility as a Service)を提供しているのがSwiftlyです。今までも、例えば渋滞でバスが10分遅れるという事実を伝えてくれるアプリなりサービスは存在していました。Swiftlyはその「情報」をより正確に伝えることに加え、それをビッグデータとして生かすことで根本的な渋滞原因を突き止めることを最終的な目的においています。
同社のミッションはアルファベット4文字「Make Cities More Efficiecncy(街を、もっと、効率よく)」で表現されています。同社はこのミッション達成のため、公共交通機関を運営する市と連携し、現段階において55の都市・2500の交通機関とパートナシップを結んでいます。
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