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スポーツクラブトークン発行「FiNANCiE」IEO上場に向け前進、コインチェックから来年夏に「フィナンシェトークン」発行へ

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ニュースサマリ:スポーツチームのクラブトークン発行など、ブロックチェーン技術を活用した事業を展開するフィナンシェは11月29日、暗号資産取引所を運営するコインチェックを通じてIEO(Initial Exchange Offering)による資金調達に向けた契約を締結したことを発表した。 両社は2022年夏までにコインチェックが提供するIEOスキームである「Coincheck IEO」を通じてトーク…

ニュースサマリ:スポーツチームのクラブトークン発行など、ブロックチェーン技術を活用した事業を展開するフィナンシェは11月29日、暗号資産取引所を運営するコインチェックを通じてIEO(Initial Exchange Offering)による資金調達に向けた契約を締結したことを発表した。

両社は2022年夏までにコインチェックが提供するIEOスキームである「Coincheck IEO」を通じてトークンの一般販売を目指すとしている。コインチェックが手がけるIEOとしては2021年7月にHashpaletteが発行した「Palette Token(PLT)」以降、2例目になる予定。

今回発行予定のフィナンシェトークンは、イーサリアムブロックチェーン上で発行され、FiNANCiEユーザーへのインセンティブ付与やエコシステム全体におけるガバナンス参加を促すもの。「FiNANCiE」で発行されているコミュニティトークンをより効果的に繋げ、長期的なトークン価値を向上させるためのプラットフォームトークンとしての活用が見込まれる。

なお、フィナンシェトークンのIEOに関する発行体や総発行枚数、販売総数、価格や抽選方法などの概要については明らかにされていない。

フィナンシェが運営するトークン型クラウドファンディング「FiNANCiE」は、J1所属のサッカークラブ湘南ベルマーレやアビスパ福岡などのプロサッカークラブを中心に100名以上の個人や団体のトークンを発行、販売している。今回IEOによって発行される計画のフィナンシェトークンは、彼らのプラットフォームを横断的に活用できるものになるとしている。また、今回のIEOで調達した資金は「FiNANCiE」およびNFT事業の拡大に使われる予定。

話題のポイント:フィナンシェについては、これまでも本誌でお伝えしてきた通り、個人や団体が必要な審査を経た上でトークンを発行し、ファンとつながるプラットフォームを展開してきました。ここ最近はインフルエンサーのような個人というよりは、スポーツチームのコミュニティ支援を中心に事業展開しており、サッカー選手の本田圭佑選手や長友佑都選手らが出資するなど、スポーツ界隈での知名度も上がってきているようです。

参考記事

そんなフィナンシェが以前から噂にはあったのですが、いよいよプラットフォームとしてのトークンを発行するようです。IEOは企業やプロジェクトがトークンを発行して個人投資家やファン向けに販売できる仕組みですが、かつてのICO(Initial Coin Offering)と異なるのは「取引所が間に入る」という点です。一般的な株式売買に証券取引所が間に入るのとよく似ています。ICOでは残念ながら詐欺が横行したため、一気に下火になった経緯があります。

コインチェックのIEOは今年7月に実施されたHashpaletteの「Palette Token(PLT)」があります。パレットトークンの内容については割愛しますが、申込開始6分で目標としていた9.3億円の調達額を達成し、取り扱い初日の実績として申込金額224億円を記録するなど、大きく注目を集めていました。

IEOしたパレットトークンの価格推移

ICOとやはり違うのは価格の推移です。IEOでの販売価格は4.05円で、初日の価格は約46円。その後も一度ハイプはあるものの、現在は50円前後を推移するなど、この調達手法において一定の安定を示すことに成功しています。

フィナンシェに2021年から代表取締役として経営の舵取りを担うことになった國光宏尚さんは、今回のIEOに向けてグローバルで通用するサービスにしたいと本誌取材に対して意気込みを語ってくれました。

「今回のプロジェクト発表は、フィナンシェにおける「10億人の挑戦を応援するクリエイターエコノミーの実現」に向けた大きな第一歩です。日本においてブロックチェーン技術をより浸透させ世界で勝負していくためには、自らのプラットフォームトークンを発行し、このトークンを通じて新しいコミュニティを形成して、それを足がかりにFiNANCiEをグローバルにも通用するサービスとして展開していきたいと考えております。その大きな目標の実現のためには、国内最大級の暗号資産交換業を運営しているコインチェック社と連携させていただくことがベストだと考え、今回の発表に至りました。ここから来夏のIEO実現に向けた取組をコインチェック社と進めていきますので、引き続き応援をお願いします!」(國光氏)。

FiNANCiE自体は前述の通り、スポーツクラブのトークン発行という形で社会実装が進んだケースです。このコミュニティトークンを束ねるような形でのプラットフォームトークンがどのように発行され、どう機能するのか、また詳細が見えてきたらお伝えしたいと思います。

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YouTuberもAIアバターを相方にする時代——ノーコードでアバターを作れる「Lively.ai」、アバターのNFTをローンチへ

