サブサハラアフリカで注目のスタートアップ13選〜ルワンダ・キガリで開催された「Transform Africa Summit 2018」から

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.6.1

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本稿は、Transform Africa Summit 2018 の取材の一部である。

先ごろ訪問したルワンダ・キガリの Transform Africa Summit 2018 では、いくつかのピッチイベントが開催されていた。この地域を象徴する、選ばれたスタートアップのいくつかを紹介したい。

JICA 「ICTイノベーションエコシステム強化プロジェクト」の 250 Startups キックオフイベントから

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JICA(国際協力機構)は、ルワンダで「ICTイノベーションエコシステム強化プロジェクト」を実施しており、その中の象徴的な活動の一つとして、この力から250のスタートアップを生み出そうという目標を掲げている。ルワンダでの活動がよい結果を出せれば、それを将来的に他のアフリカ諸国に横展開する計画もあるらしい。

このプロジェクトには今年後半ルワンダで選ばれた優秀スタートアップ10社がイスラエルに派遣され、彼らはイスラエルのインキュベータでトレーニングを受ける予定だ(ここで、なぜイスラエルなのか、という疑問が脳裏をかすめるが、サブサハラ地域のアフリカには、歴史的にイギリスやイスラエルからの投資が行われていることに関係しているようだ。そして、イスラエルはいうまでもなくスタートアップ大国である)。

このイスラエルへの派遣ミッションに参加するスタートアップのうち4社が、TAS 内で JICA とルワンダの ICT 商工会議所が共催したピッチイベントに登壇した8社の中からで選ばれた。ミッションに参加する残りの6社については、後日改めて公募がなされる予定。ピッチイベントに登壇したスタートアップの顔ぶれを見てみよう。

IV Drip Alert by Tech Inn(イスラエル派遣ミッション採択)

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IV Drip Alert は、死の危険性が生じる点滴の漏れを自動的にモニタするシステム。点滴漏れが生じたときには、ナースセンターに自動通報され、看護婦は最短時間で事態に気づき、措置を施すことができる。現在、プロトタイプを提携病院で実験中。

Smart Egg Incubator by Hatch Tech Solutions(イスラエル派遣ミッション採択)

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多くの鶏肉を輸入に頼っているルワンダにおいて、効率の良い卵孵化器を作ることで国内で鶏を育てられるようにしようというもの。一般的な卵孵化器が同時に育てられるのはせいぜい卵16個までだが、Smart Egg Incubator では、遠隔制御できたり状況を SMS 通知できたりすることにより、同時に1万個以上の卵を同時に孵化できるとしている。

Climate Mobile iHewa app by Severe Weather Consult(イスラエル派遣ミッション採択)

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Climate Mobile iHewa app は、一般的な天気予報ではカバーしきれない、地域に特化した定量的な天気情報を農家に対して提供。各地に設置した観測機器からのデータをもとにして天気を独自分析し、その情報を農家に SMS で通知する。情報サービスの契約定額料のほか、農家に対するトレーニング費用やプロジェクト提携先との連携によりマネタイズ。

AKOKANYA by Raisin Ltd.(イスラエル派遣ミッション採択)

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AKOKANYA は、QR コードを使ったオンラインチケットシステムを開発。支払には、現地ケータイ会社が提供する モバイル決済サービス MTN Mobile Money、TIGO Cash のほか、VISA や MasterCard が使える。

Raingun Solar Irrigation by Iwacu Technology

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Raingun Solar Irrigation は、太陽電池を使った自動灌漑システムだ。農地に設置されたセンサーにより土中の湿度を自動計測、その結果は SMS でオーナーに伝えられるとともに、自動的に水の散布が行われる太陽電池を使っているため、商用電源の確保が不要。

Smart Switching System by Energy Saver Efficiency

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Smart Switching System は、部屋の中に何人いるかを認識し、その人数に応じて、必要数の照明を自動点灯するシステム。人の数を認識するセンサー、照明を制御するスイッチなど複数機能をチップ1枚の中に実装したことで、導入コストの削減を実現している。

