ロシアの侵攻に我々はどう対峙するか、東南アジアからスタートアップ2社が日本進出へ【Canvas 2月号(2月26日〜3月4日)】

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ロシアの侵攻に我々はどう対峙するか、東南アジアからスタートアップ2社が日本進出へ

今週の話題(2月26日〜3月4日):Ukraine DAO(ウクライナDAO)支援団体への暗号資産(仮想通貨)送付を開始支援集まる「Ukraine DAO(ウクライナ DAO)」に参加してみた【追記あり】意外に多い、ウクライナ拠点や出身の世界的有名スタートアップ——ロシアによる侵攻後も、多くはキーウで業務を続行東南アジア発のBNPL(後払)スタートアップPace、日本市場に参入アジア発マイクロモビリティスタートアップBeam、9,300万米ドルをシリーズB調達——日本進出へ

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってしまいました。記事にも書きましたが、ウクライナを出自とする有名スタートアップは、我々が身近に使っているサービスの運営元も含め結構あるものです。英語話者が多かったり、IT エンジニアが多かったりすることもあって、ドイツのスタートアップシーンに顔を出すと、ウクライナやポーランド出身の起業家によく出会します。ロシアのスタートアップはロシア国内に照準を合わせたものが多く、ウクライナはグローバルに通用するサービスを作りだすポテンシャルが高いと思います。

遠い極東の地からウクライナに対して我々ができることは限られるのですが、なんとか元のさやにおさまってほしいものです。ウクライナの次はバルト三国(ラトビア、リトアニア、エストニア)に侵攻するのではと、ウクライナのゼレンスキー大統領が言っていましたが、この悪い予測はあながち間違いとも言えません。エストニアが データエンバシー e-Residency などデジタル化を積極的に進める背景にはロシアの脅威があります。民が国が追われても、最後はデジタルにアイデンティティが残る、という動機です。

via Flickr by Marco Verch Professional Photographer
CC BY-NC-ND 2.0

一方、今週は東南アジアから2つのスタートアップの日本進出のニュースが入ってきました。一つは BNPL、もう一つはマイクロモビリティです。どちらも国内に既存プレーヤーがいます。そこでふと考えてみたのですが、BNPL の金融領域も、マイクロモビリティの交通領域も、常に政府の規制当局と鍔迫り合いな側面があって、国内プレーヤーはサービス提供のための規制緩和を狙って監督官庁や国会議員にロビー活動します。また、新しいコンセプトのサービスだと、彼らは消費者に対する教育・啓蒙コストを支払っています。

さて、国内プレーヤーによって一通りこうした市場の〝地ならし〟が終わった頃に、海外プレーヤーが殴り込みをかけてきた場合、国内プレーヤーは、「なんかづるい」とか「いいとこ取り」みたいな印象は持たないのかな、という疑問です。マーケットアクセスは誰に対してもオープンなものであるべきなので、国内プレーヤーは先行者利得か、地元民ならではのノウハウで逃げ切るしかないのかもしれません。commmune CEO の高田優哉氏が言っていた、黒船に襲来される前に世界を攻めることの重要性を考えさせられます。

今月の調達ニュース

今月の国内スタートアップの主要な資金調達ニュースをお届けします。

シリーズ B ラウンドで20億円を調達した hacomono の皆さん
Image credit: Hacomono

フードボックス展開のnonpiが3.4億円を調達、フローズンミールサブスク「nonpi A.R.U.」をローンチ(3月4日)

  • ノンピは、3.4億円を調達したと発表した。ラウンドは不明。このラウンドに参加したのは、テラスカイベンチャーズ、みずほキャピタル、静岡キャピタル、CRG ホールディングス(東証:7041)、ダブルシャープ・パートナーズ、MOVER&COMPANY など。

置き社食「OFFICE DE YASAI」運営のKOMPEITO、シリーズCで13億円を調達——地方拡大を加速へ(3月3日)

  • OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を運営する KOMPEITO は日、シリーズ C ラウンドで約13億円を調達したと発表した。このラウンドは、ニッセイ・キャピタル、インキュべイトファンド、JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツがリードし、ニッセイ・キャピタル、DD ホールディングスベンチャーキャピタル、中国銀行、京銀リース・キャピタル、とっとりキャピタル、NOBUNAGA キャピタルビレッジが参加した。

不動産管理業務のワークシェアリングサービス「COSOJI」が資金調達——KUSABI、BDV、ニッセイ・キャピタル、グロービスから(3月2日)

  • COSOJI(コソージ)」を展開する Rsmile は、直近のラウンドで資金調達を実施したと発表した。このラウンドに参加したのは、KUSABI、B Dash Ventures、ニッセイ・キャピタル、グロービス。ラウンドステージは不明。同社は今回ラウンド単体での調達額が開示していないが、累計調達額が1.6億円に達したことを明らかにした。

カジュアル面談プラットフォーム「Meety」、1.9億円を調達——スタートアップ的採用アプローチは、大企業にも波及の様相(3月2日)

  • Meety は、直近のラウンドで1.9億円を調達したことを明らかにした。プレシリーズ A ラウンド相当とみられる。このラウンドは HIRAC FUND がリードし、ANOBAKA と XTech Ventures が参加した。XTech Ventures は2019年11月のシードラウンドに続くフォローオン。

ウェルネス業界向けSaaS「hacomono」運営、20億円をシリーズB調達——THE FUND、Coral Capital、ALL STAR SAAS FUNDから(3月2日)

  • hacomono は、シリーズ B ラウンドで20億円を調達したと発表した。このラウンドは THE FUND(シニフィアンとみずほキャピタルが共同で運営)がリードし、Coral Capital と BEENEXT の ALL STAR SAAS FUND が参加した。ALL STARS FUND は、hacomono(当時の社名は、まちいろ)のシードラウンドシリーズ A ラウンドに続く出資。