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大阪を拠点とする会話型 AI スタートアップ susuROBO は、ライブストリーマー向けにノーコードの AI アバター開発プラットフォーム「Lively.ai」の NFT 対応アーリーアクセスプログラムをローンチした。Lively.ai は、さまざまな環境に AI による音声自動対話を実現するプラットフォーム。Alexa や Google Home のスキル、ソーシャルロボットなどに応用でき、実…

大阪を拠点とする会話型 AI スタートアップ susuROBO は、ライブストリーマー向けにノーコードの AI アバター開発プラットフォーム「Lively.ai」の NFT 対応アーリーアクセスプログラムをローンチした。Lively.ai は、さまざまな環境に AI による音声自動対話を実現するプラットフォーム。Alexa や Google Home のスキル、ソーシャルロボットなどに応用でき、実際には、外来患者向けヘルスケアアプリの看護師アバターから、高齢者向けの音声ユーザーインターフェースなどの使用例がある。

ライブ配信を始めたばかりの人や一人で配信している人にとって、視聴者と魅力的な会話をするのは大変なことだ。視聴者と魅力的な会話をするのは難しいものだ。そこで我々は、AI を搭載したライブ視聴者との会話にすぐに参加できる AI ライブストリーミングサイドキック(相方・助手)を紹介する。
このサイドキックは会話の文脈やホストの声と言葉を聞いて、視線を見て、最も適切なタイミングや言い回しを判断する。より多くの人に参加していただくため、12月には限定的なパブリックベータプログラムへの参加者を募集する。

同社は、2021年12月中旬に NFT(非代替)をリリースする予定で、それぞれの NFT トークンは、AI ライブストリーマーの外見や性格に対応したものとなる。NFT 保有者は、開発者ツールのベータ版へのアーリーアクセスが可能になる。アーリーアクセスでユーザが利用できる機能は次の通りだ。

  • 英語と日本語によるカスタムされた言語・対話モデルの開発とトレーニング(アバターパーソナリティに個性を確立できる)
  • 独自の AI ライブストリーマーを作成・テスト
  • SusuROBO の 創業者と Discord を通じた直接のコミュニケーション

NFT のアートワークは、関西のアーティスト TAKA 氏と、星座占いに関するポッドキャストのホストあやこ氏のコラボレーションによるもので、当該ポッドキャストのキャラクター「星からちゃん」をあしらったものとなっている。

susuROBO は、CEO の Maxim Makatchev 氏、事業開発 VP の近田亮氏、機械学習・自然言語処理 VP の Amir Harati 氏により創業。Makatchev 氏と Harati 氏は共に、ソーシャルロボットで世界を一世風靡した Jibo(その後、経営破綻しシャットダウン)の初期の頃の従業員で同僚だった。近田氏は、北海道の IoT スタートアップで、2018年に上場したエコモットで、リージョナルセールスマネージャーを務めた人物だ。

susuROBO は、神戸市と 500 Global が運営する起業家育成プログラム「500 Founder Academy」の第1期(2021年9月6日から10月1日)に採択された50社のうちの1社だ。また昨年には、大阪産業局が運営するアクセラレーションプログラム「AIDOR」には、高齢者に楽で使いやすい「アナログ SNS」で採択された。同社は高齢者向けの対話型インターフェイス開発で、大阪市から助成金を受領している。

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Baidu(百度)、北京でロボタクシーの商用サービスを開始

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中国のテック大手 Baidu(百度)は、国内初の商用ロボタクシーサービスの許可を得て、首都北京で自動運転によるライドシェアサービスを正式に開始した。 重要視すべき理由:中国政府は、企業がロボタクシーサービスに対して Uber のような料金を合法的に請求することを初めて許可し、中国の自動運転車開発にとって大きなマイルストーンとなった。 詳細:Baiduが1日に発表したところによると、Apollo G…

公道を走る Baidu(百度)のロボタクシー
Image credit: Baidu(百度)

中国のテック大手 Baidu(百度)は、国内初の商用ロボタクシーサービスの許可を得て、首都北京で自動運転によるライドシェアサービスを正式に開始した。

重要視すべき理由:中国政府は、企業がロボタクシーサービスに対して Uber のような料金を合法的に請求することを初めて許可し、中国の自動運転車開発にとって大きなマイルストーンとなった。

詳細:Baiduが1日に発表したところによると、Apollo Go(または、Luobo Kuaipao=蘿蔔快跑)と呼ばれるこのサービスは、北京市南部の経済技術開発区の60平方キロメートルのエリアで乗客を乗せて運行している。

  • 25日の発表によると、55歳の Yuan という名の女性がこのプラットフォームの最初の商用利用を行い、3kmの距離を1.34人民元(約25円)で利用した(95%の割引あり)。
  • 対象となるユーザは、Apollo Go アプリを使って、周辺にある67台の自動運転車の1台を見つけ、自分で乗車することができる。Baidu は現在、このエリアで毎日午前7時から午後10時まで自動運転車を運行している。

背景:中国日報が25日に報じたところによると、Baidu と自動運転ユニコーンの Pony.ai(小馬智行)は、北京高級自動運転実証区の本部から承認を得て、同区内で自動運転車を使った配車サービスの課金を開始した。

