iBuyerモデル展開のすむたす、シリーズBでデット含め12億円調達——日本橋に移転した意外な理由とは?

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左から:共同創業者で代表取締役の角高広氏、共同創業者で取締役の伊藤友也氏
Image credit: Sumutasu

不動産スタートアップのすむたすは16日、シリーズ B ラウンドで12億円を調達したと発表した。このラウンドには、WiL(World Innovation Lab)、モバイル・インターネットキャピタル、農林中金イノベーションファンド(グローバル・ブレインによる運営) 、マーキュリアインベストメントと伊藤忠商事が共同運営するファンド、CARTA VENTURES、きらぼしキャピタル、名前非開示の個人投資家が参加した。すむたすにとって、WiL などから資金調達したシリーズ A ラウンドに続くものだ。累計調達額は20億円超に達した。

すむたすは2018年1月、Speee で不動産流通メディア「イエウール」の立ち上げに関わり、イタンジ(今年10月、GA Technologies が買収)で無店舗型の不動産仲介サービス「nomad」(2018年1月、ジャパンインベスターパートナーズに事業譲渡)の責任者を務めた角高広氏らにより設立。不動産価格をほぼ自動的に査定できる独自アルゴリズムを開発したことにより、通常は申込から数週間から数ヶ月以上かかる不動産の買取を、最短2日間で可能にしている。

この技術をベースにして、2018年からさまざまな理由で保有不動産を早期売却したい不動産オーナーを対象に「すむたす買取」を展開。アメリカではスタートアップ iBuyer が展開するビジネスモデルだ。物件をどれくらいの価格で買い取ることができ、リノベーションした上でどれくらいの価格で販売することができるのかは、データドリブンなアプローチによりリスクを極小化することができる。課題となるのは、仕入れてから販売するまでの運転資金をどうやって確保するかだ。

VC 資金はグロース資金なので、運転資金には利用しづらい。運転資金はデットで調達するのが一般的だ。しかし、信用力が乏しいスタートアップは、金融機関からデットで資金を調達するのが難しい。この課題を解決する一つの手法として、すむたすは日本橋にオフィスを移転することを決断した。すむたすがデット資金を調達するのは、理解を得られやすい地方銀行だ。地方銀行は東京の支店を日本橋周辺に設置していることが多く、角氏によれば、オフィスが近いことがデット獲得に明らかにプラスに作用したという。

一方、前回の調達から1年半、グロース資金である VC からの調達は苦労したそうだ。コロナ禍の経済不安定から在庫リスクを嫌う投資家は、情報ポータルや仲介業ではなく、一度在庫を抱えてから販売する、すむたすのビジネスモデルに警戒感を示すところも少なくなかった。角氏は、「広告を削れば黒字化できるが、成長のために投資するというレベルまで来た」として、PMF(プロダクトマーケットフィット)を過ぎて、これからがグロースステージに突入するタイミングだと意気込みを見せた。

今期の売上は、昨年同期比3倍程度の100億円(30〜40件程度)の物件売買を見込んでいる。これまで首都圏を中心にサービスを展開してきたが、今後半年程度の間に、大阪(関西圏)もしくは名古屋(東海圏)にもサービスを拡大する計画だ。Google の口コミには、すむたすを実際に利用したユーザから予想以上に高評価が得られているとのことで、角氏はサービスが受け入れられ始めていることを確信し、今後は、海外投資家からの資金調達にも積極的に取り組んでいきたいと語った。

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