AIで貨物スペースのムダをなくせーー配送マッチングの「Flock Freight」が大型調達

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Image Credit: Flock Freight

※本記事は提携するVentureBeat「Flock Freight raises $50 million to match shippers with freight transportation」の抄訳になります。

世界の輸送業界における大型トラックの重要性は言うまでもない。2017年の米国市場において、カナダ・メキシコ間を渡った6,140億ドル分の貨物のうち、60.2%以上が大型トラックによって輸送されている。一方で、過去3年間で7,000億ドルの価値を生む同市場の大半を占有する大手輸送業者の影で、小型貨物かつ短距離な輸送を手がける中小配送事業者らが、事業維持に大きく苦戦しているという事実は、あまり知られていない。

しかし、Flock Freightが構築する機械学習を活用したマーケットプレイスは、同問題を解決する。AIを元にした最速・最適ルートの発見と、貨物スペースの余剰を埋める配送マッチング・システムの導入により、配送は無駄なく効率的に行われる。投資家にはGoogle Venturesの名もあり、業界外からも大きく注目されていることが分かる。

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Image Credit : Venture Beat

そんなFlock Freightは本日、シリーズBラウンドで5,000万ドルの調達を発表した。前回シリーズAラウンドの1,800万ドル、前々回シードラウンドの250万ドルと合算すると、本調達により同社の累計調達額は7,000万ドルに到達した。

同社CEOの Zaslansky氏によれば、本資金は同マーケット・プレイスの拡大に投下される見込みだという。また同氏は、Flock Freightのビジネスは各地に配送物用の倉庫を設置する必要のない新しい配送サービス・モデルであり、配送車及び依頼者のコスト削減に大きく貢献できるという点を強調している。

同マーケット・プレイスのトラック・ネットワークは米国及びカナダ内で数千台と広がっており、全てのトラックの位置情報などはリアルタイムでトラッキングされている。同社によれば、損傷クレームは0.001%未満で、かつ定刻配送の達成率は97.5%と非常に高水準であるという。またトラックの変更や倉庫でのストップなど無駄な工程を省くことで、燃料の排出を従来の40%以上抑えることに成功しているとのこと。

なお業界の競合としては、先日2億ドルの予算が投じられた「Uber Freight」、1億4,900万ドルの調達を実施したサンフランシスコの「KeepTrucking」、9,700万ドルの調達をした「Next Tucking」、そして27.5億ドルの評価額をつけて4億ドルの調達に成功した「Convoy」などが存在している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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