
Image Credit: Ryff
映像にバーチャル広告商品を表示する「Ryff」は、12月17日、500万ドルの資金調達を発表した。同社は映画、テレビコマーシャル、またはテレビ番組のシーンにバーチャルオブジェクトを配置して、自然に見える形で商品を広告するサービスを展開。
ハリウッド拠点のRyffは、230億ドル規模の“プロダクト・プレースメント(商品配置)市場”のディスラプトを目指している。プロダクト・プレースメントは映画やテレビ番組のシーンにコカコーラ・ボトルのようなブランド品を配置する広告戦術を指す。Ryffの手法は、広告主が該当番組のスポンサーになれるかを選択できるように、ブランド商品を後付けで配置できるバーチャル技術を保有する。
Valor Siren Venturesがリード投資を務め、MaC Venture Capital、Moneta Ventures、Vulcan Capitalらがラウンドに参加。 クライアント企業にはPerfectomundo Tequila、CyberPowerPCらが名を連ねる。

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Ryff担当者は、「従来の広告を支援しないストリーミングサービスの急成長と、製品配置のブームのギャップに目を付け、映画とテレビの両コンテンツへのブランド展開を自動化させる機会を作りました」と述べた。同社は映像コンテンツに商品配置画像を埋め込む。これはコンテキストを汲み取るだけでなく、視聴者からの肯定的な感情を引き出すように考えられている。埋め込まれた画像は、シンプルなブランドオブジェクトの形をとったり、洗練されたインタラクティブでダイナミックな広告に至るまで、様々な提供手法が存在する。
ブランド商品はまるで実際に撮影されたかのように表示され、個々の視聴者、プラットフォーム(従来の放送、ウェブ、モバイルなど)、地理、日付、人口統計プロファイルなど、さまざまな変数や、視聴者の特性に合わせて調整できる。
Ryffのサービスは、ハリウッドのロングテール戦略向けに採用されている(ここでのロングテールとは、販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃える手法)。TVコンテンツの世界的大手プロバイダー「Endemol Shine」を含む、世界中のテレビおよびオンラインコンテンツ主要企業との契約も締結されている。

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「Ryffは視聴者がスキップできない唯一の広告フォーマットであるプロダクト・プレースメントの概念をうまく取り入れ、いつでも、どの市場でも、あらゆるコンテンツに適用できるスケーラブルな広告ソリューションを提供します」 と、Ryffの創設者兼CEOであるRoy Taylor氏は述べている。また、 「視聴者に最適化させたブランド・プレースメント、動画収益化を最大化させるなど、あらゆる結果を引き出すのに役立ちます」と続けた。
「加入者数の拡大に成功していないSVOD /ストリーミングプラットフォームの企業は、似たようなプラットフォームとは被らない収益源の模索を余儀なくされています」と、Mac Ventures CapitalのGPであり、Ryffの新しい取締役のMarlon Nichols氏は指摘する。加えて、「有料プラットフォームの消費者は、広告によってコンテンツ視聴が中断されることを望んでいません。この点、プロダクト・プレースメントは重要な成長チャネルであり、Ryffの新しい市場と独自のテクノロジーはこの成長市場のリーダーになれるでしょう」とも語った。
今回の資金調達により、Ryffは知的財産および技術開発を強化し、ニューヨークとロンドンの営業を強化する。 同社には18人の従業員がいる。また、2019年初頭、Ryffはインドの技術コンサルティング会社「Tech Mahindra」は同社に360万ドルを投資していたことを発表。しかしTaylor氏はメールで、Tech Mahindraのエンジニアチームとの連携オファーは辞退し、自社リソースを活用する方針を採用。 Ryffは本調達前には150万ドルを調達している。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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