マサチューセッツ・ケンブリッジに本拠を置くスタートアップハブ Cambridge Innovation Center（CIC）の東京拠点である CIC Tokyo は、10月1日に開設3周年を迎えるのに先立ち、28日に記念イベントを開催した。CIC Tokyo には企業のほか、スタートアップとの連携を通じてイノベーションを模索する地方自治体も入居しているが、このうち、広島県、福岡県、仙台市、宇都宮市の担当職員、それに、東京都知事の小池百合子氏、自民党で「AI の進化と実装に関するプロジェクトチーム」や「web3プロジェクトチーム」の座長を務める衆議院議員の平将明氏らも参加した。

CIC Tokyo はこれまでに180社以上の企業や団体が入居している。また、スタートアップコミュニティである「Venture Café Tokyo」が毎週木曜日にハイブリッド開催する「Thursday Gathering」をはじめ、さまざまなイベントに通算で3万人以上がこれまでに参加してきた。BRIDGE がこれまでに取り上げたイベントとしては、「ひろしまユニコーン10」のアクセラレータ第1期選出スタートアップ12社によるデモデイ、韓国 NAVER が支援する NPO スタートアップ支援組織「Startup Alliance」の日本進出を試みるスタートアップ10社によるデモデイなどがある。

この日、防衛省航空幕僚長空将の内倉浩昭氏が登壇し、航空幕僚監部が10月2日から CIC Tokyo に入居し「宇宙協力オフィス」を開設することを明らかにした。航空自衛隊の活動の中には、GPS をはじめとした衛星の活用、衛星から取得したデータによる災害情報の把握など、防衛・災害対策上必要とされる能力と、商業サービスで利用される技術には一定の類似性や共通性があるという。国家防衛戦略では、宇宙利用において民生技術を防衛分野に活用を図ることも求められており、特にこの分野でスタートアップとの協業を模索するとしている。CIC Tokyo に開設される宇宙協力オフィスには、航空幕僚監部職員が常駐する予定だ。