位置情報分析のナイトレイ、KDDIと提携し地域活性化支援サービスを強化——モバイルから得られる高解像度の動態ビッグデータ活用で

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位置情報データのアナリティクス技術を開発するナイトレイは10日、KDDI と提携し同社の位置情報ビッグデータ活用サービス「KDDI Location Data」と連携することを明らかにした。これにより、観光分析ニーズ、MaaS、まちづくりなど地域活性化支援サービスを提供することが可能になるとしている。ナイトレイはこれまでに、南伊豆・西伊豆の MaaS プロジェクト竹中工務店とまちづくり関連プロジェクトなどに取り組んでいる。

ナイトレイはこれまで、ソーシャルメディア上に投稿された情報を解析し、ユーザ行動の位置情報解析を行っており、そうして生まれたのが2015年にローンチした訪日外国人観光客の動きを可視化する「inbound insight」だ。ただ、そうして拾えるのは自分から情報を発信した人の動きのみで、そうではない受動的な人の動き(地元住民を含む)をどう拾うかが課題となっていた。

KDDI Location Data は2019年に開始された新サービスで、同意を得た au スマートフォンユーザの端末から位置情報などを取得し、性別や年齢層といった属性情報を付し、匿名処理を施してビッグデータとして提供されるもの。1時間単位の移動滞在データを最も細かい粒度で125m単位で把握できるほか、15分ごとに1時間先の情報を未来予測データとして提供される。

KDDI Location Data の情報を取り入れることで、ナイトレイは訪日外国人観光客にとどまらず、地元住民や旅行者を含む日本人の動態を捕捉できるようになるため、日本人旅行者の観光課題分析、MaaS 導入プロジェクトのデータ活用支援、まちづくり関連プロジェクトのデータ活用支援が可能になるとしている。ターゲットユーザとしては、地方自治体、鉄道会社、観光関連、DMO(観光地経営組織)など。

ナイトレイはこれまでにも、NTT ドコモと提携し訪日客(ローミングインのユーザ)の匿名化された動向データ、経済産業省と交渉して国が持つ訪日客の動向データなどを集め解析し、サービスのバリエーションを増やしてきた。これまでに、SNS ビッグデータを利用してユーザと地域の飲食店を結ぶモバイルアプリ「ABC Lunch」、訪日旅行者向け観光サポートアプリ「ZouZou」、ポケモンGOの人気スポットを地図上に表示する「Pokémon GO Insight」などをリリースしている。

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