Asia Hardware Battle、上海決勝を開催——インドの新生児モニタリングNemoCareが優勝、日本のスマートアパレル開発Xenomaが準優勝

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発展途上国における新生児や妊婦の死亡を防ぐことを目的とした、インドのウェアラブルスタートアップ NemoCare は、Asia Hardware Battle(AHB) 2019 で最優秀賞を受賞した。楊浦区人民政府の支援を得て TechNode(動点科技)が主催した Asia Hardware Battle 2019 では1ヶ月にわたりコンペティションが開かれ、中国、日本、韓国、シンガポール、タイ、インドから300以上のスタートアップが集まった。

その中から選ばれたファイナリスト15チームが、プロフェッショナルの審査員の前でピッチを披露した。審査員を務めたのは次の方々(一部)。

  • Peter Riedl 氏 – BMW Group Technology Office China ヴァイスプレジデント兼責任者
  • Zhang Peng(張鵬)氏 – UCommune(優客工場)CSO 兼エグゼクティブパートナー
  • Qin Gang 氏 – Lighthouse Capital(光源資本)パートナー
  • Ray Tsang(曾浩燊)氏 -(晨暉創投)共同創業者兼マネージングパートナー

2年連続でインドのチームが優勝したことは、インドのハードウェア業界の加勢を示唆している。

ハードウェアは、それをやること自体がハードだ」という有名な言葉がある。ハードウェア業界に関わるのが難しいのは、ハードウェアスタートアップが設計、プロトタイピング、製造、マーケティング、販売まで、長きにわたる産業チェーンを管理しなければならないからだ。

AHB はイノベーティブなハードウェアスタートアップが、自社製品を披露し、グローバルなテックイノベーティブエコシステムで事業拡大する上で良いプラットフォームだ(Ray Tsang 氏)

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【Gold Award】NemoCare Wellness(インド)

NemoCare 共同創業者 Manoj Sanker 氏
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インドの NemoCare は、必要な重要パラメータを継続的に監視できる新生児の足に装着可能なウエアラブルデバイスで最優秀賞を受賞した。このデータは、無呼吸、低体温、その他の苦痛状態を検出するために使用される。デバイスはアラートを介護者に送信し、タイムリーな介入を提供可能にする。

今後、ハードウェアを介して収集されるデータで動作する AI 対応プラットフォームを構築する。(NemoCare 共同創業者 Manoj Sanker 氏)

CEO によれば、NemoCare の差別化要因は、赤ちゃんに優しいデザインと手頃な価格だ。来年初めに発売されるこの製品の予定価格は、同社の B2B プラットフォームで2万インドルピー(約3万円)。 NemoCare はハードウェアを無料で提供し、消耗品の使用料で回収するビジネスモデルも検討している。

ハイデラバードを拠点とする NemoCare は、IoT エンジニア、データサイエンティスト、生物学エンジニア、工業デザイナーのチームで構成。インドのハードウェアアクセラレータ Revvx と共催したバンガロール予選で優勝した。

【Silver Award】Xenoma

高齢者向けのパジャマの形をした e-skin をデモ披露するモデル
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準優勝は、さまざまなセンサーやデバイスを備えた、洗濯・伸縮可能な素材でできたスマートアパレル「e-skin」を開発する Xenoma にもたらされた。e-skin は、姿勢補正、危険予防、アスリートのパフォーマンス、動作効率の改善のために、人間の動きをトラッキングするのに利用できる。

この技術には、高齢者の健康状況の監視、赤ちゃんの睡眠状況のトラッキング、工場労働者の疲労度んお監視など、さまざまな用途シナリオが存在する、と CEO の網盛一郎氏は語った。

Xenoma は今年これまでに、100万米ドル以上の売上を計上しており、その多くは赤ちゃん向けのサービスからだ。「我々は、毎日1,000人超の赤ちゃんをモニタリングしている」と、網盛氏は語った。同社は世界市場に照準を合わせており、アメリカ、ドイツ、中国に進出しようとしている。

