本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Fall」の取材の一部である。
今日から二日間、京都の地でIT系の企業幹部が集まるオフサイト・カンファレンス「Infinity Venture Summit 2014 Fall(以下、IVS)」が開催される。毎回数多く実施されるセッションもさることながら、やはりここの魅力はネット系に携わる有力者、期待のスタートアップたちが一堂に会することにある。
THE BRIDGEでは今回も本誌だけに語ってくれた生の声を現地からお届けする。
最初の取材に応えてくれたのが生活関連サービスの提供する中小企業が出店するマーケットプレイス「くらしのマーケット」を運営するみんなのマーケット代表取締役、浜野勇介氏だ。
大型調達などで沸き立つスタートアップ・界隈とは無縁に、2011年の創業以来、地道にサービスを積み上げてきた。最近、好調という話題も聞いていたので、たまたまこのタイミングで京都の地に来ていた同氏に話を聞くことにした。
…とその前に、くらしのマーケットについて少しご紹介しよう。同サービスはシンプルな生活密着小事業者のためのマーケットプレース。不用品回収やハウスクリーニング、格安引越しから配送 庭木の剪定に害虫・害獣駆除まで様々な「お手伝い」事業者が登録されている。2014年10月時点でその数は1500店に上る。
一般利用者の利用は無料で、サイトから出店者の予約ができ、各事業者が独自に加入してる損害保険に加えて、もし、その事業者に問題があった場合にも最大で10万円までの保証をしてくれる。
一方で出店側となる事業者の利用も完全な成果報酬型で登録などは無料でできる。
また、こういったオンラインサービス利用に慣れないユーザー向けにチャットサービスや、ユーザーに代行してサービスを探してくれる対応など、丁寧な運営を目指している。(以下、浜野氏へのインタビュー。太字の質問はすべて筆者)
浜野さんは今回、京都にはたまたま?
はい。丁度、ある会合があってこちらに来てました。
くらしのマーケットがようやく伸びてる兆しがあるというお話を聞いていたので一度、状況聞きたかったんですよね。登録事業者は今、1500件ほどと聞いてます。
2014年10月にようやく到達しました。年内には2000店を突破しそうです。
売上げなどの数字も成長してるとか
少し前に成長について検証していたのですが、2013年1月頃までは状況はそこまでよくありませんでした。けれど、そこから約1年で流通総額にして100倍とか、そういう成長をしました。さらにここ2カ月はさらに伸びて、初期の頃から比較すると、260倍とかそういう数字になってます。

要因は?
よくわからないんですよね…。
なるほど。ちなみに流通総額は全体でどれぐらいの規模になったのですか?
流通額は開示していませんが、毎月、くらしのマーケット経由で数百万円を稼いでいる出店者も多くいます。
少し話を変えますね。浜野さんは確か学生起業ですよね。
2010年に法政大学を卒業してその年の10月頃から働き始めました。この会社は2社目なんですが、2011年に入って創業してます。
どうしてくらしのマーケットというサービスに注目したのですか?
サイトにも書いてあるのですが、ある体験がきっかけなんです。実家の父がベランダ修理をしようとして馴染みの業者さんに依頼したんですね。そしたらその料金は10万円だったんですけど、違和感を感じたんです。
ほう
試しに私がネットで調べてみたら本当に料金ってまちまちで、安いけど安心できるのか、高くてもそれが適正なのかわからない。もし、この低料金と安心感が一緒に提供できれば、それが一番なのではないかなと。
ちなみに結構丁寧にサポート体制組んでるようですが、登録する事業者はどうやって選んでるんですか?
出店にあたっては、個人・法人確認書類の提出に加えて、独自の審査を行い、出店後にはセミナーに参加してもらっています。
丁寧にやるのはもちろんすばらしいことなんだけど、成長という意味でいうともっと早く大きくなる方法もあると思うのですが、そういうやり方はやはりあまり合わない?
「モノ」は楽天市場やAmazonで、「サービス」はくらしのマーケットでという世界を実現するため、大きな資金調達も検討しますが、今後もインターネットでサービスを売り買いする人が安心して利用できるプロダクトづくりに注力していきたいです。
最後に質問。ソーシャルネットワークなどで浜野さんを見かけると一緒に猫が写ってるんですが、あれは「オフィス猫かわいい」とかそういう戦略なんですか?
はい、そうです。
ありがとうございました。
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