新サブスク「Uber Pass」でスーパーアプリの座を狙うUber

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UberPassウェブサイト

Uberは月額サブスクリプションモデル「Uber Pass」の全米でのローンチに向け最終段階に入っている。同社は2018年にRide Passをリリースしているが、これは利用者が月額15ドル払うことでダイナミックプライシングによる料金変動をなくすことができるサービスだった。当初はロサンゼルス、マイアミ、デンバー、オースティン、オーランドで利用可能となり、グローバルに拡大していった経緯を持つ。

こうしたサブスクリプションモデルの成功を受け、昨年よりあらゆるサービス(Uber、日用品配送、自転車、スクーターなど)を全て含ませたプラン「Uber Pass」のテストを開始していた。

Uber Passのテストフェーズは、全米10都市で利用可能だったが、今日を境にニューヨーク、シアトル、ポートランド、セントルイス、ホノルル、マディソン、ミルウォーキー、ナッシュビルを含む200都市で利用可能となる。

同サービスはカリフォルニア州で利用できないとされており、これは同社とドライバーが個人事業主として扱うかどうかについて、地元当局と争っていることが影響していると想定される。カリフォルニア州の新法「Assembly Bill 5」では、同州において労働者の勤務内容を企業が認知・管理している、また通常業務の一部を構成している場合は、従業員として雇わなければいけないと定められている。

そのため、Uberは仮に判決が同社にとって不利となった場合は同州における事業を閉鎖すると明かしている現状がある。

サブスクの中身

Uberは新サブスクリプションの具体的な内容と金額を決定した。月額は25ドルで、サブスクすることでUberX、XL、コンフォート車が10%オフとなり、ブラック、SUV、プレミア車が15%オフとなる。加えて15ドル以上のUber Eats配送料は無料となり、注文は5%オフとなる。

また、Uber Passを利用すると同社がつい最近買収したラテンアメリカの食料品スタートアップCornershopの注文を40ドル以上で無料配送可能となる。ただし、米国における同事業は未だ初期段階だ。

Uberは月額サブスクリプションモデルから、Uber Poolや1日30分を限度とするJUMPの無料利用の提供を廃止した。実はUberは今年5月にJUMPのオーナーシップをLimeへ譲渡しており、サブスクリプションのサービスに含まれていないことは理にかなっている。こうした動きは、パンデミックによりソーシャルディスタンスが推奨される中でライドシェアが避けられる背景が大きく関わっているようだ。

さて、UberやLyftは過去にもサブスクリプションモデルをいくつか打ち出しており、これは安定した顧客を常に確保する狙いがある。つまり、Uberを使うかLyftを使うかを迷わせず、節約可能なプランを提示することで前払いしてもらうといった手段だ。こうした顧客をこれから増やすことは、両社にとって重要な観点となるだろう。

なお、Uberは同社が抱えるあらゆるサービスを一括に利用できる、統合型のスーパーアプリを数週間~数か月のうちにリリースすることも発表している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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