中国のO2O大手Meituan(美団)、Didi(滴滴出行)に対抗すべく配車機能を追加

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昨年8月に10億米ドルをかけてなされた Didi(滴滴出行)とUberの合併により、配車サービスを巡る中国での戦争は Didi の一人勝ちで決着がついたと見られていた。しかし、二大配車大手の休戦によってもたらされた平和は短命に終わった。地元で十分な実績のある Meituan(美団)がこの業界に参入すると発表したからだ。

中国の O2O 大手企業 Meituan は火曜日(2月14日)、自社アプリに配車機能を追加した。このアプリでは、出前、映画チケット、ホテル、航空券、鉄道切符予約など様々なサービスが利用できる。

南京に住むユーザは、Meituan のウェブサイトで新たに追加される配車サービスで、Didiとよく似たインターフェイスやオペレーションのプロセスで配車の予約ができる。決済には銀行カードや WeChat(微信)、QQ Wallet が使える。

Meituan の配車業界への参入は、同社が主に地元のライフスタイルサービスに特化していたことからすると、まったく意外だった。新サービスについて同社はあまり多くを語らず、ユーザからの要望に対応するために追加したにすぎないと現地メディアに説明していた。

同社はこのサービスを他の都市にも広げていく計画だが、拡大の時間軸は明らかにしていない。

かつての競合 Dianping と合併したため今では Meituan-Dianping(美団-大衆点評)として知られる同社は、Didiが率いる既存プレーヤーに対抗するための秘策を持っているようだ。

Meituan-Dianping は現在、中国のeコマースプラットフォームとしては Alibaba(阿里巴巴)と JD(京東商城)に次ぐ第3位の大手だという。登録ユーザ数は6億、月間アクティブユーザ数は1億8,000万に到達したと TechNode(動点科技)に語っている。この巨大なユーザベースは、新サービスにかなりのトラフィックをもたらしてくれると期待できる。

さらに、Meituan が提供しているサービスのほとんど全ては都市内輸送サービスに直接関係している。そのため、アプリ内で特定のサービスから別のサービスへと移動するのはそれほど難しくないだろう。

昨年、Meituan の伝説的な CEO で中国インターネット業界のオピニオンリーダーでもある Wang Xing(王興)氏は、中国のインターネットが「後半期」に差し掛かっているという主張を声高にしていた。彼は、「深い部分で統合することによって、(前半期から後半期への)全面的な移行がなされる」と信じているという。

配車サービスの統合はおそらく他の関連サービスを浸透させるというこのプランに沿ったものだろう。さらに同社はサードパーティーの決済スタートアップ Qiandai(銭袋宝)を買収した。これは、オンライン決済セクターへの進出を図るものだ。

2月15日13時48分更新:Meituan-Dianping のサービス運営に関する数字を一部変更した。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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