洞察力豊かな投資家5人に聞いた、2022年のスタートアップトレンド予測【ゲスト寄稿】

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mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。彼は、日本で Shizen Capital(旧 Tachi.ai Ventures)のマネージングディレクターを務める。本稿は Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。英語によるオリジナル原稿は、BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿

This guest post is authored by Mark Bivens. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture capitalist. He is the Managing Partner of Shizen Capital (formerly known as Tachi.ai Ventures) in Japan. The original English article is available here on Bridge English edition.


私は、数年前から世界のベンチャーキャピタリストによる技術予測リストを毎年発表している。このリストでは、シリコンバレーの著名なベンチャーキャピタル以外の、必ずしも世界の舞台で意見を聞くことができないベンチャーキャピタルの声をあえて優先して掲載している(2021年はこちら、2018年はこちら、2017年はこちら)。

今シーズンも、ベンチャー・エコシステムに驚くほどポジティブなインパクトを与えるであろう女性投資家たちに登場してもらうことになった。

新年あけましておめでとうございます! 2022年が私たちにとって実りある年になりますように。

Mark

村上由美子氏——MPower Partners(日本)

2021年に記録的な伸びを示した ESG 投資は,2022年も引き続きモメンタムを継続。同時にグリーンウォッシュに対する批判も高まり、ESG 投資の質が問われる年になるのでは。

これまで上場企業などが中心だったESGが 本格的にプライベート市場でも導入され始める可能性大。

Tonna Obaze——Harlem Capital(アメリカ)

ブロックチェーン技術、暗号通貨、NFT など、世界は Web3 の進化を続けていくと思う。しかし今年は、認知度よりも大規模な利用に焦点が当てられるだろう。専門家でなくても理解できるように平易な言葉でコンセプトを伝える人、シームレスに導入できるようなインフラを構築する人など、Web3 を誰もが利用できるようにする新しいプレーヤーが現れることを期待している。昔はコンピュータにアクセスできる人はごくわずかで、家庭内にある人はもっと少なかったのだが、Apple はそれを変え、誰もがコンピュータにアクセスできるようにしようとした。Web3 のために誰が同じことをするのか、時が経てば分かるだろう。

武田英美子氏——マネックス・クライメート・インパクトファンド(日本)

サステナブルフードの分野で興味深いイノベーションが起こると考えている。例えば、従来、空のウニは海の生物に不可欠な藻類の害となり漁師を悩ませていたが、オールナチュラルな食物プログラムにより、寿司用の貴重なウニに変えるプロジェクトがある。

また、日本で味噌や酒の発酵によく使われる麹菌を利用して、植物性の美味しいチーズをもち米から作るプロジェクトもある。

Abi Mohamed 氏——Tech Nation(イギリス)

2021年はヨーロッパのスタートアップにとって目覚ましい年であり、1,000億ドルが投資され、100社のユニコーンが誕生した(Atomico Report 2021 を参照)。しかし、過小評価グループ(underrepresented)の創業者に対する投資は少なく、最大の格差は黒人創業者に対するものだった。

一方で、Marshmallow や AudioMob のようなイギリスの黒人創業者に対する信じられないような資金調達案件を見ることもできた。私の予想では、2022年はより多くのイギリスの黒人創業者が、マイクロ/ソロファンド、元創業者からエンジェル投資家に転身した者、または国際機関ファンドから資金調達すると見ている。

飯田麻衣氏——D4V(日本)

2021年には、NFT や EdTech のコホートプログラム、推し活など、個人やコミュニティが主導するコンテンツの台頭が目立った。クリエイターの活動の幅が広がり、働き方の自由度も増している。また、アメリカで見られる Great Resignation(大退職時代)のように、人々がライフスタイルに合ったキャリアを選択し、生き方を見直す動きが顕著になってくる。

2022年には、この2つのトレンドが交わることを期待している。新しい働き方を見出し、仕事と趣味を同じくらい大切にする生き方が一般の人々にも広まるのではないだろうか。まさに、スタートアップが革新的なアイデアを提供できる注目分野だ。

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