ピックアップ:Facebook invests in Meesho
ニュースサマリー:バンガロール拠点の再販売・中古品マーケットサービスを展開する「Meesho」が6月13日、Facebookから資金調達を実施したことを公表している。調達額は明かされていない。
Messhoには中古品を販売する個人、中小企業、個人事業主の3タイプのサプライヤーが存在している。オンラインショップのように、自ら製造した商品を販売する業者もいるが、ほとんどが転売・中古品の再販売により成り立っている。
2015年にスタートした同プラットホームは、過去に計6回に及び、6500万ドル以上の資金を調達し急成長を遂げてきた。そしてこれまで12億円以上のサプライヤー収入を生み出し、900万以上の商品の取引の仲介を行い、5000以上に町に普及しているという。

話題のポイント:今回の調達の目的は、MeeshoプラットホームのユーザーがFacebook傘下のソーシャル・メディア(WhatsAppやMessenger)を経由することにより、取引を効率的に行えるようにすることです。コーポレート・ラウンドという形態を取っていることからも、単純な資本の注入というより、パートナーシップの意味合いが強いことが伺えます。
では、Facebookとその傘下のソーシャル・チャンネルはインドでどれほどのドミナンスを築いているのでしょうか。2017年時のデータによれば、Facebookの利用率は30%、傘下のチャットアプリ「WhatsApp」は28%、そして同じく傘下のチャットアプリMessengerやSNSであるInstagramは約20%となっています。

こうして見ると、インドのソーシャルメディア及びチャットアプリはFacebook資本に支配されていることが分かります。したがってMesshoにとって、多くのWhatsApp・Messnegrユーザーが流入し、かつそれらのチャットにMesshoのユーザーが流入するという相乗効果を見込むのはきわめて自然なのです。実際、Meeshoのデモ動画ではユーザーが中古品を友人に進める際の手段として既にWhatsAppを使っています。
ちなみに、Facebookは先日独自の仮想通貨プロジェクトを発表し、そのユースケースとしてWhatsAppやMessenger内での決済・送金利用が噂されています。
仮にその情報を前提とすると、Facebookは単に傘下のソーシャルメディアの拡大を図るだけでなく、将来的な決済ネットワーク構築を見据えた上で、Messhoのようなオンライン・マーケットプレイスをサポートしているという可能性があるのではと考えることもできます。
<参考記事>
いずれにせよ、インドは今後社会的に人口増加による経済発展とIT化の波がさらに加速する地域であり、その市場におけるFacebookソーシャルメディア連合の拡大戦略は非常に興味深いものがあり、今後もさらなる躍進が期待できます。
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