日本から初上場先に NASDAQ を選ぶスタートアップが誕生、ファンドの組成とクローズラッシュ【Canvas 2月号(2月5日〜2月11日)】

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日本から初上場先に NASDAQ を選ぶスタートアップが誕生、ファンドの組成とクローズラッシュ

今週の話題(2月5日〜2月11日):米やシンガポールで「無料保険サービス」展開、大阪発WarranteeがNASDAQにIPOを申請ココナラ、最大15億円規模のCVCを設立——他VCと協調投資、10人のスキル保有者が立ち上げ期を支援Web3投資の「Infinity Ventures Crypto」、1号ファンドをクローズ——Animoca Brandsらから7,000万米ドル調達

BRIDGE を10年近くやらせていただいていて、NASDAQ への上場を発表するスタートアップは、おそらく初めてかもしれません。韓国や中国のスタートアップの中には、より柔軟な資金調達ができることや、グローバルでの露出機会増を狙って、最初から NASDAQ を目指すところが多かったと思いますが、日本の大多数のスタートアップは東証での IPO を目指します。言葉の面からも慣習の面からも、地元市場での IPO の方が勝手はわかりやすいし、上場支援するプロバイダ(監査法人や証券会社)も豊富にあります。

NASDAQ に上場申請したのは、アメリカやシンガポールで無料保険サービスを提供する Warrantee です。証券取引所や証券等取引委員会のルールの違いから、日本では上場が承認された際に情報開示されるのに対し、アメリカでは上場が申請された際に明らかになります。現時点では必ず上場承認される保証はないのですが、予定通り事が運ぶことを祈りたいと思います。NASDAQ の担当者が日本のファンドや VC に積極的に営業に来ているとの話も聞くので、NASDAQ 上場を目指すスタートアップは増えるかもしれません。

Image credit: Coconala

一方、ファンドの組成やクローズも複数発表されました。上場を果たしたスタートアップが、後進のスタートアップに投資するケースはよくありますが、その多くは、後進を育てたり、自社事業とのシナジーを追求したりすることを意図したものでした。マネーフォワード(実際には、子会社のマネーフォワードベンチャーパートナーズ)が GP となり、広く LP を募って HIRAC FUND を組成したのは興味深い動きでしたが、ココナラの新ファンドも、協調投資のみで他社からも出資を募るという点では面白いかもしれません。

法律の制約から、日本の VC やファンドが Web3 領域に投資するファンドを組成する動きはあrませんが、日本はもとより世界中で投資活動を行っている Infinity Ventures(現在は Headline Asia)が Infinity Ventures Crypto というファンドを組成しました。Animoca Brands(香港)や YGG(フィリピン)といったアジアで有名な Web3 関連スタートアップがコミュニティに参加しており、Decentralized(分散型)の分野ではあるものの一つのハブ的な役割を担っていくかもしれません。

今週の調達ニュース

今月の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

LINEでの顧客フォロー最大化を支援するSaaS「MicoCloud」運営、シリーズAラウンドで12億円を調達(2月9日)

  • Micoworks は、シリーズ A ラウンドで約12億円を調達したと発表した。このラウンドには、ALL STAR SAAS FUND と Eight Roads Ventures Japan が参加した。Micoworks にとっては、2021年2月と9月の調達に続くものだ。累積調達額は約20億円に達した。

サブスクビジネス効率化・収益最大化プラットフォーム「Scalebase(スケールベース)」運営、12.5億円をシリーズA調達(2月9日)

  • アルプは、シリーズ A ラウンドで12.5億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターはグロービス・キャピタル・パートナーズで、DNX Ventures、GMO VenturePartners、電通ベンチャーズが参加した。DNX Ventures(シードプレシリーズ A)、電通ベンチャーズ(プレシリーズ A)はフォローオンでの参加。今回ラウンドを受けて、同社の累計調達額は約19億円に達した。

LA発の和菓子D2C「MISAKY.TOKYO」運営、シード1で1.2億円を調達——千葉道場、CSP、Headline Asiaらから(2月9日)

  • MISAKY.TOKYO(ミサキ・トウキョウ)」などを展開する Cashi Cake は、シード の 1st ラウンドで1.2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、千葉道場ファンド、ココナラスキルパートナーズ(CSP)、Headline Asia、奥田浩美氏、村上臣氏など。これは、同社にとって、2回にわたって実施したエンジェルラウンド(ISGS インベストメントワークス、⻄川順氏、山内一馬氏、田村耕太郎氏、平野洋一郎氏、HEART CATCH などから合計約6,000万円を調達)に続くものだ。同社の累積調達額は約1.8億円に達した

医師向け臨床支援アプリ「HOKUTO」運営、シリーズAで8.25億円を調達——会員数は全国医師人口の1割に到達(2月8日)

  • HOKUTO は、シリーズ A ラウンドで8.25億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、グローバル・ブレイン、ジェネシア・ベンチャーズ、グリーベンチャーズ、East Ventures、個人投資家として田中良和氏(グリー創業者兼代表取締役社長)ほか。ジェネシア・ベンチャーズは前回ラウンドに続くフォローオン。累積調達額は11.25億円に達した。

