モーション制御のモベンシスが三菱電機と協業、音楽著作権売買Musicowが60億円調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(5月22日~26日)

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モベンシスのモーションコントロール技術「WMX」、音楽著作権プラットフォーム「Musicow」
Image credit: Movensys, WMX

5月22日~5月26日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは9件で、資金総額は835.5億ウォン(約84億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • 音楽著作権スタートアップ Musicow(뮤직카우)が600億ウォン(約60億円)を調達し、累積調達額が2,140億ウォン(約210億円)に達した。現在2万曲が取引可能で累積会員数は120万人、累積取引規模は4,000億ウォン(約400億円)。 昨年、制度圏入りで成長の可能性が大きくなり、調達した資金を使って、海外事業を拡大する計画だ。
  • Oasys Business(오아시스비즈니스)が50億ウォン(約5億円)を調達した。建設不動産市場で発生する情報非対称問題を解決する企業として、商業用不動産売上推定 AI アルゴリズム技術を保有する。 調達した資金で技術の高度化し、海外市場を攻略する予定だ。
  • 1ヶ月間生活宿泊おすすめサービス「Live Anywhere(리브니웨어)」が50億ウォン(約5億円)を調達した。年間取引額は140億ウォン(約14億円)で、国内外の163都市で1万1,000軒を超える宿舎を保有する。 アプリのダウンロードは130万件。
  • AI 行動分析の PlayTag(플레이태그)が40億ウォン(約4億円)を調達した。同社が提供する自動お知らせサービス「Storyline(스토리라인)」では、幼稚園に設置されたカメラが園児の姿を撮影し、AI 分析して遊んでいる状態の説明を作成し、親に提供する。

トレンド分析

ロボットの活用範囲が拡大、投資も増加

韓国政府は最近、「超格差プロジェクト1000+」を通じて規制改善や、投資支援など、ロボットスタートアップのユニコーンへの成長を支援すると明らかにした。昨年から B2B 製造業に資金が流れ、サービスロボットを筆頭に、ロボットスタートアップにも投資が集まっていた。今年、政府が初めてロボットスタートアップを戦略的に支援すると明らかにしたことで、成長に弾みがつく見込みだ。

資金調達が難しい時期だが、今年もろぼっと関連スタートアップには相対的に大きな資金が投入されている。ロボットスタートアップへの投資が増加する理由は、AI、自動運転など技術発展でロボットがスマート化され、産業現場から物流、サービスなどさまざまな分野でロボット活用が拡大しているからだ。

5月時点で最も多くの資金を調達したロボットスタートアップは、98億ウォン(約9.8億円)を調達した Bigwave Roootics(빅웨이브로보틱스) だ。Bigwave Robotics は、顧客の状況や環境に合ったロボットソリューションを推奨する RaaS(Robot as a Service)プラットフォーム「マロソル(마로솔、My Robot Solution の略)」を運営している。自動化を希望するプロセスを撮影してアップロードすると、2万件以上の自動化データベースを分析し最適な供給企業と製品をつないでくれる。また、産業用ロボット開発会社 Nau Robotics(나우로보틱스)は自動車、半導体、電子、食品、製薬など、さまざまな産業分野で活用されるロボットを開発しており、年内に KOSDAQ 上場を目指している。

キッチン効率化を支援するサービスロボットも注目されている。WAVE Lifestyle Tech(웨이브라이프스타일테크)は、ロボットベースのキッチン運営サービス企業で、キッチンの運営を自動化するロボットと AI 技術を開発し、現在国内外20以上の外食ブランドと協力しており、今後グローバル市場に事業を拡大する計画だ。Aniai(에니아이)もロボットキッチンスタートアップで「Alpha Grill(알파그릴)」という AI ロボットを開発、ハンバーガーのパティを焼く作業に活用しており、現在、韓国国内の手作りバーガーフランチャイズチェーンなどで使用されている。Future Kitchen(퓨처키친)も無人自動化ロボットキッチンを開発しており、自動メニュー注文受付と自動調理を通じ、キッチン効率化をサポートする。

その他、最近、初期資金調達を実施した TEFA Robotics(테파로보틱스)は、ロボットエンジニア不足の問題を解決するためにローコードソリューションを開発し、誰でも産業用ロボット制御を容易にできるよう支援している。

このように、さまざまな分野で活躍しているロボットスタートアップへの投資が増加しており、政府の支援政策とともにロボット技術の発展、ロボット活用範囲の拡大により、ロボット市場はさらに成長する見通しだ。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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