Twitter競合の「Threads」公開、シンプルなテキストタイムラインを提供

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

Twitterがデータスクレイピングに対抗する措置として実施した閲覧制限を発端に、ソーシャルメディアではかつてないほどの移住騒ぎが起きつつあります。その有力候補のひとつ、それがMeta(アプリの提供はInstagram)の提供する「Threads(スレッズ)」です。日本国内でも午前8時から利用開始となりました。Instagramのアカウントを持っている方であれば、そのまま設定がインポートできるようになっています。

少し触ってみた感じだと、ほぼInstagramのインターフェースをそのままTwitterにしたような感じで、画像・動画などの投稿も可能でリンクも発行できます。ただ、TwitterにあったSpaceやDMなどはなく、本当にシンプルな非対称フォローのテキストタイムラインといった感じになっています。また、タイムラインも現時点ではレコメンドされたコンテンツも並ぶので、フォローしただけの人を表示することはできません。

このアプリは「Instagramの新しいテキストベースのチャットアプリ」で、かつてのコードネームではP92またはBarcelonaなどと呼ばれていました。ユーザーはInstagramのユーザーネームとパスワードでログインし、フォロワーや認証はメインアプリから引き継がれます。アプリ内ではフィードが表示され、最大500文字のテキスト投稿とリンク、写真、ビデオの添付が可能になります。なので、Instagramにテキストのタイムラインがつくというものではなく、別のアプリとして提供されるものになります。

Twitter競合として注目を集めているSpill

一方、それ以外の競合も勢いを増しており、そもそものTwitterの創業者、Jack Dorsey氏が資金提供した分散型アプリBlueskyも大きな成長を遂げ、ユーザー数を伸ばしています。同じく元Twitter社員によって設立されたSpillは週末に10万人以上がアカウントを作成したらしく、TechCrunchによると、Keke PalmerやAva DuVernayなどのセレブリティを引き付けることに成功し、iOS App Storeのソーシャルネットワーキングチャートで1位、全体で最高3位の位置も獲得しました。

Threadsの懸念点は競合だけではありません。プライバシーの問題も大きな話題になっています。iOSで必須となる開示情報によれば、このアプリはユーザーの健康や金融データ、正確な位置情報、ブラウジング履歴、連絡先、検索履歴など、ユーザーにとってセンシティブな情報を収集する可能性があることを伝えています。このことに関連してEUではリリースが遅れるという報道もありました。

さて、Twitterが大きく揺れ動く中、果たしてテキスト・ソーシャルの居場所はどこに落ち着くのでしょうか。

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