  • Pony.ai は発表の中で、4月に開始した無料トライアルサービスを、今後徐々に商用サービスに移行していくとしており、詳細は明らかにしていない。
  • Baidu は5月、北京郊外の首鋼工業団地で、10台の自動運転車を使った完全無人の有料ロボタクシーのパイロットプロジェクトを開始し、来年2月の北京冬季オリンピック開催期間中には100台以上に拡大する計画だ。
  • 検索エンジン企業 Google は、ロボタクシープロジェクトが今年の第3四半期に11万5,000回の乗車機会を提供し、テスト車両は9月の時点で1,000万マイルを走行したとしている。
  • Google の自動運転部門 Waymo は2020年1月、同社の車両が公道で2,000万マイルを走行したと発表したと Quartz が報じている

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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「TOKYO STARTUP GATEWAY」第8期決勝が開催——宇宙での建築自由化技術、生理の可視化ウエアラブル、救急学習プラットフォームなどが入賞

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東京都主催のビジネスプランコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2021」のファイナルが28日、都内で開催された。新型コロナウイルス感染防止の観点から今回はオンライン開催となった。 TOKYO STARTUP GATEWAY はテクノロジー、ソーシャルビジネス、地域課題解決などさまざまなジャンルにおいて、グローバルを見据えた起業家を「東京」から輩出しようというコンテスト形式のイベ…

東京都主催のビジネスプランコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2021」のファイナルが28日、都内で開催された。新型コロナウイルス感染防止の観点から今回はオンライン開催となった。

TOKYO STARTUP GATEWAY はテクノロジー、ソーシャルビジネス、地域課題解決などさまざまなジャンルにおいて、グローバルを見据えた起業家を「東京」から輩出しようというコンテスト形式のイベント。主催は東京都で、NPO法人 ETIC. が運営事務局を担当している。8回目を迎える今回は、2021年の4月からビジネスプランを公募。1,047件のプランが全国から集まり、それらの中から選抜された10名のファイナリストによるプレゼンテーションが行われた。

TOKYO STARTUP GATEWAY 2021 で、審査員を務めたのは次の方々だ。

  • 各務茂夫氏 東京大学 大学院工学系研究科 教授、日本ベンチャー学会 会長、アイセック・ジャパン会長)
  • 宇井吉美氏 aba 代表取締役兼  CEO
  • 佐別当隆志氏 アドレス 代表取締役社長
  • 高橋祥子氏 ジーンクエスト 取締役/ユーグレナ 執行役員
  • 山本典正氏 平和酒造 代表取締役社長

(本稿中の写真は、いずれも TOKYO STARTUP GATEWAY のライブ配信からのもの)

【最優秀賞】宇宙建築の自由と未来を創る技術 by 大西正悟氏

副賞:トロフィー、100万円

現在、宇宙において建造されている建築物の多くは、基本構造を地球上で作っておき、それを宇宙にロケットなどで打ち上げた後、組み合わせることで完成させている。しかし、Elon Musk 氏の SpeceX や Jeff Bezos 氏の Blue Origin といったスタートアップが現れる中で、有人宇宙飛行が一般化してくることは、おそらく明確な未来の姿だろう。

技術発達で輸送コストが下がることもあり、より多くの人を効率よく運ぶために宇宙船は大型化するだろうが、ここで問題になるのは宇宙船を受け入れる建築物だ。宇宙船を数数多く受け入れるためには、大規模な宇宙ステーションや宇宙基地が必要になる。大西氏のアイデアは、宇宙空間で壁をつなぎ合わせることで、より自由な宇宙建築を実現するシステムやサービスを提供だ。

【優秀賞】スマホと連携して生理を可視化するウェアラブルショーツ by 浅井しなの氏

副賞:トロフィー、50万円

浅井氏は、生理に対して悩みがあったことから、体験談を Tiktok で発信したところ、同じような悩みを持つ女性から大きな反響が得られたという。生理については、女性同士でも状況を誰かと比較したり情報共有したりする機会がないことから、仮に、自分の生理の状況が異常であったとしても、それに気付けない人が多いことがわかっている。情報発信しているメディアにリーチできていない人も多いことから、デバイスを使って知らせてくれる仕組みが必要と考え、この構想に至った。

日本で初めての生理用ナプキン「アンネナプキン」は、女性たちの行動様式に大きな変化を与えたことになぞらえ、浅井氏のプロジェクトには「リアンネ」という名がつけられている。給水ショーツのポケットにセンサーをつけることで、生理の状態を数値化・可視化する。生理の状態に異常が検知されれば、その状態がスマートフォンに通知されるというものだ。女性の中には婦人科に診てもらうことにハードルを感じる人も多いことから、症状に応じて婦人科をマッチングし、診察へ出向くのを後押しする機能も検討している。

【優秀賞】病院前救急医療プラットフォームで「救える命」を最大化する by 中村秀明氏

副賞:トロフィー、50万円

PECPET の中村氏によれば、救急隊員や救急救命士は、新しい知識を学習したり身に付けたりするために、主に当直明けの時間帯、従って、身体の疲れた眠い状態で研修を受けることを余儀なくされている。しかも、救急隊員や救急救命士は3交代制の24時間で運用されているため、全てのチームに情報を浸透させるためには、講師は同じ内容を3回レクチャーすることを余儀なくされ非効率だ。コロナ禍で対面研修も停止されたことから、救急隊員や救急救命士は研修を受ける機会を完全に失った状況だ。

