シンガポールのeスクータースタートアップNeuron Mobility、シリーズA拡張で1,200万米ドルを調達

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Neuron Mobility 創業者の Zachary Wang 氏(左)とHarry Yu 氏(右)
Image credit: Neuron Mobility

シンガポールに本社を置く電動スクーターのレンタルスタートアップ Neuron Mobility は、シリーズ A ラウンドで1,200万米ドルを追加調達した。シリーズ A 全体で調達した資金総額は3,050万米ドルとなった。新たな出資は、既存投資家であるオーストラリアの VC の Square Peg Capital と GSR Ventures が共同で行った。

今回の資金調達は、特にアフターコロナのオーストラリアとニュージーランドにおける国際展開を加速させるために使用される。Neuron Mobility は、両国の自治体と提携し 9ヶ所で事業を展開している。また、今後12ヶ月以内に地域内の少なくとも5つの新しい都市に進出し、400人の雇用を創出することを目標としている。さらに、イギリスのスラウにも進出し年内には稼働する予定。

Neuron Mobility の CEO Zachary Wang 氏は次のように述べている。

世界中の都市が交通システムを再考しており、アフターコロナの安全で安価で社会的に分散した移動手段を求める人が増えている。これは、マイクロモビリティプロバイダーにとって大きなチャンスだ。オーストラリアとニュージーランドでの事業経験と新たな資金調達を組み合わせることで、この地域全体、そしてその先での成長を加速させることができるだろう。

2016年に Wang 氏と Harry Yu 氏がシンガポールで設立した Neuron Mobility は、シンガポール、マレーシア、タイ、ニュージーランド、オーストラリアで e スクーターのシェアリングサービスを運営している。

また、e スクーターが横向きに放置されているかどうかを検知し、オペレーションチームに安全に再配置するよう警告する転倒検知機能、誰かが転倒したかどうかを検知し、利用者が緊急サービスに電話するのを助ける緊急ボタン、利用者の友人や家族が e スクーターの旅をリアルタイムで追跡できる機能「Follow My Ride」など、さまざまなイノベーションを導入しており、安全性と安心感を高めている。

Image credit: Neuron Mobility

2019年12月の最後の資金調達ラウンド以降、Neuron Mobility はオーストラリアとニュージーランドのさらに8都市でローンチし、イギリス市場への参入を発表した。現在、4,000台の e スクーターを運用するオーストラリアとニュージーランドでは、40万人の利用者が200万回近く利用され、市内移動距離の総和は400万キロに達した。

2018年12月、Neuron Mobility はシードラウンドで、 SeedPlus、500 Startups、SEEDS Capital、ACE Capital などアーリーステージ VC から380万米ドルを調達した

アフターコロナに、都市で勢いを増す e スクーター

新型コロナウイルスを背景に、世界中の都市や消費者は、安全で便利で社会的に分散した交通手段としての e スクーターの可能性に気付きつつあると Neuron Mobility は述べている。国際線や州間の移動が制限されている中、人々はこれまで以上にローカルな場所を移動するようになり、多くの都市では e スクーターが地域経済の活性化に貢献している。

ロックダウン中のオーストラリアでは、5人に1人のユーザが今までに e スクーターに乗ったことがないと申告したが、それ以来、多くの人が積極的に旅行習慣を変えようとしている。オーストラリアとニュージーランドのユーザは、ソーシャルディスタンスを重視するようになり、e スクーターの平均走行距離は23%増の2.6kmになり、平均走行時間は10%増の14分以上になった。

10億米ドル以上の資金を運用する Square Peg は、Canva、PropertyGuru、Stripe、Fiverr などに投資している。一方、GSR Ventures は2004年に設立された世界的 VC で、30億米ドルの資金を運用している。エンタープライズ・ソフトウェア、コンシューマ・プラットフォーム、デジタルヘルスなどのアーリーステージのテクノロジー企業に投資している。GSR Ventures は、配車サービス大手 Didi Chuxing(滴滴出行)の最初の機関投資家だった。

【via e27】 @E27co

【原文】

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