
Image credit: TechNode / Shi Jiayi
中国のゲーム及び SNS 大手 Tencent(騰訊)は、WeChat(微信)ユーザ11億人の後払い を可能にするクレジット機能「Fenfu(分付)」を公開した。
重要すべき理由:Fenfu は Tencent のマイクロローン参入を意味し、Alipay(支付宝)が Huabei(花唄)、JD.com(京東)が「Baitiao(白条)」として提供している機能と同様のサービスである。
- 本サービスの提供開始は、WeChat アプリ内で金融サービスに簡単にアクセス可能なデジタルエコシステムを構築するという、Tencent の戦略を如実に表している。
- ここ数ヶ月、Meituan(美団)と Alipay は、既存のアプリに広範囲に及ぶデジタルライフスタイルサービスを完全連携するという長期的な戦略を打ち出している。
- Tencent のフィンテック本格化の動きは、全てのユーザ需要に応える競争がヒートアップしている現状の現れだ。
<関連記事>
- 「今買って、後で払う」——アジアのミレニアル世代の後払い需要増に賭けるHoolah、シリーズAラウンドで数千万米ドルを調達
- Tencent(騰訊)、信用スコアリングシステム「微信支付分」をローンチ——Alibaba(阿里巴巴)系「Sesame Credit(芝麻信用)」に対抗
詳細情報:Fenfu が発表されたのは昨年だが、3月末現在、既に多くのユーザがその機能を利用している。
- Fenfu は外食やショッピング、映画観賞の支払に利用できる一方、他の WeChat ユーザへの送金には利用できない。
- 支払の際に、ユーザは事前にクレジットをキャッシングで引き出す必要はなく、支払の際に直接 Fenfu を選択すればいい。
- 借りた金額には日割りの利息がつき、いつでも全額を返済することができる。
- 他の分割払サービスとの違いは、固定金利や支払期限が存在しないことだ。
- その代わり、返済するたびに金利は下がっていく。
背景:Tencent は第4四半期、フィンテックおよびビジネスサービスの売上高が299億人民元(約4,600億円)と前年同期比39%増となり、同四半期の総売上高の28%を占めたと報告した。
- WeChat Pay(微信支付)の競合である Alipay は、ユーザの多い他のプラットフォームと連携して、国境を越えた提携を拡大し、金融サービスのエコシステムを拡大している。
- 中国のマイクロレンディングは2016年に始まり、若い消費者の間で特に人気がある。今や半数以上の中国人が日々の消費の中で、お金を借りて支払を行っている。
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待