病院前救急医療とは、患者が病院に運ばれてくる前、つまり、ドクターヘリや救急車などを使って、いち早く現場に急行し、治療を早く始めることで患者の死亡する可能性を下げ、後遺症が残る可能性を減らすための医療のこと。こうした医療に関わる救急隊員や救急救命士にとっては、とりわけ最新の医療技術を取り入れられた救急現場で、求められる知識や知見が変化するスピードも早い。救急隊員や救急救命士がいつでもどこでも学べるオンラインプラットフォーム「PISTEM」により、より質の高い医療提供への貢献を目指す。

【オーディエンス賞】途上国各地域の安全情報分析で「誰もが安心して過ごせる世界へ」 by 吉沢翔平氏

世界中には安全上の問題がある地域は少なくないが、そういった情報は集約されておらず、地元の人々の経験知によってのみ共有されていることが多い。事件や事故や自然災害のみならず、「この通りは街灯が少ないので、暗くなってからは避けた方がいい」とか、「この通りは段差が多いので歩きにくい」といった情報は、地元の人のみならず、外国からの渡航者にとっても有用だ。しかし、トラベルガイドはもとより、検索エンジンでリーチできる情報サイトなどでも入手することは困難な種類の情報と言える。

吉沢氏は以前、フィリピンのサンボアンガ滞在時に、武装勢力の蜂起に遭遇した経験から、地元の人が持つ安全情報を集約できないかと考えた。被害者らからのヒアリングをもとに、情報プラットフォームを構築し、地域の人々へ安心の提供を目指す。渡航客に対しては、安心して利用できるホテルやタクシーなどを紹介しマネタイズする。吉沢氏は以前、Team Emergensor という安全情報サービスを開発するプロジェクトで、マイクロソフトの「Imagine Cup 2018」に日本チームの一つととして採択され参加していた。

【レジリエンス賞】目指すのはマトリックスの世界。恐怖を腸内細菌で取り除く by 長崎恭久氏

腸内細菌と精神疾患には相関関係があることが近年明らかになっている。例えば、うつ病の人の腸内細菌叢(マイクロバイオーム)にはビフィズス菌や乳酸菌が少なくなるという研究データもある。腸には脳に次ぐ多くの神経細胞が存在し、感情にも深くかかわっているため「第二の脳」といわれ、腸内環境を整えることができれば、前向きな精神状態を作ることにも大きく貢献できる。食品大手出身の長崎氏は、これまでにも「幸せホルモン」と異名を持つ、セロトニン分泌を促進するビフィズス菌の研究などにも携わってきた。

国連が毎年発表している世界幸福度ランキングでは、フィンランドが4年連続で1位に輝いている。演繹的には、世界で最も幸福な人たちのマイクロバイオームを擬似的に再現することができれば、メンタルのベースアップを図ることができるかもしれない。長崎氏は、こうした国々の人々のマイクロバイオームを転写した、「恐怖と闘う腸内細菌」を実現するプロダクトを作ろうとしている。具体的には、マイクロバイオームの再現に有効な乳酸菌や栄養成分の入ったカプセルを販売するような方法を考えているようだ。


入賞には至らなかったものの、ファイナリストに残った他の参加者は次の通り。

  • 「子連れにいい場所」を一瞬で把握し利用するライフハックアプリ by 逢澤奈菜氏
  • Hello, I’m Dead! アカウントに死と共有を by 今吉勇揮氏
  • 出生前検査の専門家へのアクセスを身近に、正しい相談支援を by 西山深雪氏
  • 結婚に「運命」はもういらない。データマッチングで自己実現せよ by 毎床慶子氏
  • 着る運動神経でスポーツのできないをなくす by 宮澤留以氏

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J&T Expressが25億米ドルを調達、時価総額でインドネシア2番目のスタートアップに——来年には香港上場も

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インドネシアの宅配便スタートアップ J&T Express は、Boyu Capital(博裕資本)、Hillhouse Capital Group(高瓴資本) 、Sequoia Capital China(紅杉資本)から25億米ドルを調達したとロイターが報じた。また、中国のインターネット・ゲーム大手 Tencent(騰訊)と VC の SIG China(海納亜洲創投)も参加した。 今回…

Image credit: J&T Express

インドネシアの宅配便スタートアップ J&T Express は、Boyu Capital(博裕資本)、Hillhouse Capital Group(高瓴資本) 、Sequoia Capital China(紅杉資本)から25億米ドルを調達したとロイターが報じた。また、中国のインターネット・ゲーム大手 Tencent(騰訊)と VC の SIG China(海納亜洲創投)も参加した。

今回ラウンドでを受けて J&T の時価総額は200億米ドルに達し、インドネシアで最も時価総額の高いスタートアップ GoTo に次ぐ規模となる。今回のラウンドで得られた資金は、J&T の中国およびラテンアメリカでの事業拡大計画を支援するために活用される。また、ロイターの情報筋によると、J&T は早ければ2022年第1四半期に香港株式市場への上場で10億米ドルを調達することも視野に入れているという。

