2020年に上場の可能性が最も高い米スタートアップ13社をご紹介——うち半数は、新株を発行しない「直接上場」を目指す

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Image credit: Nasdaq

2019年に実施された最大級のテック IPO への失望に始まり、2020年の IPO 市場は強い逆風に直面している。この不確実性の雲の中で、Airbnb は今年公開する中で最も有名な会社になりそうだ。Renaissance Capital の年次 IPO レビューによると、IPO 全体では大幅に数が減少し、2018年の192件から2019年は159件にまで落ち込んだ。そのうち、アメリカの IPO 42件はテック分野からで、2018年の52件から減少している。Renaissance Capital によれば、同社の非公開企業ウォッチリスト(PCW)に2020年上場の可能性のある会社が243社いて、うち60社は幹事銀行と契約したか、米国証券取引委員会に内密理に上場申請を完了している。

再び述べることになるが、中国企業はアメリカでの IPO を積極的に追求する傾向にあり、その中にはコワーキングスペースを運営する「UCommune(優客工場)」、ポッドキャスティングプラットフォームの「Lizhi(荔枝)」、アパートレンタルプラットフォームの「Phoenix Tree Apartment(蛋壳公寓)」などがいる。配車大手の Didi Chuxing(滴滴出行)は、今年 IPO を目指す可能性が高いとの憶測もある。これは、Didi の株式の15%を有する Uber にとっても朗報となるだろう。

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しかし、毎年のように、その年の IPO には課題があるものだが、2020年は多くの追加的な変数が関係することになりそうだ。1つは、アメリカ大統領選の年であると言うことで、市場が急上昇または急落する多くの爆弾を誘発する可能性がある。米中間の貿易交渉の成り行きは流動的であり、毎日のように変化しているようだ。イギリスにおける BREXIT の遅延が影響を与える企業もある。いつものことだが、イランとの戦争の可能性などランダムな出来事が、すべての予想を変えてしまう可能性もある。

そして、これら全てよりもさらに影響を及ぼすのは、2019年に公開した大型ユニコーンのパフォーマンスが貧弱であること、そして、WeWork の大惨事だ。これらの問題が影響して、Postmates など一部競合は IPO 計画を断念した。Renaissance は2020年(訳注では2019年とあるが誤りとみられる)、誤差プラスマイナス25件の範囲で、159件の IPO を予想している。概ね2019年と同じ水準だ。

以上の注意を念頭に、2020年に公開される可能性が最も高いアメリカのテック企業13社を以下に紹介する。

Airbnb(VC からの累積調達額:31億米ドル)

カウチサーフィンのスタートアップが世界的な旅行予約プラットフォームに変身したことは、間違いなく今年最も熱望されるディールとなるだろう。その理由としては、世界的に認められた名前と世界中の観光産業への影響が大きいことによるものだ。

しかし、長年にわたって利益を上げてきた同社は、成長の鈍化に対処するため支出を増やし、事業を拡大するために多くの買収を行った後、赤字に陥った。 IPO 投資家が不採算企業を支援することに神経質になる中で(少なくとも今のところ)、Airbnb が目論見書を公開する際に健全な議論がなされることが期待される。

Airbnb は、直接上場(新株を発行せず既存の株式だけを上場)を追求していると言われているため、ベンチマークとしても機能する可能性がある。そうなれば、Slack や Spotify の足跡をたどることになるだろう。この戦略が成功すれば、業界とウォール街の関係を再構築する傾向にさらなる勢いが加わる可能性がある。実際、Airbnb は、このリストの中でも、そのような動きを考慮した6社のうちの1社だ。

Wish(VC からの累積調達額:16億米ドル)

Wish は、非ブランド品や割引品を買い物客に販売することで、静かに巨大な e コマースプラットフォームとなった。Amazon との競争に直面しつつも、同社は驚くべき成功を収めた。そういえば、Amazon もすでに自主運営の姿勢をとる Wish に申し入れをした可能性がある。本当のドラマは、Amazon が無敵のオファーで急襲しようとするか、Wallmart がそれを奪おうとするか、あるいは、独立した e コマースの勢力として上場するか、ということかもしれない。

DoorDash(VC からの累積調達額:21億米ドル)

このフードデリバリスタートアップは急速な成長を見せてきたが、Uber Eats や Postmates など資金を失う企業でひしめき合う業界で激しい競争に直面している。サンフランシスコを拠点とする DoorDash は今もアメリカを中心に営業している。

