香港を拠点とする越境 EC 物流スタートアップ Return Helper は7日、5,500万ニュー台湾ドル（約2.5億円）の新たな資金調達を完了したと発表した。このラウンドは日本のベンチャーキャピタル HIRAC FUND がリードし、Pegatron Venture Capital（和鼎創投）も新たな投資家として参加した。

Return Helper の共同創業者兼 CEO Roy Wan（温俊偉）氏は、「今回の資金調達は日本やシンガポールなどのグローバル市場でのプレゼンス拡大、返品体験の強化、越境 EC の持続可能性を強化するリコマース実現戦略の推進に使われる」と述べた。

現地リコマース市場を開拓、再販達成率70％を目指す

リコマースとは、返品された商品を中古品または90％新品の状態で再販売することを指す。

流行により越境 EC がブームとなり、それに伴い返品量も増加している。しかし、越境返品のコストは高く、2019年に設立された香港のスタートアップ Return Helper は、「越境逆送サービス」を提供している。

このワンストップサービスにより、Return Helper は eBay や Amazon の公式推奨サービスプロバイダとなっている。

返品された商品の40～45％は開封されていたり、パッケージが破損していたりするが、商品内部の状態は問題ない。Amazon に再出品することはできないが、商品にはまだ価値があるため、私たちは中古 EC の販売チャネルを増やす必要があります。（Wan 氏）

Wan 氏は、持続可能性が世界的な目標である中で、Return Helper は物流に伴う二酸化炭素排出量を削減するため、商品の中古販売の機会を増やすと述べた。具体的には、Return Helper は、数百の中古品専門ディーラー （清算事業者=liquidator） を結び付ける新しいマッチング プラットフォームを確立し、返品商品の70%以上を現地で再販またはリサイクルすることを目指す。

リコマースに加え、Return Helper は返品管理システムも強化する予定だ。これには、返品の審査プロセスを自動化すること、主要データを自動分析し、加盟店が返品の原因を洞察し、より正確な在庫・販売戦略を策定できるようにすること、物理的な返金を販売オファーに置き換えることなどが含まれる。

年間売上高は過去3年間で4倍に成長、世界に事業を拡大へ

Return Helper は今年、シンガポールでの事業規模を大幅に拡大し、アジア市場への展開をさらに強化するために東京に新オフィスを設立するなど、グローバルな事業領域の拡大を続けている。Wan 氏は、同社の売上が過去3年間で4倍に成長し、現在では800社近くの顧客を抱え、日本進出から3ヶ月で20社超の日本の顧客と契約したことを明らかにした。

今回のラウンドをリードした HIRAC FUND の Samuel Santoso 氏は次のように語った。

日本の投資家として、私たちは最近多くの海外チームが日本市場に参入しようとしているのを目にしますが、現地のリソースがなければ上陸を成功させるのは決して難しいことではありません。HIRAC FUND は、このビジネスモデルによってもたらされるイノベーションと、Return Helper チームのさまざまな国でのこれまでの実績と将来の成長の可能性を楽観視しており、今回の資金調達ラウンドをリードすることを決定しました。HIRAC FUND は今後もマネーフォワードグループのリソースを活用し、Return Helper の日本での展開深化と持続可能なビジネスモデルの達成を支援していきます。

【via Meet Global by Business Next（数位時代） 】 @meet_startup

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