大学生と起業家が作った「BASE」という奇跡

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リニューアルされたコーポレートサイト・代表取締役の鶴岡裕太さん

昨日お伝えした通り、コマースプラットフォーム「BASE」の上場が承認されました。これから投資家向けのロードショーを経て、10月25日には東証マザーズにてBASEの株式が公開されることになります。IPOの概要についてはこちらの記事に記載した通り、時価総額は約313億円規模です。

<参考記事>

創業者で代表取締役の鶴岡裕太さん、共同創業者の家入一真さんにこのBASEというプロダクトを初めて見せてもらった時のことを今でも鮮明に覚えています。六本木にある「awabar」というスタンドバーで、家入さんがスマホ画面見せながら珍しく取材の話をしてきたんです。2012年、年末のことでした。

「ねね、キゴヤマ、このサービスすごいんだ!めっちゃ伸びててこれ書かないと嘘だよ!」

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オープン当時のBASE。家入さんが作ったショップにはどこかの石が勝手に売られてた

当時のBASEはまだ法人化する前で、大学生だった鶴岡さんが家入さんや高木新平さんたちと立ち上げた「Liverty」というプロジェクトの中で作った1サービスでした。ただ、当時のLivertyから出てくるアイデアは突拍子もないものが多く、このプロダクトについても正直言うと半信半疑でした。

<参考記事>

このプロジェクトが単なるお遊びで終わらなかったのはひとえに鶴岡さんという起業家の存在です。また、共同創業という形で大学生だった鶴岡さんをお兄さんのように見守った家入さんの存在も大きかったと思います。まあ、当時の家入さんは振れ幅大きい時期だったので逆だったかもしれませんが。

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2013年当時の師弟コンビ。六本木「awabar」の前で著者が撮影

<参考記事>

2015年には現在、事業の二本柱となっている決済事業の「PAY.JP」が立ち上がり、徐々に事業としての形も見えてくるようになります。店舗を伸ばして流通総額を大きくし、そこに流れるお金やモノをうまくサービスにする。資金繰りのタイムラグだとか、買う時のストレスをなくすとか。振り返ると、何かを作ってファンになってもらう、そういうBASE流の世界観をどんどん仕組み化していったのだなと感じます。

表現は難しいですが、鶴岡さんにはなんというか「スタイル」がありました。

<参考記事>

その後の成長は昨日、開示された情報の通りです。流通総額(GMV)は足元の期で半期累計195億円、前年度比でざっくり175%成長。2本目の柱となったPAY事業のGMVも足元半期累計で107億円、こちらも前年度比で180%以上とお手本のような積み上げ成長です。

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今回開示されたBASEのGMV。お手本のような右肩上がり

コマースも決済も3%前後の手数料モデルなので非常にシンプルです。鶴岡さんと長らく取材でお話してきましたが、あまり横道に逸れることなく、さらにかなり初期段階からこれらの数字をいかに伸ばすかに集中されていました。現在の事業モデルそのものはサービスインの翌年に考えていたものとそこまで大きく変わっていません。

<参考記事>

あと、BASEを語る上で大切なのが投資家の存在です。創業を支えたEastVenturesの松山太河さんやサイバーエージェントの藤田晋さん二度に渡り大型出資をしたグローバル・ブレインの百合本安彦さん、新年早々の出資ニュースで話題になったメルカリ、さらに芸能人の投資としてお金以外の価値を改めて提示してくれた田村淳さんなどなど。

前述した通り、BASEの立ち上がりは不安定そのもので、どこかのタイミングひとつで消えてなくなる可能性は十分にあったはずです。でもこれらの投資家たちがそれをよしとしなかった。もちろん、その一人は家入一真さんです。

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支援先のBASEでの一コマ/facebookより

スタートアップは奇跡、とよく言われます。

ストーリーを知らない人たちからすれば、上場銘柄3600いくらかにひとつ何かが加わった程度のお話かもしれません。しかし、ここには人生があり、事業を通じて広がった新しい世界でチャンスを得た人たちの生活があります。

ゼロからです。本当に何もないところから起業家と投資家はこの新しい世界を作り出せるのです。BASEは見事にそれを証明してくれました。これからは公開企業としてさらに大きな責任を担って、日本を代表するインターネット・カンパニーに成長されることを願っております。

最後に。

今回の上場承認にあたってBASEのコーポレートサイトに鶴岡さんの代表メッセージが公開されていました。非常に彼らしい言葉だったので、そのまま引用させてもらい、記事の締めくくりとさせていただきます。

みなさま、はじめましてBASE株式会社の鶴岡です。
僕はインターネットが大好きです。インターネットによって人生が豊かになった1人でもあります。

「Payment to the People, Power to the People.」

これは僕たちのミッションです。

2012年夏、「BASE」というサービスを作るためにエンジニアとしてだめだめな僕が`<?php`というコードを書き出したあの瞬間から、いま文章を書いているこの瞬間まで、僕たちは “インターネットによって個人や小さなチームがより強くなったその時に、世界がもっともっと良くなる” そう信じ続けてきました。またその想いは、今後も変わることは無いと確信しています。

僕たちBASEは、2012年に大分県で小売店を営んでいる僕の母親が言った「ネットショップを作ってみたい。だけど、どれも難しくてよく分からない。」その一言から全てが始まりました。僕の母親でもインターネット上に自分のお店を持ちたいと思う時代なのに、多くの人々にとってはインターネット上に自分のお店をもつ、決済機能を持つ、その事がいまだにとても難しいことで、それは今まで大きな力を持った人たちだけの特権だったのかとその時に気がつくことができました。

創業以来の一番の発見は、世界一小さなチームであっても世界一偉大なチームになることができる、という事です。それはインターネットとテクノロジーがもたらした一番の恩恵だと、実際に多くのショップさまを見てそう思いました。

僕たちのビジネスモデルにおいては、ユーザーさまの成功が、弊社の成功には不可欠です。それは創業以来もっとも大切にしてきた関係性であり、今日まで継続できていることは、僕たちの誇りです。そして、同時に、僕たちの成果をもってユーザーさまの凄さを証明できればと思っているので、BASEが信じている未来が1秒でも早く訪れるようにこれからも最高のプロダクトを作っていきます。

Payment to the People, Power to the People.

鶴岡裕太

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