実際の装着感は?ーーザッカーバーグCEO曰く「信者のためのもの」Metaが1,500ドルでQuest Pro発表(2)

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Metaのマーク・ザッカーバーグCEO曰く「これは信者のためのものだ」

(前回からのつづき)確かにコストはかかることになるが、エンタープライズバージョンで同社のコンピューティングプラットフォームの新たなコンポーネントをテストすれば、その後、時間の経過と共にコストが下がることで、Questのプロダクトラインに改善をもたらすことになるだろう。

新しいデバイスはより優れた拡張現実(AR)体験を可能にした。例えばヘッドセットを装着しているときに現実世界が見えないと感じさせないよう、両サイドは開いたままになっている。完全に没頭したい場合は、いくつかのアクセサリを追加してビューを暗くすることも可能だ。

紹介の時、ザッカーバーグ氏は「これは信者のためのもの」と語りかけていた。

これは彼のメタバース戦略の一部であり、Facebookの名前をMetaに変更した理由でもある。彼は、VRと拡張現実がメタバースに入るひとつの方法になると考えている。というのも、VRと拡張現実は存在感や別の場所に移動した時の感覚、仮想体験の中にいるという感覚をもたらしてくれるからだ。

「メタバースを稼働させるための多くのテクノロジーが動き出しており、参入する企業が増えています。未来はそう遠くありません」(ザッカーバーグ氏)。

彼はまた、メタバースはオープンであるべきであり、さまざまなデバイスからメタバースにアクセスできるべきだと繰り返していた。

充電器にセットされたMeta Quest Pro

Quest Proは、新しいQualcomm Snapdragon XR2+プラットフォームを搭載した最初のデバイスとなった。このプラットフォームはVRに最適化されており、熱放散が優れているため、Quest 2よりも50%も高い力で動作するなどパフォーマンスが大幅に向上している。

各Quest Proには、12GBのRAM、256GBのストレージ、10個の高解像度センサー(ヘッドセットの内側に5個、外側に5個)が装着されており、さまざまな没入型体験を強化している。

さらにこのデバイスには、多くのレイヤーを持つパンケーキレンズが装着されている。これはQuest 2の光モジュールに比べてスリムで、比較して、1インチあたりのピクセル数が37%増加している。結果、VR内のテキストを75%も高いコントラストで読むことができ、また、量子ドット技術により、デバイスの色域も広がっているとのことだ。

そして追加のセンサーにより、パススルーモードで外向きセンサーの4倍のピクセル数を検出できるようになった。これは、ヘッドセットがVRで周囲の環境をより忠実に再現できることを意味する。

MetaでVRデバイスの製品管理責任者を務めるRupaRao氏は、ユーザーはヘッドセットの向こう側にあるカメラビューを、Quest 2のようなあいまいな白黒画像ではなく、より高解像度のカラー画像で見ることができると説明していた。

Meta Quest Proは、複数のセンサービューを組み合わせ、3D世界の自然かつフルカラーの立体的な複合現実パススルーを実現した。モノクロ単眼のパススルーと比較して、拡大およびルームスケール複合現実の両方で、より優れた奥行き感覚と歪みの少ない、高品質かつ快適な体験が実現している。

Meta Quest Proのバッテリーはバンドの後ろに

「特にここ数年、お互いにライブでつながることは、人々がメタバースでどのようになりたいかという共通認識になっています。誰かが実際にあなたと一緒に部屋にいるような感覚、まさにその3次元の存在感はメタバースを体験できる重要な要素なのです」(Rao氏)。

パススルー画像は単純なビデオ映像ではない。高度な再構成アルゴリズムと連携した、ヘッドセット内で現実を再現したものなのだ。

これはシーンの理解や、オブジェクトで動作するアプリケーションのロックを解除するのに重要な役割を果たす、とRao氏は説明する。例えばデバイスがテーブルを検出し、そのテーブルの上にある仮想的な紙に仮想的に書き込むことができることを意味する。

これによりテキストや家のデザインを作ったり、イーゼルに絵を描いたりするなどのアプリケーションが可能になるのだ。筆者は先週、そういったアプリを6つほど拝見したが、どれも素晴らしいものだった。「VRの限界をさらに拡大させる」。そうRao氏は話していた。

背面から見たMeta Quest Pro

ヘッドセットの内部には十分なスペースがあり、眼鏡を顔にぶつけることなく快適に装着できた。ヘッドセットバンドを頭に締めるためのダイヤルが背面にあり、瞳孔間の距離を調整するためのダイヤルがあるため、簡単にフィットしてくれる。

レンズを近づけたり離したりすることもできるので、目の焦点を適切に合わせられるよう、ヘッドセットを額の高い位置に装着することのがコツだ。そのための手間ははるかに少なくて済む。

ヘッドセットのバンドの周りには湾曲したバッテリーパックがあり、頭に固定する。ヘッドセットが重く感じないよう、バンドはカウンターウェイトとしての役割も果たしている。ただ最初こそ装着感は快適だったが、さすがに1時間のデモの後は重く感じた。

デバイスには視線追跡型のレンダリング機能があり、視線の中心にあるスポットに焦点を合わせることができる。見えないものはレンダリングせず、横にあるものをぼかして、処理能力とバッテリー消費を大幅に節約するとのことだ。

次につづく:プライバシーはどうなるーーMetaが1,500ドルでQuest Pro発表(3)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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