J&T Expressは、Oppo(欧珀)の元幹部である Jet Lee(李杰)氏と Tony Chen(陳明永)氏が2015年に立ち上げた企業で、陸路、海路、空路のいずれの輸送方法でも商品の配送を行っている。J&T Express は、シンガポールとインドネシアに自動仕分け倉庫のネットワークを持っている。

設立以来、J&T はインドネシアのほか、シンガポール、ベトナム、マレーシア、フィリピン、タイ、カンボジア、中国に進出してくる。J&T は創業以来、インドネシアのほか、シンガポール、ベトナム、マレーシア、フィリピン、タイ、カンボジア、中国に進出しており、海外市場は J&T のビジネスの70%を占めると言われている。

J&T は、新型コロナウイルスの感染拡大による e コマースのブームに後押しされ、すべての市場で健全な成長を遂げている。インドネシアでは、感染拡大前に比べて40%増加し、1日に約250万個の小包を配達している。J&T は、Bukalapak、Tokopedia、Shopee などのブランドの配送パートナーとしても活躍しており、インドネシアでのサービス注文の3分の2をカバーしている。

先月、同社は中国における競合 Best(百世)の物流事業 Best Express(百世快逓)を10億米ドルで買収した。

【via e27】 @E27co

【原文】

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NFTゲーム「Axie Infinity」、デジタル土地一区画を2.9億円で販売——仮想不動産1件の価格としては過去最大

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


ベトナムを拠点とするブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」は、同社のプラットフォーム上のデジタル土地の 一区画が550ETH(約2億8,600万円)で販売されたと発表した。同社によると、1つのデジタル不動産に支払われた金額としては過去最大とのことだ。

Axie Infinity のデジタル土地
Image credit: Axie Infinity

これは今年2月、Axie Infinity のデジタル土地9区画が150万米ドルで売却されたのを上回る金額だ。当時のこの取引は、過去最大の NFT(非代替トークン)販売となった。

今週、Tokens.com の子会社 The Metaverse Group も、別のブロックチェーンベースのプラットフォーム「Decentraland」のデジタル不動産1区画を61万8,000MANA(約2億7,200万円)で購入した。同社によると、アメリカの主要都市にあるほとんどのリアルの住宅よりも高いこの価格は、同社のプラットフォームにおける仮想不動産の中で最も高価な取引だという。

この2つの取引は、メタバース経済におけるデジタル不動産への最新の関心の高まりの一部だ。

暗号資産管理会社 Grayscale の報告書によると、メタバースは広告、ソーシャルコマース、デジタルイベントの分野で1兆米ドルの収益機会があると推定されているが、時期については明記されていない。また、この報告書では、2021年の第3四半期に暗号資金調達額が82億米ドルに達し、ブロックチェーンベースのゲームスタートアップが同時期に総額10億米ドル相当の資金を獲得したことにも言及している。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

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Mediumがサブスク強化、Podcastスタートアップ「Knowable」買収のワケ/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド Spotifyが大手Podcast企業「Gimlet Medit」とPodcast配信アプリ「Anchor」を買収してから2年ほど経ちました。こ…

Mediumによる買収を発表した「Knowable」(Image Credit:Knowable)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

Spotifyが大手Podcast企業「Gimlet Medit」とPodcast配信アプリ「Anchor」を買収してから2年ほど経ちました。この買収劇以来、急速にPodcast市場に注目が集まり、多数のスタートアップも参入しています。

今回紹介する「Knowable」も同じくPodcastのトレンドに乗り成長をしてきたスタートアップです。そして同社は11月16日、大手ブログ記事プラットフォーム「Medium」によって買収されたことを発表しました。

Knowableは選りすぐりのPodcastコンテンツを月額課金制で提供するサブスクプラットフォームです。業界で有名な人を連れてきてコンテンツ制作を行っており、コンテンツの質に関しては非常に高いのが特徴です。出資者にはAndreessen HorowitzやFirst Round Capital、Initialized Capitalなどが並びます。

競争激しいPodcast市場で、Knowableがこうした著名VCから調達できた理由の1つに「スーパーアプリ志向」のコンセプトが挙げられます。同社は特定トピックのPodcastコンテンツと合わせ売りの形で、コマース領域にまで進出しようと考えていました。

たとえばスタートアップ講座の購読者は、比較的高い確率で起業を検討していることが多いため、購読者にAWSのクレジットを販売することで、ある種のターゲティング・コマースを実現しようとしていたのです。関連性の高い商品を提示することで、音声コンテンツを基軸に、様々な商品や情報も一元的に提供するプラットフォームへの成長を志望していたのがKnowableです。

さて、そんなKnowableがMediumに買収されるメリットはなんでしょうか。真っ先に考えられるのがMediumのサブスク強化戦略です。Mediumは月額メンバーシップ制を導入しており、月額5ドルから購読できます。今回Knowableの上質なコンテンツが提供されることによって、この購読対象にPodcastも入り込んでくることでしょう。

元々、Mediumはプロフェッショナル志向のライターとの相性が良いプラットフォームです。この点、同じく業界のプロを招いたコンテンツを揃えるKnowableのコンテンツを、そのままMediumのブランドコンテンツとして吸収したとしても遜色ないと予想されます。またKnowableの購読者も、Mediumの顧客層と被ることが予想されるでしょうから、メディア買収の連携性も高そうです。