LearnersHub

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LearnersHub は、複数の人々が協調しながら学習できるプラットフォーム。プラットフォーム上には講座提供者が学習コンテンツを公開しており、ユーザが講座を購読するとプラットフォームは5%を販売手数料として獲得する。また、講座のプロモーション費用を講座提供者にチャージすることでもマネタイズする。来月から大学でプロトタイプを稼働開始。

Smart Water Meter

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Smart Water Meter は、水道システムにとっての大きな問題となる水漏れや、水道料金の支払を簡便化できるシステム。旧来のアナログメータに変えて、スマートメータを配置し LoRa 経由でデータをクラウドにアップロードすることで、水の流れをリアルタイムでモニタできるようになり、水漏れ箇所の特定や利用水量の計測から支払までの一連プロセスをスムーズにする。

<関連記事>

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一方、Transform Africa Summit 2018 の最終日には、リアリティショー風のピッチ披露イベント「Face the Gorillas」が開催された。これは、アメリカで言えば SharkTank、イギリスで言えば Dragons’ Den、シンガポールで言えば Angels’ Gate、日本で言えばマネーの虎のような、起業家が投資家を前にアイデアをピッチし、投資家からその場で投資してもらえるかどうかコメントをもらえる試み。

ルワンダにインパクト投資を行う投資家 Yariv Cohen 氏と彼の妻 Angela Homsi 氏とが、ルワンダの ICT 商工会議所や日本の JICA なども支援するコワーキングスペース kLab とがタグを組んで、2013年から展開している。いわゆるピッチコンペティションと異なり、どのチームが1位かを決めるものではないが、その場で投資の如何が決まるとあって、ピッチする投資家の熱量も並大抵のものではない。

<参考文献>

Tupuka(アンゴラ)

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Tupuka は、アンゴラの首都ルアンダ(ルワンダではありません)で展開される、レストランのフード、スーパーの食料品、薬局から薬などを届けてくれるデリバリサービス。2017年に Seedstars World アンゴラ予選で優勝、4月までに25万食8.6万件のオーダーを届けている。現在、ルアンダ市内で70人のドライバーを確保し、特にアッパーミドル層を顧客として成長を続けている。

Mossosouk(チャド)

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街で実店舗を経営する事業者向けに、E コマースサービスの取扱を実現するエネイブラー。事業者は、Mossosouk のウェブサイト上にオンライン販売可能な商品を陳列し、オーダーが入れば、Mossosouk の配達人がバイクで商品をピックアップし顧客に届ける。

事業者にとっては、店舗立地にかかわらず商圏を拡大できるメリットがある。Mossosouk は、受注・決済・配達の手数料として、店舗から販売価格の10%を受け取る。女性向けのファッションが販売商品の多くを占め、1オーダーあたりの平均購入金額は100米ドル程度。今後、ルワンダやコドジボアールに進出予定。

Academic Bridge(ルワンダ)

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Academic Bridge は、学校向けの情報管理 SaaS を提供。18歳未満人口が5億人いるというアフリカにおいて、出席管理、授業の進捗管理、学校運営に必要な情報共有、データ管理や分析などが Web および Android 端末から行える。

JokkoSanté(セネガル)

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JokkoSanté は、オンラインの医薬品共有コミュニティだ。中間層の家庭で未使用・未開封の医薬品(置き薬)をオンライン登録することで、その医薬品を必要とする人に届ける。医薬品を提供した人には、その対価としてポイントが付与され、その人が処方箋を手に自分の医薬品が必要なときに、ポイントを使って医薬品を手に入れることができる。現在、50万米ドルを資金調達中。

ImaginelWR(ルワンダ)

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ImaginelWR は、本の出版を通じて、世界の人々のアフリカに対するイメージをポジティブなものに変化させ、アフリカの尊厳を取り戻すことをビジョンに掲げるスタートアップ。出版した本は学校や図書館に寄贈され、また、本を書いたり異言語で執筆したりするライターの養成も行なっている。

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