企業向け社員オンライン健康管理「Carely」運営のiCARE、シリーズEで19億円を調達——累計調達額は43.8億円に(2月7日)

  • iCARE は、シリーズ E ラウンドで19億円を調達したと発表した。このラウンドはインキュベイトファンドがリードし、グローバル・ブレイン、Salesforce Ventures、三井住友海上キャピタルが参加した。なお、調達額にはデットファイナンスが含まれる。今回ラウンドを受けて、iCARE の累積調達額は43.8億円に達した。

非同期動画コラボSaaS「Quden(クデン)」が正式ローンチ、One Capitalから5,000万円をシード調達(2月7日)

  • 非同期でコラボレーションができる動画 SaaS「Quden(クデン)」を開発するジパンクは、シードラウンドで5,000万円を調達した。

アジアのニュース

今月のアジアのニュースをお届けします。

東南アジアのフリマアプリ「Carousell」、不動産情報サイト「99.co」運営を1.5億米ドルで買収か(2月11日)

仮想通貨取引所Binance(幣安)と韓国芸能大手YG、メタバースやブロックチェーン関連で提携(2月10日)

  • Binance(幣安)YG Entertainment(YG 엔터테인먼트)は、ブロックチェーンの機会を共同で探求する契約を締結した。両社はメタバース、NFT(非代替トークン)、ゲームプロジェクトで協業する予定だ。YG の K-POP スターらは、デジタル資産の形でこれらの提供物に登場することが期待されており、Binance は Binance Smartchain(BSC、幣安智能鏈)を通じて技術インフラを提供する。

NFTブーム「IreneDAO」の火付け役「So-Col」、Animoca Brandsらから175万米ドルをシード調達(2月10日)

  • NFT(非代替トークン)ブーム「IreneDAO」を支えるプラットフォーム「So-Col(Social Collectables)」が、DeFiance Capital とAnimoca Brands が共同リードしたシードラウンドで175万米ドルを調達した。

Web3投資の「Infinity Ventures Crypto」、1号ファンドをクローズ——Animoca Brandsらから7,000万米ドル調達(2月10日)

  • Infinity Ventures Crypto(IVC)は、グローバルな P2E(Play-to-Earn)ゲーム、アジアにおける分散型金融(DeFi)および Web3 プロジェクトの成長を促進するため、7,000万米ドルを調達し、初回ファンドを設立した。Circle、Digital Curerncy Group、Animoca Brands などがこの資金調達に参加した。

インド発の仮想イベント基盤「Airmeet」、3,500万米ドルをシリーズB調達——日本からKOIFとDG Daiwa Venturesが参加(2月9日)

  • Airmeet は、Prosus Ventures、Sistema、Sequoia Capital India、RingCentral Ventures がリードしたシリーズ B ラウンドで、3,500万米ドルを調達したと発表した。この資金調達により、同社の総資金調達額は5,000万米ドルを超えた。今回の資金調達により、同社は研究開発部門を拡大し、グローバル市場でのプレゼンスを強化することで成長を加速させる計画だ。

中高年女性向けファッションアプリ「Queenit(퀸잇)」が35億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(2月8日)

  • Queenit(퀸잇)」がシリーズ B ラウンドで360億ウォン(約35億円)を調達した。2020年にローンチ、昨年100億ウォン(約9.6億円)を調達してから半年で新たな資金調達。累積調達額は515億ウォン(約50億円)。プラットフォーム掲載ブランド数は700以上、ダウンロード件数は370万件、月間取扱高は100億ウォン(約9.6億円)を突破している。

インドのエドテックユニコーンByju’s、SPAC経由で1ヶ月以内に上場へ【Bloomberg報道】(2月6日)

  • Byju’s は、少なくとも3社の特別目的買収会社(SPAC)と交渉中で、3〜4週間以内にそのうちの1社との合併による上場計画を発表することを目指していると、この件に詳しい関係者の話を引用して Bloomberg が報じた。交渉中の SPAC として名前が上がっているのは、Michael Klein 氏の Churchill Capital and Michael Dell 氏の MSD Acquisition Corp.、Harry Sloan 氏の SPAC、Altimeter Capital Management の4社。Byju’s の最新の時価総額は210億米ドルだ。万〜10億米ドルのプレ IPO 調達を模索していると、関係者は述べている。

中国のシニア向け趣味特化SNS「Hongsong(紅松)」、シリーズA+ラウンドで1億米ドルを調達(2月5日)

  • Hongsong(紅松)」は、Bertelsmann Asia Investments(貝塔斯曼亞洲投資基金)がリードしたシリーズ A+ ラウンドで約1億米ドルを調達した。このラウンドには、Matrix Partners China(経緯中国)、CCV(創世夥伴資本)、BlueRun Ventures(藍馳創投)などの既存投資家も参加している。

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