冒頭で話した通り、サブスク強化のために音楽市場はPodcastコンテンツ企業を買い占めるようになりました。Mediumも同様に、教育系・ビジネス系Podcastコンテンツの領域においてKnowable買収を行い、サブスク戦略を推し進めていくことが伺えます。

今週(11月16日〜11月22日)の主要ニュース

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和歌山発・電動ハイブリッドバイク開発のglafit、シリーズBで10億円を調達

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和歌山発の電動ハイブリッドバイクメーカー glafit(グラフィット)は24日、シリーズ B ラウンドで10億円を調達したことを明らかにした。このラウンドはスパークス・グループがリードインベスターを務め、三菱 UFJ キャピタル、南都キャピタルパートナーズ、みずほキャピタル、りそなキャピタル、池田泉州キャピタル、パナソニック(東証:6752)、ヤマハ発動機(東証:7272)、個人投資家として、細野…

モビチェン機構を搭載したハイブリッドバイク「GFR」。
Image credit: Masaru Ikeda

和歌山発の電動ハイブリッドバイクメーカー glafit(グラフィット)は24日、シリーズ B ラウンドで10億円を調達したことを明らかにした。このラウンドはスパークス・グループがリードインベスターを務め、三菱 UFJ キャピタル、南都キャピタルパートナーズ、みずほキャピタル、りそなキャピタル、池田泉州キャピタル、パナソニック(東証:6752)、ヤマハ発動機(東証:7272)、個人投資家として、細野昭雄氏(アイ・オー・データ機器 代表取締役会長)が参加した。

これは glafit にとって、2019年5月に実施した約2.7億円の調達(シリーズ A ラウンドと推定される)に続くものだ。同社は2019年5月の調達時に、「和歌山発モビリティーベンチャーとして株式上場を目指す」ことを表明していた。同社では今回調達した資金を使って、プロダクト開発を進め、さらに、マーケティングを積極化するとしている。

glafit は2017年9月の創業。それ以前は、FINE TRADING JAPAN として、2003年の創業以来(RM Garage という屋号で個人事業として創業)、四輪車や二輪車のドレスアップ・パーツの製造や販売を行ってきたが、代表取締役の鳴海禎造氏が、ベンチャーの先駆け的存在でもあるフォーバル(東証:8275)創業者の大久保秀夫氏に出会い、今必要とされるモノを作るだけでなく、100年のビジョンを持って会社を経営すべきと諭され、自動車の分野にパラダイムシフトを起こすべく「glafit」を開発した。

2017年に発表された glafit は、電動バイクとしても自転車としても使えるハイブリッドバイクだ。自転車モード、電動バイクモード、ハイブリッド走行モードの3つのモードが備わっている。昨年は立ち乗り電動バイク「X-Scooter LOM」、今年は日本初の車両区分を変化させられる「モビチェン機構」を搭載したハイブリッドバイク「GFR」を発表した。今回のラウンドに参加したパナソニック、ヤマハ発動機とは2019年から、電池分野の技術開発、GFR の時期モデル開発などでそれぞれ協業している。

via PR TIMES

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タッチポイントが増える理由ーーメルカリのオフライン戦略「メルロジ」を考える(2)

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タッチポイントの先行事例 (前回からのつづき)EC躍進を背景とした「集荷」タッチポイントの事業はもちろんメルカリだけではありません。先行しているひとつに三菱商事が展開する「SMARI(スマリ)」があります。EC事業者の「返品」に着目したタッチポイントで、例えばファッションレンタルのエアークローゼットは使い終わった商品をここの集荷ボックスに返却することができます。同じ系列のローソンに3,000カ所設…

メルカリポスト

タッチポイントの先行事例

(前回からのつづき)EC躍進を背景とした「集荷」タッチポイントの事業はもちろんメルカリだけではありません。先行しているひとつに三菱商事が展開する「SMARI(スマリ)」があります。EC事業者の「返品」に着目したタッチポイントで、例えばファッションレンタルのエアークローゼットは使い終わった商品をここの集荷ボックスに返却することができます。同じ系列のローソンに3,000カ所設置されており、見かけた方もいるかもしれません。

最近では日本郵便の「e発送」サービスがこのSMARIでも使えるようになり、メルカリも「ゆうゆうメルカリ便」で発送する場合はこのタッチポイントから発送が可能になっています。メルカリポスト同様、コンビニのレジを塞ぐことはありません。

またヤフオク!を運営するヤフーとヤマト運輸も10月から1カ月間、タッチポイントを活用した実証実験を実施していました。ヤマト運輸が提供する宅配ロッカー「PUDO(プドー)」を使ったもので、ヤフオク!ユーザーはここに商品を入れるだけで梱包をヤマト運輸側で実施し、発送してくれるというものです。あくまで実験レベルですが、面倒な梱包という作業を代行してくれるメリットはわかりやすいです。

宅配ロッカー「PUDO(プドー)」を使った梱包サービスの実証実験

日本郵便が開始したゆうパケットポストも特徴的なタッチポイントです。e発送サービスで個人間取引の商品を発送できるポストですが、専用資材に印刷されている二次元コードをメルカリなどのアプリで読み込むだけで、送り状すら貼り付けずに投函することができます。

