Twitch創業者Justin Kan氏が語る「2回目の起業で失敗し学んだこと」など——韓国スタートアップシーン週間振り返り5月24日~5月28日

本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

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5月24日~5月28日、韓国のスタートアップが調達した資金総額は8,577億ウォン(約849億円)に達した。

主な資金調達

調達額1,000億ウォン(約97億円)以上

  • 2008年に韓国人創業者がアメリカに設立したモバイルヘルスケアスタートアップ Noom(눔)が5億4,000万米ドルを調達した。企業価値4兆ウォン(3,950億円)以上に達したとみられる。今年 NASDAQ 上場を目指す。
  • 2014年に設立された教育スタートアップ Riid(뤼이드)がソフトバンク・ビジョン・ファンド2から1億7,500万ドルを調達。AI 技術力の強化、人材の拡大を計画。

調達額100億ウォン(約9.7億円)以上

  • お一人様ピザフランチャイズブランド「Gopizza(고피자)」が110億ウォン(約10.8億円)を調達。AI ベースのスマートキッチン技術の成果による。全国区のマーケティング活動加盟店共生支援に進んだ。
  • ファッション EC モール「Musinsa(무신사)」の会社で限定マーケット「Soldout(솔드아웃)」を運営する SLDT(에스엘디티)が100億ウォン(約10億円)を調達。発売から2カ月で累積ダウンロード数25万件を突破。話題を月平均120%を超える成長率の記録。

その他の調達

  • ローン比較サービス提供プラットフォーム「韓国金融ソリューション(한국금융솔루션)」が75億ウォン(約7.4億円)を調達。韓国の金融 IT 大手 Koskom(코스콤)の社内ベンチャーとしてスタート2019年ローンチ。マイデータ(韓国で個人がカードの利用履歴・保険加入状況などの自分の金融に関するデータを一括管理できるシステム)事業推進サービス高度化を加速。
  • ブロックチェーン技術スタートアップ SOOHO.IO(수호아이오)が50億ウォン(約5億ウォン)を調達。スマートコントラクトの開発を加速。
  • アニメ制作会社 You Need Character(유니드캐릭터)が27億ウォン(約2.7億円)を調達。インドの国民的スポーツのクリケットをテーマにしたアニメ「Cricket Pang(크리켓팡)」を制作。2024年に IPO の計画。
  • AI ベースのコンテンツスタートアップ Plain Bagel(플레인베이글) が30億ウォン(約2.9億円)を調達。AI アルゴリズムを活用し、デジタルネイティブに最適化したメディアサービスを提供する。
  • オンラインライブキッズスクール「Gguge(꾸그)」運営の Glorang(글로랑)が38億ウォン(約3.8億円)を調達。自らの教育コンテンツ開発・キッズ専門教師ためのソフトウェアを開発。
  • スリープテック企業の Asleep(에이슬립)が20億ウォン(約2億円)を調達。睡眠の質分析、睡眠障害の改善、カスタム睡眠管理サービスを提供する。
  • Dalroll Company(달롤컴퍼니)が10億ウォン(約9,700万円)を調達。新製品の開発・サブスクサービス開始予定。
  • 動画レビューサービス Indent Corporation(인덴트코퍼레이션)が45億ウォン(約4.5億円)を調達。グローバル進出、人材採用、サービス開発の計画。
  • インフルエンサーコマースの Inpock(인포크)が5億ウォン(約4,900万円)を調達。インフルエンサーがソーシャルメディアで商品を簡単に売ることができるサービス運営。35,000人のインフルエンサーが参加している。
  • ジュニア人材派遣サービス Rarajob(라라잡)が13億ウォン(約1.3億円)を調達。
  • 電子製品体験型オンラインモール「Test Valley(테스트밸리)」運営会社 BLQ(비엘큐)が12億ウォン(約1.2億円)を調達。ローンチから1年で、取引額が月次50%以上で成長している。

M&A

トレンド分析

Twitch 創業者 Justin Kan 氏の告白「2回目の起業で失敗し学んだこと」

成功した創業者は引き続き成功するだろうか。数多くのスタートアップの成功話の中から失敗の話を聞くことは容易ではない。特に成功と失敗を同時に経験した創業者に聞くアドバイスは、さらに価値がある。最近 Twitch 創業者の Justin Kan 氏が YouTube で2020年廃業した法律スタートアップ Atrium の失敗話を共有した。Twitch 創業者が設立したスタートアップというだけで有名 VC やエンジェルなどから多額の投資が集まった、最終的に36ヶ月で7,500万米ドルの損失を記録し、会社はドアを閉めた。

<関連記事>

Atrium のローンチは、不便な法律サービスを改善しようという必要から始まった。簡単で便利なサービスを作ろうとした。彼は、それぞれ異なる背景を持つ創業者5人を集め、アイデアのみのピッチデッキ10枚で1,000万米ドルのシリーズ A 調達を行い、事業初期から常勝疾走する。しかし、予想とは異なり、同社は徐々に困難に直面した。彼は「新しいアイデアだけでは十分ではなかった」とし「良いチーム、良い投資家、初期の顧客がいたが、多くの要素が企業没落を引き起こした」と話した。

最大の失敗の原因は、製品自体にある。Kan 氏は「真のテックスタートアップであれば製品を優先しているが、Atrium はそうすることはできず、成長と数字のみ執着した」と明らかにし、「技術によって、かつてない全く新しい製品を作ることが、真のゲームチェンジャーだ」と語った。Google や Facebook、Coinbase などを例に挙げた。彼はまた、自分の強みである、優れたマーケティング力で投資家や顧客を獲得したものの、マーケティング力は、製品の卓越さ無しには不十分なものだとも語った。この他にもターゲット顧客を正確に設定していない点、不透明な会社のミッション、賢明ではないリーダーシップなどを失敗の原因に挙げた。そして法律関連サービスに対して、自身の情熱と関心が無かったことも理由に挙げた。彼の言葉を総合すると、顧客、製品、チーム、ミッションなどすべてが不完全で、成長だけを追求した結果、失敗をもたらしたのだ。

廃業後、彼は精神的な苦痛と驚異的な罪悪感を経験したという。友達も失った。失敗を通じて最終的に誰の隣に残るかも知ったという。また、自らが創業者ではなく、新しいアイデアやコンテンツを作ることを好む人であることを認識したことで、現在では幸福が訪れたそうだ。彼は、自分のような過程を経ているさまざまな人にとって、自分の話が参考になれば幸いだと語り、一歩ずつ問題を解決していけば克服できるとも助言した。

<失敗の要因>

  • 製品より成長を優先。できる限り最大の会社を作ることが目標。成功を望む。
  • 急成長する欲求を持ち、スタッフを急速に拡大。会社文化の構築に失敗。
  • 顧客を確保することに専念し、製品のことは後で考えた。差別化に失敗。
  • 誰のためのサービスであるかを明確に定義していない。Twitch には明確なターゲット顧客が存在した。
  • 会社のミッションが不透明。
  • 「Win or Die」式リーダーシップ。支持者か裏切り者か、という見方。共同創業者間でのサポート不足。信頼関係の消滅。
  • リーガルテックへの情熱や真正性の欠如。
  • チームが大きくなって収拾が難しくなり、ピボットも困難になった。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】