ヒトの脚のように立って移動可能な椅子型モビリティ開発のLIFEHUB、CACとインキュベイトFから1億円をシード調達(3月1日)

  • LIFEHUB は、サイバーエージェント・キャピタルとインキュベイトファンドからシードラウンドで1億円を調達したことを明らかにした。同社は以前、プレシードラウンドでインキュベイトファンドから3,000万円を調達しており、それに続くものとなる。

映像クリエイター向けプラットフォーム「Vook」運営、メタバース対応人材養成事業などで2億円を調達(3月1日)

  • Vook は、みずほキャピタル、フィンテックグローバル、個人投資家から2億円を調達したと発表した。ラウンドは不明。同社にとっては2016年8月の調達(コンコードから調達額非開示)、2017年10月の調達(みずほキャピタル、大和企業投資からとデットを含め1億円)に続くものだ。

徳島大学発・食用コオロギ生産のグリラス、2.9億円を調達——高生産性、少アレルゲン品種確立に向け研究開発を加速(3月1日)

  • グリラスは、約2.9億円を調達したと発表した。同社にとっては、2020年12月に実施したシリーズ A ラウンドに続くものであるため、ポストシリーズ A ラウンド相当と見られる。参加したのは、Beyond Next Ventures、HOXIN、産学連携キャピタル(阿波銀行らが支援)、いよぎんキャピタル、近鉄ベンチャーパートナーズ、食の未来ファンド(kemuri venturesによる運営)、地域とトモニファンド(徳島大正銀行、香川銀行、フューチャーベンチャーキャピタルによる運営)。

習慣化アプリ「みんチャレ」運営、プレシリーズAとシリーズA合計で3.7億円を調達——FTI、みずほキャピタルらから(3月1日)

  • エーテンラボ(A10 Lab)は28日シリーズ A ラウンドで3.7億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ファストトラックイニシアティブ(FTI)、みずほキャピタルなど。同社にとっては、創業直後の2017年2月に実施した6,600万円の調達、2020年2月に実施した投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」による5,920万円の調達に続くものだ。

心疾患を音で見つける「超聴診器」開発、熊本発AMIが日清紡HDと提携し1.5億円を調達(2月28日)

  • AMI は、日清紡ホールディングス(東証:3105)と資本業務提携を締結し、 1.5億円を資金調達したと発表した。同社にとっては、2018年8月の調達(調達額非開示)、2019年1月の約1億円、2020年4月の4.9億円、2020年5月の3,000万円に続く調達。今回の調達により、累積調達額は明らかになっているものだけで7.7億円を超えた。

与信プラットフォーム「Credit as a Service」を展開するCrezit、6.5億円をプレシリーズA調達(2月28日)

  • Crezit Holdings は、プレシリーズ A ラウンドで6.5億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、デライト・ベンチャーズ、Spiral Capital、千葉道場ファンド。これは、同社にとって、2019年4月に実施したプレシードラウンド(約7,000万円を調達)、2021年2月に実施したプレシリーズ A1 ラウンド(約3,500万円を調達)などに続くものだ。今回の調達を受けて、これまでの累計調達額は約9.2億円に達した。

完全栄養食を開発・提供するBASE FOOD、「THE FUND」から10億円を調達(2月28日)

  • パン・パスタ・クッキーの形態で完全栄養食を提供する BASE FOOD は、グロースキャピタル「THE FUND(シニフィアンとみずほキャピタルが運営)」から10億円を調達したと発表した。これは同社にとって、2017年10月に実施したシードラウンド(1億円を調達)、2019年5月に実施したシリーズ A ラウンド(4億円を調達)に続くものだ。

アジアのニュース

今月のアジアのニュースをお届けします。

今月も何かと話題の多かった Animoca Brands のチームの皆さん。
Image credit: Animoca Brands

中国で教育産業規制後初、社会人教育プラットフォーム「Fenbi(粉筆)」が香港でIPOへ(3月4日)

  • Fenbi (粉筆)」は、香港で IPO を申請した。小中高までの生徒(K-12)を対象としたカリキュラムの個人指導サービスに対する一連の規制当局の取り締まりに見舞われた昨年7月以来、Fenbi の上場は中国のエドテック業界初の IPO となる。

東南アジア発のBNPL(後払)スタートアップPace、日本市場に参入(3月3日)

バーチャルキャスターの「Typecast」運営が24億円をシリーズB調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(2月28日)

  • AI 音声サービス Neosapience(네오사피엔스)が256億ウォン(約24億円)を調達した。バーチャルキャスターの声を合成し、コンテンツを作ることができる「Typecast」は100万ユーザが利用。調達資金を使って、サービスの高度化とグローバル拡大を計画している。

香港発の玩具やポップカルチャー系NFTプラットフォーム「UCOLLEX」、1,000万米ドルをシリーズA調達——Animoca Brandsらから(2月27日)

UCOLLEX」は、シリーズA資金調達ラウンドで1,000万米ドルを調達した。Animoca Brands と MCP IPX One Fund(日本のMCPアセット・マネジメントが所有)がこのラウンドで共同出資した。

アジア発マイクロモビリティスタートアップBeam、9,300万米ドルをシリーズB調達——日本進出へ(2月27日)

  • Beam は、プライベートエクイティ企業 Affirma Capital がリードしたシリーズ B ラウンドで9300万米ドルを調達した。Sequoia India、Hana Ventures、ICT Capital、EDBI、AC Ventures、RTP Global、Momentum Venture Capital も参加した。Beam は調達した資金をもとに、日本、インドネシア、フィリピン、ベトナム、トルコに進出する予定だ。

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