記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」〜KDDI ∞ Labo7月の全体会から

モノグサ 代表取締役CEO 竹内孝太朗氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

2023年7月21日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ8社が大企業に向けてピッチを行いました。MUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんが登壇企業にインタビューを行いました。

4社目はモノグサです。記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」を提供するスタートアップです。今回は、モノグサ代表取締役CEOの竹内孝太朗氏に話を聞きました。

記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」は、あらゆる知識を確実かつ最小限の負荷で身につけることができる “記憶のプラットフォーム”です。(めぇ〜ちゃん)

代表取締役CEOの竹内氏に伺いました

何をしている会社ですか?

竹内:モノグサ株式会社は、記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」の開発・提供をしています。Monoxerは、BtoBtoCのビジネスモデルで展開しています。学校や塾といった教育機関を中心に、全国5,000施設以上で導入されています。近年では、塾や学校にとどまらず、中国語教室などの語学教室、美容・医療系専門学校、社会人の資格試験の勉強、従業員のスキルアップ、営業成果を向上させるための知識やスキルの習得など、活用の幅が拡がっております。

ユーザーがMonoxerに用語や単語などの記憶したい知識をインポートすると、記憶定着のために最適な問題を生成します。また、Monoxerはリアルタイムで一人ひとりの学習内容を解析し、知識の定着度合いを可視化して、その情報をもとに出題する問題の難易度・頻度を一人ひとりに合わせて自動で最適化します。学習者はこれを解き続けることによってあらゆる知識事項を効果的に記憶定着することが出来ます。

記憶定着のための学習プラットフォーム「Monoxer」

なぜ会社を立ち上げたのですか?

竹内:モノグサは創業以来、「記憶を日常に。」をミッションとして掲げ、人々の知的活動の根幹を担う記憶領域でイノベーションを起こすべく、事業を推進してまいりました。記憶は、私たち人類の知的活動の根幹を担うものです。人が何かを認識する時や判断する時、新しいものを生み出す時や誰かと交流する時も、そこには自らの中に日々蓄積されてきた記憶という土台が必ず存在し、大きな影響を与えています。

一方で「英単語の暗記」のように、記憶することは苦しい活動と捉えられてしまうことが多々あります。その苦しさは、情報が記憶しやすい形に整理されていないことや、記憶定着までの手法や管理が個人の感覚に任されていることに原因がある、と私たちは考えます。その結果、記憶を無意識に遠ざけるようになってしまい、自らの可能性を形づくる土台をも狭めてしまっているのです。

もし記憶が誰にでも、負荷なく自然に行える活動になれば、新しい言語を憶えて海外で働くことも、資格をとってなりたい職業に就くことも自由にできます。週末の過ごし方や日常の何気ない会話にすら新たな広がりが生まれることでしょう。つまり、人の生き方にさまざまな奥行きと選択肢を与えてくれるもの、それが記憶です。すべての人が自らの可能性を最大限に拡げることで、人生をより豊かに、実りあるものにするために、モノグサは“記憶をもっと容易に、より日常にすること”を使命とします。

これからの目標はありますか?

竹内:記憶は世界的にもイノベーションが起きていない領域です。モノグサが最終的に目指しているのは、「Monoxerで東大に何人合格した」といったことに留まらず、「記憶できることが全人類の誰にとっても当たり前になる」世界です。

江戸時代の農村部ではほとんどの子どもがひらがなを読めなかったと言われています。しかし、たった数百年で知的水準が劇的に向上しており、今では、ほとんどの小学6年生はひらがなが読めます。モノグサは記憶領域において、このようなインパクトをもたらしたいと考えています。

例えば、今「調べる」という行為に苦痛を感じる人はあまりいないと思います。それはGoogleのような検索エンジンがあるからです。以前は、旅行先の情報を調べようと思ったら本屋や図書館に行ってガイド本を探して調べる必要がありました。これにはお金もかかるし、手間ひまもかかりました。ところが、今はネットで検索すれば、ほしい情報が簡単に入手できます。記憶することもそれに似たような状態にしたいです。そうすれば記憶することが苦痛ではなくなるので、学ぶことが嫌だという感覚も薄まってくると思います。

これが実現できると、いまは知識的な制約がある医師や弁護士などの選択肢を多くの子供が選べるようになります。「医師にも弁護士にもなれる。だが、ならない。私はこれをやる」という感覚を実現したいです。全人類が“息をするように憶えられる”、それくらい記憶することを簡単にしたいです。

最後に一言お願いします

竹内:最後に、Monoxerは「社会人のスキルアップにおいて、非常に有効性の高いツール」ということをお伝えしたいです。資格試験の勉強では、TOEICのような社会人として必要な英語をはじめ、業務の中で必要な専門資格取得の点でも活用いただく実績が増えています。ある建設系企業では、Monoxerを活用して土木施工管理技士、電気工事施工管理技術検定で学科試験の合格率が上昇した事例もあります。

また、従業員のスキルアップでも記憶定着の観点から活用が始まっています。特にセールスのイネーブルメント領域では、既に活用が拡がっています。具体的な事例として、23年度より東京海上日動火災保険様で、保険代理店の募集人向けの「募集人育成プログラム」にMonoxerが活用されはじめています。このように弊社では、今後とも「記憶」が解決できる幅を拡張させて参ります。

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