第4次産業革命の今、私たちはどこに人生をかけるべきか

by ゲストライター ゲストライター on 2019.10.8

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デジタルトランスフォーメーション(DX)というキーワードを耳にする機会が増えてきました。経済産業省も昨年あたりから特設のページを用意するなど、企業啓蒙に力を入れているテーマです。非常にざっくりと説明すると情報化技術を活用したイノベーションのことなのですが、大きく分けて2つの取り組みに分類できます。

  • 1:非効率な業務オぺレーションのデジタル化
  • 2:自社のアセットやサービスのデジタル対応

前者については日増しにその必要性を感じるシーンが増えているのではないでしょうか。紙や手書きでデータも資産として蓄積されない、そんな非効率の先に待っているのは競争力の低下だけではありません。例えばパーソル総合研究所が今年3月に出したレポートによれば、2030年の日本には650万人近くの人手が足りなくなるそうです。人材の採用がままならない状態で業務だけが残る、そんな状況がもう目の前に迫っているのです。

生き残りをかけた「攻めのDX」

守りのDXに対して攻めのDXが後者の考え方です。単なる業務効率化には留まらず、産業そのものを持続可能な形にトランスフォームし、全く新しい世界観を実現することが、DXの本質だと考えます。

例えば私たちの支援先に助太刀というスタートアップがあります。建設業で働く親方や工務店を現場とマッチングするアプリで、建設現場の人手不足の問題をオンデマンドの考え方で解決しよう、という試みです。働く人たちの不便をうまく解決したことで、創業から2年弱ながら9万人以上の方々が利用するまでに拡大しています。

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ここに注目したのが彼らと資本業務提携を結んだ工機ホールディングスさんやJA三井リースさんです。工事現場で必要な工具や建機がもし手元になかった場合、取り寄せるのにはそれなりの時間が必要になります。しかし、日々、現場仕事と親方たちをマッチングする流通網があれば、その時間が随分と短縮できるかもしれません。

「助太刀」というDXが生まれたことで、仕事が貰えて応援も呼べる、材料や工具、建機リースもその日のうちに現場に届く。このような新しい世界観でビジネスが可能になったのです。

DXを推進するべきかどうか、ではなく、どうやって最高のDXを自社のものとするか。この視点が差を生み出すのはもう間違いありません。実現に向けて自社での新規事業開発やM&Aだけでなく、助太刀のようなスタートアップとの協業によるオープンイノベーション戦略も積極的に検討すべきでしょう。

第4次産業革命の今、私たちはどこに人生をかけるべきか

私たちは今、第4次産業革命と言われる、大きなデジタル化の波の中に生きています。本稿で書いた通り、企業や産業のDXは上滑りの言葉だけでなく、生き残りに必須のテーマになっています。その一方、DXが業界として進んでいるのは小売と広告だけで、産業全体の10%程度とも言われています。

つまり、伸び代しかない。

また、DXは効率化や新しい価値創造を通して既存事業を大きく前進させ、人々の生活をより便利で豊かに進化させていくための取り組みでもあります。

DX領域を攻めることのできる人材や起業家というのは限られています。産業に対して深い知見と情報技術に対する造詣があり、かつ、常に疑問を持ち、それを解決しようという姿勢がなければ立ち向かえないからです。しかし、だからこそそれが真に必要とされた時、社会全体を、世界を変えることにも繋がるのです。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、ジェネシア・ベンチャーズ代表取締役で、ジェネラル・パートナーの田島聡一氏によるもの。Twitterアカウントは@soichi_tajima。11月2日にDXをテーマにした採用・転職イベント「Meet by Genesia」を開催予定。くわしくはこちらから。

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