Tencent(騰訊)、オープンプラットフォームのコンテンツパトロール要員を200人雇用——報酬は、QQバーチャルコイン(Q幣)で支払

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Tencent(騰訊)本社
Image credit: Masaru Ikeda

中国のコンテンツパトロール強化は、すぐにはおさまる気配を見せていない。新年を迎え、ソーシャルネットワーク・ゲーム大手の Tencent(騰訊)は、同社の複数のオープンコンテンツプラットフォームに対して、当局が違法または不適切とみなすコンテンツをフィルタリングするパトロール隊員を200人雇用するとの告知を掲載した。対象となるプラットフォームは、ニュースポータルの Tencent News(騰訊新聞)、ニュースアグリゲーションアプリの Tiantian Kuaibao(天天快報)、メッセージ大手の WeChat(微信)と QQ、ビデオストリーミングサービスの Tencent Video(騰訊視頻)など。

Tencent が自社の可愛いマスコットにちなみ「Penguin Patrol Unit(企鵝巡捕大隊)」と名付けた新規採用チームは、ベテランジャーナリスト10人、Tencent のコンテンツプラットフォームに参加する経験豊かなライター70人、サイバーセキュリティに関する十分な知識を持ったネティズン120人で構成される。

急成長するパーソナライズされたニュースアグリゲーションアプリであり、Tiantian Kuaibao のライバルでもある Jinri Toutiao(今日頭条)も今週、できれば共産党員であるコンテンツレビュー編集者を募集する通知を出した。これまでは多くの大学生や技能の高くない労働者が、追加収入を得るためにこれらのコンテンツを審査する役目を担ってきた。味気の無い仕事ながら、就労時間は柔軟だからだ。報道では、Toutiao は天津に数千人の審査人がいる検閲施設を持っているとされる。

Penguin Patrol の人員は毎月、300件以上の不正コンテンツの指摘を求められる。報酬は現金やビットコインではなく、ゲームクレジットなど QQ 関連製品が購入できる仮想通貨 QQ Coin(Q幣)で支払われる。1コインあたり1人民元(約17.4円)で取引される QQ Coin の人気は、かつてヤミ市場を作り上げた。

組織的なニュースメディアが次第に(ソーシャルに)置き換えられていく中で、中国のメディア監視当局は、新しい波を作り出すコンテンツディストリビューターたちを、より厳しい自己検閲の方向へと推し進めている。Talking Data(騰雲天下)の最新データによれば、Tencent News は Toutiao に続く中国で2位を誇るニュースアプリで、その普及率は Toutiao の17.53%に対して、Tencent News は10.82%だ。3位は NetEase News(網易新聞)の6.35%、さらにその後ろに、国の支援を受ける Yidian Zixun(一点資訊)が5.92%と続く。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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