3年後の運用残高1000億円へ加速ーー秒速で売れる貸付投資「Funds」運営が7億円調達、「貯蓄から資産形成」の実現目指す

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クラウドポート経営陣(写真提供:クラウドポート)

ニュースサマリ:貸付投資「Funds」を企画・販売するクラウドポートは8月5日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、グローバル・ブレイン、三菱UFJキャピタル、SV-FINTECH Fundなどを引受先とした第三者割当増資の実施を公表した。ラウンドはシリーズBで、調達した資金は7月末の契約完了分で6億3000万円。本ラウンドの最終調達金額は7億円を予定している。

今年1月から販売を開始した社債モデルの個人向け金融商品「Funds」は、半年で投資家の登録1万名を突破。これまでに募集した7社10ファンドは全て募集開始から極めて短時間で満額申込成立となっている。今回の増資で同社は体制を強化し、2019年中に20社のファンド組成企業との提携を目指す。

話題のポイント:本誌でも大変注目しているクラウドポートが順当に大型調達を完了しました。非常に変わったスキームながら、シリアルアントレプレナーのお二人(藤田雄一郎さん、柴田陽さん)が創業したという安定感も手伝って、先日開催された招待制カンファレンスでも優勝するなど、投資家や事業会社からの注目度も抜群です。Fundsについては以前取材したこちらの記事をご覧ください。

<参考記事>

端的に言えば企業にとっては新たな調達手段として、一般の個人投資家にとってはミドルリスク・ミドルリターンという双方にとって「ほどよい」ポジショニングの金融商品になっています。1月の公開以降、実績も積み上がり年率で1.5%〜6%の利回りを実現しているようです。

特に上場から数年の「ポストIPO」企業の調達手段として熱視線が集まっているようです。銀行から借りづらい、株式調達では株価がまだそこまで高くない、VCファイナンスが使いづらい、そういう狭間のニーズに対する問い合わせも多いというお話でした。

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1億円ほどの資金調達ができるプラットフォームに

そんな順風満帆のスタートを切ったFundsですが、当然死角もあります。

なにより懸念されるのが人気商品の供給不足です。半年で10件のファンド運用額は7億円ほどに積み上がりましたが、ここで金融商品として提供するには厳格な審査フローをクリアしなければなりません。さらに藤田さんは取材に対し、今後3年間の計画として「運用残高1000億円」を掲げるとお話されていました。当然ですが今のペースでは手が届かない数字になります。

「個人投資家については既に1万名以上の会員登録があり、ファンドの売れ行きも好調です。1億円程度のファンドであれば1分かからずに満額にできるほどの力が付いてきており、固定利回り・スマホ完結型の金融商品への強いニーズを日々感じています。また、事業者側についても新しい資金調達の選択肢としての認知が少しづつ広がりつつあり、ご紹介やお問い合わせが増加しています。1社1社慎重に審査をしているため時間はかかっていますが、金融機関や事業会社との提携も進んでおり安定的な商品供給できる素地が整いつつあります(藤田氏)」。

現状で銀の弾丸のようなアイデアはまだ共有してもらえなかったのですが、1000億円を掲げた以上、なんらかの魔法を用意しているのでしょう。期待しています。

またこれだけ好調なアイデアだけに、競合についても今後の参入が考えられます。その点について「市場拡大には競合参入が効果的」としつつ、オペレーション面で丸パクリは難しいという指摘をしていました。

「当社も第二種金融商品取引業の登録に1年半の時間を要しました。登録前にコンプライアンス体制を構築する必要があり、オペレーションも専門性が求められるため参入障壁は高い領域です。証券会社なども興味を示してくる可能性はありますが、既存ビジネスとのカニバリがあり本腰を入れるまでに時間がかかると思います(藤田氏)」。

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個人投資家人気を示す1万人登録の伸び

さて、もう一点。

今度は個人投資家サイドとして気になる運用のテクニックについてです。突如として持ち上がった「老後2000万円問題」は記憶に新しいですが、この問題の是非はともかく、年金問題はじめ、自分の人生を自衛する必要があるのは随分と前から言われ続けてきたことでもあります。この点について藤田さんは投資全般としてこんなアドバイスをくれました。

「Fundsは相場がないので特にテクニック的なものは必要ありませんし、手間もかかりません。そのため投資経験者と初心者でパフォーマンスの差がほとんど生じません。忙しいビジネスマンの方が片手間、ほったらかしでやるにはとても適した金融商品だと思っています。少額からできますので(最初投資単位1円です)、まずは資産運用最初の一歩として取り組んでいただき、慣れて来たら少しづつ金額を増やしたり、もっとボラティリティの大きな株やFXなどの金融商品に手を伸ばしてみても良いと思います。

我々はFundsを国民的な資産運用サービスにしたいと思っています。老後資金への不安が叫ばれる昨今、資産運用は全ての人が自分ごととして捉えなければならないものとなっています。Fundsはそんな国民総資産運用時代のスタンダードになります。LINEやメルカリのようにみんなが当たり前に知っていて、当たり前に利用する国民的な資産運用サービスになることで、『貯蓄から資産形成へ』を力強く推進していきます(藤田氏)」。

ここ数年、筆者は仮想通貨バブルも手伝って、特に若い世代の方とお金や資産のことを話す機会が増えました。最低限の互助については社会で取り組むべき課題であるのは間違いないですが、これまではややバランスが悪かったのも事実です。年金や終身雇用など、単一の方法で人生100年時代を乗り切るというのはそもそも無理があります。

そういう意味で入り口となる入門編的な金融商品が増えているのはよいことです。海外に目を向けると、スマホで手軽に株式が購入できたり、ティーン対象にした金融サービスが提供されるなど、民間レベルで金融リテラシを上げる機会が提供されています。

<参考記事>

Fundsのようなスタートアップの躍進が一部の投資家だけでなく、こういった次の世代の生活を豊かにするためのきっかけになっていただきたいと思う次第です。

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