予約台帳のトレタに元シックスアパート、クックパッドの上ノ郷谷氏が参加、店舗数は2300店に拡大

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2015.3.3

写真左から取締役COOの吉田健吾氏、上ノ郷谷氏、代表取締役の中村仁氏

飲食店向けのオンライン予約台帳サービスを展開するトレタに元シックスアパートで、デザイナーの上ノ郷谷太一氏がCCO(最高クリエイティブ責任者)としてトレタに参加した。本誌取材に代表取締役の中村仁氏が答えてくれた。

上ノ郷谷氏はシックスアパートで2005年頃からコンテンツマネジメントシステム「MovableType」の初期国内ローカライズや開発に関わった人物。同社での数年の活動を経て、いくつかのスタートアップに参加、2013年からはクックパッドでアプリケーションデザインのほか、コーポレートロゴの変更などを手がけた。

上ノ郷谷氏が担当したクックパッドロゴデザイン(上が旧、下が新)/引用:クックパッド開発者ブログより

元々、大阪でDTPデザイナーとして活動していた頃から現在COOとして参加している取締役の吉田健吾氏とチャット友達だったということもあり、今回は吉田氏を追いかけての参加となったそうだ。

また、中村氏によれば現在のトレタ導入店舗は2300店に到達し、順調に紙台帳からデジタルデータへの転換が進んでいるということだった。今回の上ノ郷谷氏の加入で、元来難しかった飲食店のデジタル化をより一層進めると共に、一般ユーザーによるレストラン席予約の開発等も推進する。

紙台帳が一般的であったアナログな飲食店業界をデジタル化の波で飲み込むためには、単なる無料化や強引な営業活動だけでなく(これも必要といえば必要だが)真に使いやすいプロダクトが求められる。

それはもしかしたら、小手先だけの取り組みでは達成しえないかもしれない。少し例は違うかもしれないが、ユーザーインターフェースの改善に取り組むKAIZENはテクノロジーだけでなく「プロダクト+人的クラウドソーシング」というハイブリッドな戦略を取ることで劇的な成果をあげつつある。

アナログ世界をデジタルにするためのデザイン、UXとはどういうものなのか。今回参加した上ノ郷谷氏にショートインタビューを実施した。(質問はすべて筆者、回答者の敬称略)

最初に現在のトレタの状況教えて下さい。

中村:現在は登録店舗が2,300を超えている一方で、継続率は引き続き99%以上の高位で推移しています。カジュアル店から高級店/繁盛店まで幅広くカバーできているのも従来のグルメ媒体と異なるトレタの特徴で、高級店と繁盛店だけでも250店舗以上にご利用いただいています。チームとしては、すでに社員数も24名まで増えておりまして、組織としても順調に拡大しています。

CCOって役職をあえて作った理由は?

中村:トレタは「デザインの力」を信じていて、現在のトレタの競争力の源泉はデザインにあると考えています。実際、トレタのデザインはこれまでも他社サービスにも多くの影響を与えてきていると自負していますし、その価値は多くの加盟店さまからも極めて高く評価されています。その優位性を維持し、より強化するためにも、デザインチームの増強はトレタにとって常に最重要課題でありつづけています。

リニューアルしたウェブサイト
リニューアルしたウェブサイト

上ノ郷谷さんは元シックスアパートですよね。中村さんのお店(都内の飲食店)でもお仲間の方をよく見かけましたが元々お知り合いとかだったんですか?

上ノ郷谷:代表の中村やCOOの吉田とは10年近く前から付き合いがあり、特に吉田とはいつか仕事をしてみたいと思っていました。

デザイナーの方だともっとこう表に出るサービスに関わるという方向もあったと思うのですが

上ノ郷谷:B to BのサービスはB to Cのサービスに比べてデザインや使いやすさに対する意識が低いと感じる現状、実際はそれぞれ同じくらい大切だと思っていました。それは B to B の場合、サービスの使いにくさはコストに影響するからです。

トレタのお話を聞いたとき、これは自分が思っている B to B のサービスにありがちな課題を解決することに強い意識をもっているなと感じました。B to B, B to C だけでなく、ブランディングのデザインを担当し積み上げてきたものを活かせるのはここだと思いました。

飲食業界は長らくITリテラシの低さ、人材の流動性から操作の複雑なものは受け入れられない傾向がありました。この課題をデザインでどう解決できるのでしょうか。

上ノ郷谷:学習コストを下げることだと思っています。飲食業界に限らず B to B サービスは、それなりに学習し現場での使い慣れが必要なものが多いです。ご指摘いただいたとおり人材の流動性を考えると「学習コスト」のかかるものを今現場で使われているものから置き換えて使っていただくことは難しいと思います。

トレタはこれまでもこの「学習コスト」をできるだけ低くすることにすごく力を入れているサービスですが、今後も B to B の先にある to C までをより強く意識し、よりシンプルなユーザーインターインターフェイスを提供していくだけではなく、そこから新たな体験を思い起せるようなものにすることでこれを実現していきたいです。

今後の展開などで動きありますか?

中村:特に今年は、トレタのサービスはB to BだけでなくB to B to C的な領域まで拡張していく計画もあり、ますますデザインの重要度は増していきます。

ようやくCCOというポジションが決まりましたが、今後も引き続きジュニアからシニアまで、優秀なデザイナーさんを積極的に社内に迎え入れて、デザインの会社としての個性をより強めていきたいと思っています。「外食産業とテクノロジーの幸せな結婚」がトレタのミッションでもありますので、それをデザインとエンジニアリングで実現していきたいと思います。

ありがとうございました。

情報開示:筆者の家族は現在トレタと契約関係にあります。

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