シンガポール拠点でアーリーステージのスタートアップに特化して投資を行うTNF Venturesが、Mobile Media Creationsによって開発されたモバイルウォレットアプリMoGiに58万8,000シンガポールドル(47万5,000米ドル)を出資した。そして、シンガポール政府が運営するNational Research Foundation(国立研究財団)も、同財団のTechnology Incubation Schemeを通じて共同出資している。
iPhoneとAndroidで無料で利用可能なMoGiでは、シンガポールのレストラン、健康施設、小売店、美容関連ショップなど220軒を超えるお店のバーチャルプリペイドカードやポイントプログラム、割引券を保管・保存することができ、ユーザ同士でギフトを贈り合うこともできる。同サービスがローンチされたのは2012年10月だ。
東南アジアのモバイルロイヤリティプログラム業界にはかなりの数のアプリPerx、Squiryl、ChopChopなどがあるが、これらはどれもeコマース業界に完全には挑戦していない。フィリピンのサービスZapが果敢に取り組んでいるが、同サービスはどちらかと言うと新興国市場に相応しいプロダクトだ。
シンガポール政府は最近、NFC技術を利用したサービスを後押ししているが、この技術を搭載している携帯電話の数が限られていることから、助成金を受け取る率は緩やかだ。だが、MoGiはNFC技術に頼っているわけではない。そのかわりに、同サービスはPOS端末機やCRMを販売店に提供して独自のインフラを確立している。
MoGiはモバイルウォレットと称しているが、私が前に述べたその他すべてのアプリと同じように、販売店にアナリティクスや場所に特化したプロモーションを提供するマーケティングプラットフォームだ。
MoGiの共同設立者は、電気通信業界に豊かな経験を持つCEOのRashad Budeiri氏と、営業のバイスプレジデントで、金融、通信、eコマース業界に経験を持つStewart Bowers氏だ。
MoGiを支援するTNF Venturesは最近、シンガポールのスタートアップに積極的に出資を行っている。今月も、動画のインタビューソフトNext-5に50万米ドルを注入し、昨年は、バーチャルの株取引ゲームTradeHeroと、フライトとホテルの検索サービスFlocationsにも同様の額を出資している。
TNF Venturesはこの他にも数件の出資計画をしており、それについてはそのうち発表されるだろう。
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