Xiaomi(小米)は、スマートフォンメーカーが消費者金融業界で存在感を高め、Ant Financial(螞蟻金融)や Tencent(騰訊)など中国のテック大手と競合しようする兆しが見える中で、バーチャルバンク「Airstar Bank(天星銀行)」の運用試験を開始すると発表した。
重要視すべき理由:世界第4位のスマートフォンブランドとして知られる Xiaomi は、フィンテックの野望を明確にしている。バーチャルバンクは、アジア最大の独立系投資銀行である AMTD Group(尚乗集団)のJVであり、Xiaomi は株式の90%を所有している。
- Xiaomi の野望は IoT への足がかりを活用し、中国での既存のフィンテックサービスを拡張し、世界に拡大するというものだ。同社のプラットフォームは1億5,100万台のアクティブなモバイルデバイスに接続されており、これは世界最大規模だとしている。
詳細情報:この試験運用では、Airstar、Xiaomi、AMTD Group の従業員2,000人とその友人や親戚を対象に、バーチャルバンキングツールを試用しフィードバックを得ることができる。
- Airstar は、サービス料無料のリテールバンキングを展開する。香港在住者は5分で口座を開設でき、最低入金額も無い。
- Airstarはまず2つの商品からスタートする。1つは、50万〜100万香港ドル(約700万〜1,400万円)までの普通預金に対して、年利最大1%を提供するもの。50万香港ドル(約700万円)までの預金が保護される。
- また、顧客は定期預金に預金することができ、8日、19日、27日の定期預金など、預金の満期日を自分で選択することができる。定期預金はいつでも手数料なしで満期日前に決済に使うことができる。
- 無担保融資商品は、透明性のある価格設定で顧客に提供される。利息は日割りで発生する。融資額は開示され、金利は日割りで計算される。顧客は手数料を支払うことなく、前倒し返済することができる。
背景:香港金融管理局のフィンテック監視サンドボックス(FSS)が、この試験運用を監督する。
- 香港金融管理局は、Ant Financial、Tencent、JD.com(京東)、保険大手の Ping An(平安)などの8社に、バーチャル銀行業務のライセンスを発行した。
- AMTDは、今年後半に向けてデジタル資産の IPO を計画している。AMTD は、アジアのより広い地域でリテールバンキングの顧客や中小企業にサービスを提供したいと考えており、現在、他の業務領域でライセンス取得を競い合っている。
<参考文献>
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