【Bronze Award】Aiello(犀動智能)

Aiello 共同創業者兼 CEO の Vic Shen(沈書緯)氏
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Aiello(犀動智能)の「SPOT」は、家庭やホテル向けにデザインされた音声アシスタントスピーカーだ。部屋内の機器(照明、テレビ、エアコン、カーテンなど)の制御、ホテル設備サービスに関する問い合わせ、ルームサービス、苦情、音楽ストリーミング、VoIP 音声通話、目覚まし時計、Bluetooth オーディオ、レストランやおすすめのアクティビティなどを提供する。

他の消費者向け音声アシスタントと異なり、Aiello のボイスコマンドモデルは、ホスピタリティ業界特有の要望や特性に対応するようトレーニングされている。多くのスピーカーの場合のように、一度に1つのコマンドしか処理できない多くのスマートスピーカーと異なり、Aieillo のシステムでは一つの文章に含まれる複数の意図を同時に取り扱うことができる。

Aiello はこのプロダクトを10月から展開しており、6つのホテルと提携関係を締結した。数年後には、合計部屋数3万〜5万でサービスを提供すべく業務を拡大する計画だ。現在は中国と英語でのボイスコントロールが可能で、主に中国や東南アジア市場を対象としている。

他のファイナリスト12チームは次の通り。

  • Baymax(中国・深圳)……Baymax の Pinpoint は、外科用縫合針の正確な位置決めを支援するナビゲーションデバイス。
  • LuxCreo(清鋒、中国・杭州)……LuxCreoが特許を保有する LEAP(光を使った添加剤)技術は、3D 印刷の速度を従来の100倍に当たる1時間あたり120センチメートルにまで高速化。素材特性により従来の大量生産のも高速化可能。
  • Mamorio(日本)……スマートフォンと接続し貴重品の紛失を防ぐスマート IoT デバイス。
  • SystemStone(タイ)……Vibro は、超高感度の振動センサーと AI 機能を備えた SystemStone の IoT イノベーション。 機械の故障が発生する前に予測し、メンテナンスエンジニアのスマートフォンに通知を送信する。
  • AC Biode(日本)……正極と負極の間に中間電極を設けることで交流バッテリを構築。これにより安全性が向上し、そのサイズは直流タイプよりも30%小さくなり、ライフサイクルも2倍になる。
  • Vicara Tech(インド)……Vicaraの「KAI」は、ユーザがジェスチャによりコンピュータ、ハードウェア、ソフトウェアアプリケーションなどと対話できるウェアラブルジェスチャー認識プラットフォーム。
  • Lazy Co (インド)……AI を使ったスマートリング「Aina」を開発。スマートフォンと Bluetooth 5 で接続し、スマートフォンのリモコンとして機能する。
  • Kinexcs(シンガポール)……整形外科の監視や患者の回復など一連の医療ケアの管理のためのウェアラブル医療機器および分析プラットフォーム。
  • Ancsonic(安声、中国・北京)……空間アクティブノイズコントロール技術と製品開発に特化。
  • Skinrun(肌皮管家、中国・杭州)……同社の V3 インテリジェントスキンデコーダーは、3スペクトラム画像取得システム(可視光、偏光、UV光)で、顔を正確に分析し包括的なレポートを生成する。
  • Tsing Micro(清微智能、中国・北京)……Tsing Micro の TX210 は、オフラインの状態で音声による起動と名詞の認識を実現するチップ。再構成可能なコンピューティングアーキテクチャを使用して、柔軟で豊富な音声処理アルゴリズム、豊富なインターフェイス、電源管理をサポートする。
  • Deocean(徳能森、中国・成都)……システムインテグレーションへのワイヤレスパッシブテクノロジーの適用に取り組む。

最後になるが、パートナーの Tsinghua SEM X-elerator(清華経管創業者加速器)とサムライインキュベートが、各都市予選の開催をサポートしてくれたことに謝意を表する。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】