同社はソフトバンクがリードした5億3,500万米ドルのラウンドを始め、注目すべき資金調達をいくつか獲得している。WeWork や他の不評なケースを引き合いに出される状況下において、ソフトバンクから支援を受けていることは、良いニュースでもあり、悪いニュースでもある。DoorDash もまた、直接上場を検討していると報道されている

Procore Technologies(VC からの累積調達額:3億400万米ドル)

建設管理ソフトウェア会社と言うとセクシーな響きではないかもしれないが、Procore Technologies は、40億米ドルに達するかもしれない IPO のリード役として Goldman Sachs と幹事契約したと報道されている。特筆すべきは、2019年で最も成績の良かった IPO は、堅実な事業を営む中小企業だったということ。まさに Procore Technologies のように。

Casper(VC からの累積調達額:3億5,500万米ドル)

Casper は、同社のオンラインプラットフォームでマットレスを販売している。シーツや枕も。ただ、それだけ。ウェブサイトと出荷をしてくれるからテック企業なのかって? そうじゃない。Casper にはチャットボットがある。VentureBeat では以前、Casper のことを「夜のライフスタイルブランド」と呼んでいるので、私はその記事を書くのさえ少しためらう。すでに幹事会社として Morgan Stanley と Goldman Sachs と契約したと報じられており、今のところは、とりあえず信じてテック企業と呼ぶことにしよう。

Robinhood(VC からの累積調達額:9億1,200万米ドル)

Robinhood はアプリを通じて無料株式取引を提供しており、顧客が保有する資金から利益を得ている。このモデルは、ウォールストリートをやや神経質にさせながらも、新しい投資家の間で人気を得てきている。同社も直接上場にいくかもしれないとの噂がある。

Credit Karma(VC からの累積調達額:8億6,900万米ドル)

この金融スタートアップは、消費者向けに無料のオンラインクレジットレポート金融管理ツールを提供する。長年にわたり、IPO の憶測が話題に上がっていたスタートアップだ。最近まで、その噂は2018年の IPO となっていたが、Credit Karma は大型資金調達をしたことで、その計画は先送りされた。昨年初め、同社の CEO は IPO を標榜していないと語っていた。現在、彼の話は IPO に戻りつつある。

Snowflake Computing(VC からの累積調達額:9億2,300万米ドル)

Snowflare Computing は、ストレージパフォーマンスを改善可能な、Amazon Cloud と Micorosoft Azure 上で動作するデータベースソフトウェアを販売している。過去2年間にわたり資金調達に精を出してきた。同社もまた、直接上場する可能性のある候補だ。

GitLab(VC からの累積調達額:4億3,600万米ドル)

GitLab は、同社のソフトウェア開発とコラボレーションツールのおかげで、多くのプログラマにとり必要不可欠なツールとなった。同社は Microsoft に買収された GitHub と競合しているが、「完全な DevOps プラットフォーム」と呼ばれるべく開発者のワークフローに広範に注力してきた。DevOps に対する市場の関心の高まりから、過去2年間で2回の大規模資金調達ラウンドを完了した。

Asana(VC からの累積調達額:2億1,300万米ドル)

Facebook 共同創業者の Dustin Moskovitz 氏が設立した Asana は、タスク管理ソフトウェアを開発し、企業内コラボレーションを醸成するためのプラットフォームとなった。類似競合である Slack、Microsoft、Trello と同じく、Asana もまた直接上場を目指している。

Instacart(VC からの累積調達額:18億7,000万米ドル)

食材雑貨配達プラットフォームの「Instacart」は、興味深い数年間を送ってきた。流れ星のような成長と人気により、多くの消費者に愛されるサービスとなったが、Amazon が Whole Foods を買収し、Instacart が Whole Foods との提携を解消したところ問題が生じた。Instacart は問題を克服し、1年前に CEO が IPO が視野に入ったと述べた。あれから12ヶ月が経過し、IPO の見通しが再び話題に上っているところだ。

Unity(VC からの累積調達額:13億米ドル)

ゲーム開発プラットフォームの「Unity」は、過去数年間にわたり不断の IPO 候補として名が上がっている2020年に株式公開する仲間に入っているかに思えたが、昨年初めには5億2,500万円を調達し、インサイダーに株式を売却させ、株式公開へのプレッシャーをかわした。Unity が今年、非公開会社でなくなる可能性は、50-50 と言えるだろう。

Rubrik Hybrid(VC からの累積調達額:5億5,300万米ドル)

Rubrik Hybrid は、パブリッククラウド、オンプレミスシステム、あるいは、その両方からなるハイブリッドに保蔵された情報を企業から収集するのに役立つデータ管理プラットフォームを提供直接上場を検討している

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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