店舗型のメルカリステーションでは体験教室など啓蒙活動を可能にし、一次流通と連携するきっかけを作ろうとしています。メルカリポストやPUDO、SMARIといったタッチポイントは時間によらない集荷や返品にまつわるサービスを提供します。また、これらの拠点ではすべてデータを取ることが可能です。

「集荷という変化に対してデータを駆使することで新しいサービスの展開が可能になります。従来物流では夕方に出荷するのが通例だったりしますが、(個人間売買の)お客様の購買行動は必ずしもそうではありません。夜遅くなど余暇の時間に購入しているし、出荷も集中したセンターでまとめてやるわけではありません。朝に持ち込みが多いなど、いつどこでというデータが取れるので、例えば朝に荷物を取りに行くことができれば、もっと効率化できるかもしれませんし、それを還元することができるかもしれないのです」(進藤さん)。

メルカリポストについては2024年に現在の1,000カ所から8,000カ所へ設置場所を広げるという計画も発表されています。地域についてはやはり生活導線上に置かないと無駄になるため、自然と現在利用の多い一定地域に集中して展開たすることになるだろうとの見込みをお話されていました。また、梱包レス発送やクリーニング、リペアのような付加価値サービスについては来年春から提供する予定だそうです。

垂直統合型のメリット

ローソン設置のSMARIはすでに3000カ所に拡大

またメルカリポストは垂直統合型という隠れたメリットもあります。実は筆者、この取材に先立ってひとつメルカリで手持ちの道具を他人にお譲りし、メルカリポストを使ってみることにしました。しかし、近所には設置店がなく、ローソンにあったSMARIを見つけてこれはと使ってみることにしたのです。

しかし、SMARIは日本郵便の「e発送」に対応したサービスです。らくらくメルカリ便(ヤマト運輸)を選択した後では、こちらを使うことができず、もっと言うと、らくらくメルカリ便とゆうゆうメルカリ便でこういった違いが発生すると分かっていなかったのです。

発送の体験を向上させる、という意味において複雑な工程はマイナスにしかなりません。結果としていつも使い慣れてるファミリーマートの店舗端末から店頭レジで発送することに。この辺りは様々な事業者に水平展開しているプラットフォームよりも、(一般論ですが)自社のサービスに融合した垂直統合型のモデルの方がやはり使い勝手はよくなるはずです。

ビジネスはどうなる?

ここまでの考察で分かる通り、メルロジは領域こそ物流ですが、従来型の物流企業とはやはりことなるユニットになることは明らかです。実際、進藤さんも現在20名ほどのチームで新たに求めるのは、データサイエンティストや3PLの現場やサプライチェーンを理解したコマース経験者といった人物像を挙げていて、例えば自社で配送トラックを所有するような想定はないとしていました。一方、具体的な売上などについてはこれからと、まだ構成自体を検討しているというお話です。

PUDOやSMARIといった既存事業について、各社の決算を見てみたのですがまだ事業として言及している情報は見当たらず、前述の梱包サービスなどもまだまだ実証段階という状況は各社変わらないようです。またコンビニなどで集荷によって得られる手数料も筆者が調べた限りでは数円から数十円程度だそうで、コンビニ側にしてみれば集客の一環として捉えていることが想像できます。

とは言いつつ、そもそもメルロジには本体となるメルカリがあります。前述した3600万人の潜在ユーザーを掘り起こすだけで本業へのインパクトは相当です。かつ、明確に梱包などの付帯サービスも見えてきています。そして大きな資産になるのがやはりデータです。例えば無人コンビニを展開する600(ろっぴゃく)は自社で得た配送ルートをAIで最適化したサービス「Vending Hero」として切り出し、大手清涼飲料水メーカーに採用されています。

メルロジとしては付帯サービスがついたタッチポイントを他社のECに展開することも可能ですし、こういったデータを活用した物流ソリューションを新たに提供することも視野に入れることができるわけです。

ということで、メルカリが発表した物流戦略、メルロジについて整理をしてみました。タッチポイントが増えるに従い、これまでコンビニが担ってきたオフラインでの場所の体験がどのように変わり、潜在するという3600万人がどう動くのか、その他のメルカリShopsやメルコインといった新しい動きと合わせて引き続き考察を続けてみたいと思います。

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小型貨物の“ヤバい”伸びーーメルカリのオフライン戦略「メルロジ」を考える(1)

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10月の終わり、メルカリは新たな戦略として新設の子会社「メルロジ」を発表しました。翌日の最新決算(2022年6月期・第1四半期)においても2ページほどを割いて紹介されており、主力3事業(メルカリJP、メルペイ、メルカリUS)および新規事業のソウゾウ(メルカリShops)、メルコイン(暗号資産)鹿島アントラーズの3社に加え、ここに新たなプロジェクトが立ち上がることになりました。 テーマは物流です。既…

写真右手:メルロジ代表取締役COOに就任した進藤智之さん

10月の終わり、メルカリは新たな戦略として新設の子会社「メルロジ」を発表しました。翌日の最新決算(2022年6月期・第1四半期)においても2ページほどを割いて紹介されており、主力3事業(メルカリJP、メルペイ、メルカリUS)および新規事業のソウゾウ(メルカリShops)、メルコイン(暗号資産)鹿島アントラーズの3社に加え、ここに新たなプロジェクトが立ち上がることになりました。

テーマは物流です。既報の通り、大きく躍進するEC市場を背景としたものですが、では、彼らは既存のヤマト運輸や佐川急便、日本郵便を脅かすようなポジションを考えているのでしょうか?

