7月15日~7月21日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは14件で、資金総額は2,242.5億ウォン（約254億円）に達した。

スタートアップ投資

• 再生可能エネルギー発電企業 Bright Energy Partners（브라이트에너지파트너스）が1,000億ウォン（約115億円）を調達した。現在、全国300か所以上の太陽光発電所で生産される電気および新再生エネルギー供給認証書（REC）を、再生可能エネルギーの購入を希望する国内主要企業に販売している。
• 自律走行ロボット企業 Mobyus（모비어스）が340億ウォン（約39億円）を調達した。自律走行物流ロボットなど物流インフラ構築に必要なプラットフォーム、自動化ソリューションを提供している。
• 半導体ファブレス企業 Gwanak Analog（관악아날로그）が220億ウォン（約25億円）を調達し、評価額は1,000億ウォン（約113億円）と確認された。電力半導体、システム半導体などを融合した製品を開発している。
• 医療 AI スタートアップ Airs Medical（에어스메디컬）が280億ウォン（約32億円）の投資を誘致した。MRI の画質を向上させ、高速スキャンで正確な診断をサポートしている。

トレンド

フードテックスタートアップに投資する大企業の理由は？

フードテックへの関心が国内外で高まっている。農食品産業に AI 技術を融合させて気候変動に対応する環境に優しい食品を開発したり、ロボットを通じて人力を代替するなど、革新的なソリューションを生み出す企業が注目を集めている。このため、大企業も初期のフードテックスタートアップに積極的に投資しており、スタートアップとのオープンイノベーションを通じて、急速に変化する食品産業での技術とアイデアを確保しようとする戦略を推進中である。主な投資分野は、培養肉、健康機能食品、スマートファーム、フードロボットなど多岐にわたる。

大企業のフードテック投資状況

Lotte Group（롯데그룹）は2021年から「未来食堂オープンイノベーションプログラム（미래식단 오픈이노베이션 프로그램）」を通じてフードテック革新を支援している。Lotte の食品・流通系列社は初期スタートアップを発掘し投資しており、今年は4期まで選抜した。

• 主な投資企業… Reharvest（리하베스트）、Biocom（바이오컴）、Lab to Bottle（랩투보틀）、Dotgotgan（돗곳간）、Broccoli Company（브로컬리컴퍼니）、Baobab Healthcare（바오밥헬스케어）、Age at Labs（에이지엣랩스）、Smart Ark（스마트아크）など

CJ Group もまた、Oventus や Seed などのアクセラレーティングプログラムを通じてフードテック企業を育成している。その中でも CJ 第一製糖はフードテック組織を新設し、社内ベンチャープログラムとスタートアップに投資する CVC 組織を運営しながら、海外進出のための K フードテック企業を発掘している。

• 主な投資企業… Cookit（쿠캣）、Freshcode（프레시지）、Ignis（이그니스）、Reharvest（리하베스트）、Dr. Diary（닥터다이어리）、S&E Company（에스앤이컴퍼니）、Signature Label（시그니처레이블）など

Nongshim は、「Nongshim Tech Up+」や「N Startupプログラム」などを通じてフードテック企業に投資しており、昨年はベンチャーキャピタルが運営する投資ファンドに100億ウォン（約104億円）を出資した。社内ベンチャーを通じて新事業を発掘する一方で、新しい将来の食糧をスタートアップを通じて見つけるという戦略である。

• 主な投資企業… Snackfor（스낵포）、Dal Cha Company（달차컴퍼니）、Passengers（패신저스）、Beyond Next（비욘드넥스트）、Creators Lab（크리에이터스랩）、Chobless（초블래스）、Future Kitchen（퓨처키친）など

Hite Jinro は酒類を超えて食品分野にも投資を拡大している。単独プログラムは運営していないが、官民が運営する様々な育成プログラムに参加し、スタートアップに投資したり直接投資を行うなど、投資を拡大している。

• 主な投資企業… NT（엔티）、Mr. Appa（미스터아빠）、Nanu（나누）、TL Am Founders（티엘암파운더스）、A Life（에이라이프）、Korea Agricultural Data（한국농업데이터）、Farm Joa（팜조아）など

その他、韓国農協はアグテックとフードテックスタートアップを支援する「NHarvest X」プログラムを運営中であり、Ourhome は未来食品産業のためのファンドを組成するなど、フードテック企業の育成を推進している。Pulmuone もオープンイノベーションプログラムを通じて関連スタートアップを発掘している。

このようにフードテックへの関心は増加しているが、大規模投資や買収合併（M&A）の事例はまだ不足している状況だ。数年前の GS Retail による Cook at Market（쿠캣）の買収事例以降、このような大規模買収事例は稀で、今年大企業の投資を受けた Plating が安値で売却されるなど、期待に満たない成果もあった。しかし、環境に優しく持続可能な食品に対する消費者の要求増加と、技術を通じた食品生産、流通、消費効率性向上により、市場規模はさらに大きくなると予想される。

政府も今年2,000億ウォン（約230億円）以上の農食品ファンドを組成し、アーリーステージ企業育成のための政策ファンドを拡大しながら、成長段階別専用ファンドを新設し民間投資拡大を促進する計画を明らかにした。また、K フードのグローバル市場拡大と相まって国内フードテックスタートアップへの期待も高まっており、フードテックへの関心はさらに大きくなる見通しだ。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】