Apple vs Epic:Appleプラットフォームにおける決済論争(2/6)

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Epic Gamesはオープンプラットフォームを望む。Image Credit: Epic Games

Epic側が主張するAppleの「独占」

(前回からのつづき)Epicは以下2点でAppleが独占的性質を帯びていると主張する。

  • アプリ配信コントロールをしている点
  • ユーザーがApple独自の決済システムを介して支払いをしなければならない点

Appleが持つ独占力を考慮すれば、独占禁止法により競合他社をマーケットから取り除くような行為は禁止されているはずだという主張だ。しかし、それと同時に同社はAppleがApple Storeを通して成し遂げた新しい価値提供について認めている点は触れておくべきだろう。

「明確にしておくと、弊社はAppleに対して全ての無償提供を求めているわけではありません。私たちが求めているのは、App StoreやIAP(アプリ内課金)を利用することなく、他のサービスを選択可能とすることです」。

Epicはアプリ配信自体そのものが、スマートフォンプラットフォーム市場から派生した「アフターマーケット」であると主張している。これは、全てを同一マーケットであると捉えるAppleとは正反対の見解だ。そのためEpicは裁判所に対し、諸問題が単一製品の話でなく、独自性を持ち合わせたアフターマーケットとして考慮すべきだとの考えを示している。

つまりEpicは、スマートフォンプラットフォーム上における権利主張をしているのではなく、アフターマーケットにおいてAppleが独占禁止法に触れていると主張しているのだ。具体的には、同社はAppleがウェブサイトなどからアプリをダウンロードすることを禁止しているように、市場に制限を意図的に持たしていると主張。こうした主張の前例には、Apple vs Pepperのようなものがある。

一方、GoogleがAndroidを展開していることを考えれば、Appleが完全な独占をしているとは言えない。しかし、Epicは二重独占も市場に悪影響を与えており、AndroidよりAppleの方が比較的良質なユーザー層を抱えていると主張している。加えて、AppleにはAndroidより課金を拒まない10億人のユーザーが存在しており、彼らを市場的性質により仮想的に移動不可な状態にしていると指摘する。これは、iOSからAndroidへの移行コストが非常に高いという点が経済学者のDavid Evans氏によって提唱されているからだ。

2016年Q1から2020年Q1におけるスマートフォン販売シェアを見ると、Appleは全体の40%を占めていることが分かる。Epicは同期間のiPhone販売価格が最低でも300ドル以上、平均では790ドルであることに言及している。スマートフォン市場全体では、300ドル以上の価格で販売されたデバイスの内、Appleは57%の売り上げシェア、49%の販売台数シェアを獲得していた。同数字のみでは、同社が独占市場を得ているとは言えないが、本質的な問題はデバイス移行に伴うコストが非常に高い点であろう。

Epicは現時点でAppleより同社サービスへのアクセスを切断されているため、iOSにおけるDAUは60%ほど減少している。これらユーザーが以後復活しない可能性は大いにあり、それを考慮し同社は裁判所に対し一時的な制限緩和をAppleに対して求めている。

Appleプラットフォームにおける決済論争

Above: Tim Sweeney氏は歯に絹着せないCEOだ
Image Credit: Epic Games

決済に関しても両社が独占禁止法を巡り争う大きな論点になっている。現在Appleは開発者に対し、デジタルコンテンツを配信し決済システムを導入する際は同社独自の決済サービス利用を求めている。ただし、一部のケースにのみ同社は他の決済手段を認めている。

例えば、ライドシェアのような現実世界でのやり取りが存在するようなサービスにおいて、Appleは外部決済サービスの利用を認めている。確かに、Lyftのアプリ内決済ではStripeがサービス提供を実施している。また、UberはBraintreeの決済サービスを利用しており、これは即時決済が求められる背景が大きく関与していると思われる。加えてPrime VideoやAltice One、Canal+などプレミアムデジタルビデオコンテンツを提供する場合も、同社は他決済サービスの利用を許容している。

Epicは、Amazon Pay、Authorize.net、Braintree、Chase Merchant Services、PayPal、Square、Stripe、Xsollaなどは、Appleと比較してはるかに低価格な手数料でサービス提供をしており、開発者がこうしたサービスへ需要を示すことは当然であると主張する。

しかしAppleは、決済は独立したビジネスではなく「より大きな」ビジネスの一部であるとし、こう主張する。

「Epicの主張は、IAPを独立した一つの市場であると裏付けしているものではありません。ユーザーへサービス提供するにあたり、必要不可欠な要素である場合、通常裁判所は全てのサービスを包括的に1つのものとみなします」。

また、Appleは現在、決済システムやアプリ配信ポリシーに違反しているFacebook、Microsoft、Google、Nvidiaなどのクラウドゲームアプリを禁止しており、結果的に独占市場を作り上げているとEpicは主張している。これは、別観点での独占禁止法違反問題かもしれないが、未だ法的問題には発展していない。(つづく・全6回)

参考記事:Fortnite戦争

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】