今回、新たにメルロジ代表取締役COOに就任した進藤智之さんにお話を伺う機会を得ましたので、実施背景や将来的なビジネスの可能性などの疑問を整理してみたいと思います。進藤さんはヤマト運輸でキャリアをスタートさせ、その後、日本IBMやアマゾンジャパン、イオン系列などで長年サプライチェーンに関わる経験を積んできたロジスティクスのプロです。

小型貨物に関するヤバい伸び

このお話を進める前にまず、数字の整理をしておきましょう。メルロジ設立会見でもいくつか上がっていましたが、現在、日本国内における宅急便の利用は「うなぎのぼり」に増加しています。今年8月に国土交通省が公表している「令和2年度宅配便取扱実績」によると、昨年の宅配便取扱個数は約48.3億個で、前年比約5億個増(12%)の状況だそうです。

国土交通省「令和2年度宅配便取扱実績」

さらにヤマト運輸の公表している小口貨物取扱実績をみると、最新の情報(11月5日発表)でEC向け「ネコポス」の累計取扱個数が約2.2億個と、昨年比にして約148%の大幅成長を遂げていることがわかります。ちなみにネコポス躍進の背景にはその前年10月に実施された料金改定(195円から175円)が影響しているのでは、という話もあるようです。

そしてメルロジの設立発表会ではこれに加えて興味深い数字が公表されていました。メルカリの独自調査としてこの日本の宅配荷物におけるメルカリの荷物の割合が5〜10%を占める、というのです。ざっくりと2.5億個から5億個で、さらに多くの利用ユーザーがこれらの荷物発送に使っているであろう、コンビニにおける荷物配送の実に8割がメルカリに関連したものである、というから驚きです。

10月末に実施された会見資料で明らかになったコンビニ発送の実態

激動の市場環境変化を背景に進藤さんはメルロジ設立の理由を次のように語っていました。

「コロナ禍もあって配達環境は大きな変化がありました。各社が注目しているのはラストワンマイルです。(異物混入などのトラブル懸念から)タブーだった置き配が当たり前になったり、数年前は考えられない世界になっています。例えばこれまでも2時間刻みで(自宅に)集荷に来てくれていたんですが、それが待てなくなって自分でコンビニや取扱店に持ち込むようになりました。かつて最高の価値だったものが変化してきているんです」。

ちなみに分社化したのは意思決定のスピードを上げるためです。例によって人の採用については重要視しているというお話でした。

さて、以前に本誌でもお伝えしたように、現在の日本におけるECの利用率はまだまだ途上です。最新の調査では一つの指標として注目されている「EC化率」の成長角度が変化するなど、踊り場を迎える様子はありません。

メルカリ自体も継続して成長しており、メルカリJPのMAUは年次成長で13%増の1984万人、流通総額についても昨年比19%増の2034億円(11月5日発表の決算)と高い成長率を保っています。あらゆる数値がこの規模で伸びている。成長痛という課題も見えてきている。つまりそこにはチャンスしかないわけです。

コンビニだった「場所」のアップデート

ではこのチャンスにメルロジはどのようなアプローチを考えているのでしょうか。

彼らがチャレンジするシンプルな課題のひとつに「潜在的な」3600万人の利用意向ユーザーの存在があります。実際に利用しているユーザー2000万人ほどに留まっており、使ってない人たちの課題は出品や個人間売買への不安、梱包の体験など「出品まで」の改善点に集中しているそうなので、ここをブレイクスルーできれば大きな利用者増が見込めることになります。

大筋のシナリオは昨年2月に開催された事業戦略発表会で明らかになった「コネクト戦略2020年」がベースになっていると考えられます。大きくはこれまで二次流通だったメルカリが一次流通と交わり、データを追うことでよりモノを捨てることなく必要な人の手元に流通させる、という構想です。

そしてこれを実現するためのアプローチとして重要になるのがオフラインの設置でした。昨年の戦略発表会で明らかになった新拠点「メルカリステーション」はこれまでにマルイなど11箇所で開催、「メルカリポスト」については現在1,000カ所への設置が終わっているそうです。

これまでメルカリとユーザーをつなぐリアルなタッチポイントはコンビニや宅配便の集荷センターでした。しかし創業以来、スタートアップであった彼らは急激な成長を実現するため、ここをある意味「ハック」して活用していたにすぎません。巨大な社会インフラに成長してしまった結果、コンビニには大きな集荷の負荷がかかり、メルカリ側は貴重なユーザーのタッチポイントをコントロールできないという状況が発生したわけです。ちなみに会見ではメルカリポストひとつ設置すると、コンビニ窓口の発送業務は1件あたり60秒の短縮につながるとお話されていました。

つまりメルロジはこの「場所」をアップデートすることで、新しい展開を生み出そうとしていることになります。ここで得られる成果は大まかに「体験啓蒙」「データ収集」「サービス」の三つになると考えられます。(次につづく)

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