期待の次世代協働プレゼンテーション基盤「Pitch」がプライベートベータ版をローンチ、シリーズBラウンドで3,000万米ドルの調達も明らかに

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6Wunderkinder および Pitch の共同創業者兼 CEO Christian Reber 氏

現在は Microsoft の傘下にある Wunderlist の設立者らによって、昨年秘密裏に設立された共同プレゼンテーションソフトウェアのスタートアップ Pitch が、新たな資金調達で3,000万米ドルを獲得し自社製品のプライベートベータ版を正式にローンチした。

同シリーズ B ラウンドは Thrive Capital がリードし、Facebook が所有する Instagram の設立者であり昨年同社を退社している Kevin Systrom 氏と Mike Krieger 氏や、Superhuman の共同設立者である Rahul Vohra 氏など、著名なエンジェル投資家も参加している。

簡単にまとめると、Pitch は2018年1月にベルリンで設立されたが、同社が正式にローンチされたのは、Index Ventures、BlueYard、Slack、そして Zoom の CEO を務める Eric Yuan 氏といった著名な支援者から1,900万米ドルを調達したことが発表された9月である。Pitch は活動の詳細を明らかにしないまま製品に磨きをかけてきたが、後に最大2億米ドルで Microsoft に売却された非常に高い人気を誇る生産性アプリ Wunderlist の共同設立者である、Christian Reber 氏、Jan Martin 氏、Charlette Prevot 氏などが設立者に名を連ねていることから、Pitch は典型的な駆け出しのスタートアップ以上に注目を集めてきた。

こういったすべてのことがあるからこそ、なぜ製品をローンチする前の企業が5,000万米ドル以上もの資金を調達できたかも説明がつく。

Pitch は、同社が言うところの「Slack 世代」を対象としており、プレゼンテーションソフトウェア市場に対し、Slack がチームコミュニケーションおよびチームコラボレーション向けに行ったのと同じことを行おうとしている。実際のところ Slack は、昨年 Pitch に投資(Slack Fund 経由)を行っただけでなく、Pitch の初期ベータ顧客でもある。

Pitch の見た目

Pitch は「オープン」で拡張可能だという印象を与え、Slack(当然ながら)、Twitter、YouTube、Excel など多種多様なサードパーティーアプリやデータストリームとの統合を果たしたいと考えている。Pitch は中核的なセールスポイントとして、「美しく品質の高い」プレゼンテーションをテンプレートを使って簡単に作成できることを売り込んでいる。

Reber 氏は VentureBeat に次のように語っている。

当社の統合プラットフォームには長期的なロードマップと大きなビジョンがあります。私たちの最終的なゴールは、できればプレゼン作成チームがすでに使用しているすべてのツールと統合し、あらゆる場所からデータを取り込むことです。主要な統合をいくつかローンチし、今後徐々に追加していきます。私たちは現代のプレゼン作成チームがもっとも使用するツールとの連携に重点を置いています。ベータ期間中に、ユーザにとってどのツールが大事なのかを詳しく知ることができればと考えています。

Pitch は、ブラウザ、デスクトップ、またネイティブモバイルアプリ経由で、すべてのオンラインおよびオフラインプラットフォームでシームレスに作業できることを約束している。これには、効果的に変更内容を管理するバージョンコントロールにも対応した、クラウド経由のリアルタイムシンク(同期)も含まれる。

すでに出回っているクラウドベースのプレゼンテーションソフトウェアはもちろん多数あるが、Pitch は自社の標準機能を洗練された機能豊富なエクスペリエンスで差別化したいと考えている。その一環で、Reber 氏が言うところの「まるでデザイナーの助けを借りているかのよう」なスマートなフォーマットおよびレイアウトツールも提供される。また特定のユースケース用にカスタマイズされたプレゼンテーションライブラリも内蔵されている。

実際私たちは、Pitch が提供できる最大の利点は、全体的なエクスペリエンスが既存のソフトウェアよりもはるかに優れているという点だと確信しています。(Reber 氏)

Image credit: Pitch

価格はというと、これについては、Pitch は今のところまだ明らかにしていない。プライベートベータ版の期間中 Pitch は完全に無料で全ユーザに提供されるが、2020年のパブリックローンチではプレミアム層を導入予定だ。

当社のゴールは、誰でも Pitch を利用できる一方で、本気で当社プラットフォームに投資しているチームはプレミアム機能からさらに得られるものがあるという、Slack や Zoom とよく似た形です。

ベータ期間中に、どういった機能や動作をユーザが評価するのかを見極め、無料機能とプレミアム機能の適切なバランスを探したいと考えています。(Reber 氏)

ちなみに Pitch は、昨年の始動直後に誰もがうらやむワンワードの.com ドメインを確保している。2018年7月に、カンザス州を拠点とするウェブ新聞の The Pitch が、20年近く保持していた Pitch.com というドメインを売却したと、詳細は明らかにしないまま発表している。やがて、Pitch(プレゼンソフトのスタートアップの方)のスタッフがカンザスのウェブ新聞にオファーを持ちかけたことが明らかになった。

文字通りただメールを送って、それで公正な取引をまとめました。

具体的な数字は明らかにしないまま Reber 氏は語った。

これによって数多くのオンラインニュース局が直面する危機的な財政難が浮き彫りになった一方で、現在ではトップレベルのドメイン名が無数にあるにも関わらず、いまだにドットコムアドレスの価値が高いことがわかる。

規模の大きな投資ですが、すぐに元が取れると思います。(Reber 氏)

PowerPoint の課題

PowerPoint はいささか、埃をかぶったレガシーテクノロジーの代名詞になりつつあるが、この領域に多数のスタートアップがこの領域に革命を起こそう入り込んできているにも関わらず、この Microsoft のソフトウェアはプレゼンテーションツールとして世界トップの座を守り続けており、レポートによってはその市場シェアは最大95%にもなるとしている。

もっとも重要なアイデアを伝える手段として何億もの人々がプレゼンテーションに依存していますが、思い通りに機能しないソフトウェアからいまだに逃れられずにいます。

本当に快適なユーザエクスペリエンスを築くことは、私たちが常に最優先してきたことです。(Reber 氏)

Image credit: Pitch

結局のところこれこそが、これほどまでに高名な投資家集団や早期ユーザを Pitch が確保できた理由だ。生産性ソフトの構築と拡張という分野で折り紙付きの実績を持つ同社の設立者らは、10億ドル規模ともいえる大きな課題に挑もうとしている。さらに、Pitch のもっとも最近の資金調達ラウンドのリードインベスターであった Thrive Capital は、後に Microsoft へのイグジットを果たす6Wunderkinder にも投資しているが、このことからも人が製品とまったく同じくらい(あるいはより一層)大事だということがわかる。

当社が投資を行うのは、市場ポテンシャルが高く成長の速い企業です。Pitch は、変化の時が訪れた市場で優れた製品を生み出すことのできる有利な立場にあります。

Pitch に対する需要があることは、何千社もの企業が仮リリース版に興味を示していることから、すでにはっきりとしています。当社は、製品ビジョンだけでなく、このチームだからこそ Pitch を信じています。私たちは Wunderlist の投資者としても、設立者と強い関係を結びました。(Thrive Capital の Joshua Kusher 氏)

招待制のベータ版へのアクセスを過去1年間に申請した企業のうち、選ばれた企業には今後数カ月以内に Pitch から連絡がある。

Pitch をチームに使ってもらうのが非常に楽しみです。今後も彼らのフィードバックから学び、彼らがあればいいと思うようなプレゼンテーションソフトウェアを構築していきます。(Reber 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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