「他サービス買収の可能性もある」ーーランサーズ秋好氏が語る、クラウドソーシング次の一手 #IVS

Takeshi Hirano by Takeshi Hirano on 2014.12.3

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ランサーズ代表取締役の秋好陽介氏と取締役COOの足立和久氏

本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Fall」の取材の一部である。

今日から二日間、京都の地でIT系の企業幹部が集まるオフサイト・カンファレンス「Infinity Venture Summit 2014 Fall(以下、IVS)」が開催される。毎回数多く実施されるセッションもさることながら、やはりここの魅力はネット系に携わる有力者、期待のスタートアップたちが一堂に会することにある。

THE BRIDGEでは今回も本誌だけに語ってくれた生の声を現地からお届けする。

昨日、突然の発表となったクラウドソーシング・ランサーズの10億円調達。その調達額もさることながら、注目すべきは各社との事業提携についてだ。同社は2008年の創業以来、鎌倉の地で地道に開発を続け、成長曲線を描きながらの黒字経営も可能な状態だったと聞く。

今回の事業提携はなにを意味するのか、巨額の資金の使い道はどう考えているのか。IVSの会場に同社代表取締役の秋好陽介氏を見つけたのでショートインタビューを実施した。(太字の質問はすべて筆者。回答は秋好氏)

昨日は驚きました。いつもは事前取材可能だったりするんですが、珍しくメジャー紙にもどこにも開示前に出てませんでしたね。

今回、いわゆるベンチャーキャピタルからの出資ではなく、事業会社各社との提携がメインでした。半年ほどかかって準備していたので、情報開示も注意が必要でして。

さて、大きな転機となった2013年の3億円調達以降、今回2度目となる大型調達ですが、早期の成長と上場を目指したクラウドワークスと異なり、あまりレバレッジを必要としない経営をされてきた印象があります。どうしてこのタイミングで資金調達を実施したのでしょうか。

私たちはこれまでにも今回資本事業提携に応じてくれたKDDIさんをはじめ、インテリジェンスさんとも既に事業提携を実施し、ビジネスパートナーとして仕事をしてきました。今回の提携はより深い関係を結ぶために株式でのやりとりもした、というのが現実的な話です。

では、資金は特に必要なかった?

もちろん、そういうわけではなく、しっかりと成長のために投資を計画しています。特に人員(採用)は強化します。

クラウドソーシング界隈をみたとき、ランサーズとクラウドワークスというプラットフォーム大手が2つあって、それ以外にも特化型のプレーヤーがいくつも乱立しつつあります。これらを整理統合するような動きは考えられるでしょうか?例えば、海外では大手E-LanceとoDeskは統合しました。

まだ考えたりはしてませんが、現時点でパートナーとして特化型の動画クラウドソーシングに携わるローカスさんとはご一緒させてもらってます。可能性の話という点では、今回私たちが事業提携をしたように、彼らとより密接な関係になることはあるかもしれません。

大手2つはさすがにないですかね?

笑)。

確かに創業者のお二人の印象は全く違いますからね。話を変えましょう。今回、中心となった事業提携ですが、具体的に教えていただけますか?

KDDIさんとは元々、ランサーズプレイスなどの事業で提携して既にサービスを提供してきました。先方もBPO関連の事業には積極的で、クラウドソーシングを事業として自社でやりたいという意向をお持ちだったんです。今回の提携ではまた新しいサービスを共同で提供する計画です。

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KDDIとの共同事業/Lancersプレイス

グリーさんとコロプラさんは?

そちらはB Dash Camp(補足:IVSと同様のオフサイト・招待制カンファレンス)で、青柳さん(グリー取締役 執行役員常務の 青柳直樹氏)と出会って事業の話になったんです。

彼らもクリエイティブセンターなどの事業を通じて、クラウドソーシングの領域には興味を持たれてるようでした。単純な出資は必要としていなかったのですが、事業提携をして、彼らのクリエイティブ案件を私たちのプラットフォームを通じてランサーさんたちに提供できれば、お互いにメリットがあるね、ということになり、今回の話になりました。

コロプラさんも同様ですが、私たちとしては、彼らの位置情報に強い面は魅力に思っています。例えばランサーズのお仕事に空いてる看板広告の場所を撮影してくる、なんて仕事があるんです。位置に紐付いた仕事というのはやってみたいですね。

インテリジェンスさんは人材という点で親和性が高そうですね。

そうですね、単価の高いお仕事は元々、インテリジェンスさんたちの領域ですが、話を聞くとどうしても彼らでは取り扱いが難しい価格帯の仕事があります。そういった仕事をクラウドソーシングで対応できる方にお渡しするというのは合理的です。

また、仕事は流動性がどんどん高まっていて、ある時は正規雇用でも、何かの事情で非正規や新しい働き方を選択することがある。そういった仕事の「行ったり来たり」を実現しやすいプラットフォームの提供は可能性を感じてます。

なるほど、よく理解できました。また引き続き情報をお待ちしております。

“summercamp"/

Takeshi Hirano

Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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