中国のオンライン小売大手 JD.com(京東)のヘルスケア部門 JD Health(京東健康)が、早ければ今月中にも香港で新規株式公開を申請する準備をしていると Bloomberg が17日報じた。
重要視すべき理由:JD Health は、株式公開に向けて準備を進める数々の JD.com 関連会社の中で最も直近のものだ。新型コロナウイルスの感染拡大でオンラインヘルスケア業界への投資家の関心が高まる中、今回、JD Health 上場の可能性が浮上した。
- 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンラインヘルスケアとバイオテクノロジーにおける投資や M&A が強化されつつある。香港では今年上半期に39億米ドル相当のヘルスケア関連の取引があった。Mergermarket のデータによると、2019年通年の取引は38億米ドルだった。
- JD Health は、Alibaba の支援を受けた Ali Health(阿里健康)、Tencent(騰訊)の支援を受けた「WeDoctor(微医)」、Ping An(平安)の「GoodDoctor(好医生)」など複数の企業と競合している。
詳細情報:非公開情報であるとの理由から、名前を明らかにしなかった人物の話を引用した Bloomberg の報道によれば、JD Health は、香港での IPO で少なくとも10億米ドルを調達する可能性があるという。
- 情報筋によると、IPOの規模とスケジュールはまだ変更される可能性がある。
- 今回の IPO のニュースがもたらされるわずか1ヶ月前、同社は Hillhouse Capital(高瓴資本)からシリーズ B ラウンドで8億3,000万ドルの調達完了を発表した。
- JD.com の担当者は18日、TechNode(動点科技)へのコメントを拒否した。
背景:今年に入ってから、JD.com のいくつかの事業部門が上場したり、IPO の準備をしたりしている。その中には、香港での JD.com の二次上場、6月の フードデリバリ事業「Dada-JD Daojia(達達-京東到家)」のアメリカでの IPO、7月のフィンテック事業「JD Digits(京東数字科技)」の上海 STAR Market(科創板)への上場などがある。
- JD Health は、ビタミンやサプリメント、医薬品、漢方薬などの医薬品を販売する EC プラットフォームとしてスタートした。
- 同プラットフォームは2019年5月、親会社である JD.com から分社化された。国内トップの専門家を採用し、漢方薬、頭頸部医療、心臓病サービスセンターを立ち上げ、サービスを多様化させている。
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