Twitterによる買収と閉鎖、SNSの転換点到来か ーー 新たなソーシャル像を作る3つの動き

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Photo by freestocks.org from Pexels

Twitterに大きな動きがありました。具体的には3つ。

1つは音声市場参入の兆し。18日に「Twitter Spaces」の名前で音声チャットルームサービスを限定招待の形で立ち上げました。著名VCのAndreessen Horowitzが出資し、1億ドル評価で大型調達を果たした「Clubhouse」を意識した動きです。音声ツイート機能を招待制で展開を始めたことから、今後数カ月で世界中のユーザーが参加する可能性があります。

2つ目はスクリーンシェアサービス「Squad」の買収。友人とライブ動画感覚でおしゃべりできるサービスで(買収発表直後にクローズ)、Netflixを一緒に視聴する機能も実装されており、在宅中に1人で楽しんでいたコンテンツを多人数で消費できるものです。本買収は、Fortniteを開発する「Epic Games」が買収した友人同士の動画コミュニケーションアプリ「Houseparty」に追随する動きです。

最後が「Periscope」の閉鎖発表。2015年にTwitterに買収されたライブ動画配信サービス、Periscopeが2021年3月までに閉鎖されるとのことです。閉鎖までの期間、ユーザーは同アプリ内に残った動画データをダウンロードできます。サービス立ち上げ・買収・閉鎖のニュースを直近1カ月以内に立て続けに発表したTwitterは今後、どのようなサービス像を目指しているのでしょうか。キーワードは「フラット」と「共有体験」です。

最近では配信者と視聴者の関係図に代表される、主従関係の構図が徐々に時代遅れになってきています。テレビ番組に見られるような、ただコンテンツを受け取るような形です。2020年以降のトレンドはもっぱらClubhouseやSquadに見られる、ユーザー同士が対等な関係値で話し合える場を提供することにありました。先述したように、従来1人だけで楽しむような体験を共有する価値観に注目が集まっています。この点、2010年代に成長をしてきたSNSはそのサービス像を大きく変える必要が出てきました。

Twitterはその瞬間に感じたことをつぶやき、他のユーザーとコメントやリツートでやり取りする最初からフラットなSNSを構築していました。ただ、Periscopeは配信者と視聴者の関係でサービスが成り立っており、友人間の会話ではなく、あくまでも「配信」にこだわっています。これでは統一性が感じられません。そのため、音声チャット立ち上げやスクリーンシェアサービス買収に動き、Twitter本来の提供価値とはズレてしまったPeriscopeを切ったのでは、と想像されます。

奇しくもPeriscopeと最後まで市場競争を続けたMeercatは、後にHousepartyにピボットしてEpic Gamesに買収されています。コロナの影響もありそのユーザー数を爆発的に伸ばしたこともあり、最終的な勝者は先に買収されたPeriscopeではなく、旧Meercatだという歴史が証明されてました。それもこれも、ユーザーの権限に差をつけるのではなく、友人間のフラットな関係作りに注力したためだと考えられます。

Twitterが今後目指すのは、まさにユーザー同士がバックグラウンドを気にせずにフラットにコミュニケーションが取れる場所であり、「Interest-Social-Network」とかつて呼ばれていたように、ユーザー同士の興味に基づいてマッチングが行われ、関係を深められる場所だと感じます。

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