投資と工場建設の進むベトナムが、アジアの新たなテクノロジー製造のハブとなる

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【原文】

Samsung-Vietnam-Electronicsすべての始まりは2010年だった。この年、Intelが10億ドルを投入し、半導体工場をベトナム・ホーチミン市に建てた。ベトナムに電子製品製造の夢が到来し、繊維や食品の輸出時代は終わったように思われ、人々はハイテク時代のベトナムを歓迎した。

だが、2011年後半~2012年初頭にその夢は衰えつつあった。経済環境が変わり、外国投資家にとって良くない環境となったためにベトナムへの関心が失われたからだ。

その状況は2012年後半あたりから変化の兆しを見せ、下のリストからも分かるように、電子製品の工場が至る所に建設されている(金額は各企業がベトナム工場に投資した額)。

  • Bujeon Electronics(韓国企業):2012年10月、1000万ドル
  • Brother Vietnam(日本企業):2012年12月、2500万ドル
  • Nidec Seimitsu(日本企業):2012年7月、4000万ドル
  • SOC Vietnam(日本企業):2012年11月、6250万ドル
  • JBL(アメリカ企業):2012年6月、1億ドル
  • Terumo BCT(アメリカ/日本企業):2012年5月、9400万ドル
  • Fuji Xerox(日本企業):2013年11月操業予定、1億2000万ドル
  • Nokia(フィンランド企業):2013年初め、3億ドル
  • Samsung Electronics(韓国企業):2012年11月、22億ドル(2020年までの投資額)

当然ながら、このリストのなかで最も名高いニューフェースはSamsungとNokiaだ。Nokiaは今もベトナムのモバイル市場で最も有力な企業で、Samsungはベトナムの全輸出の10%に貢献している。

Nokiaを除くと、ほとんどが韓国企業か日本企業だ。この両国の企業にとってベトナムが魅力的である主な理由は労働賃金が安いことだ。ベトナムの労働賃金が中国のわずか3分の1ですむというケースもある。低賃金がベトナムの新たなブランドというわけだ。

この低賃金という魅力を武器にして、ベトナムがハイテク製品の工場として知られるようになるのもそう遠い未来ではないだろう。繊維製品は今やベトナムの最大輸出商品ではない。Setechなどの中小企業が国内向けに小規模の消費者プロダクトを生産する一方で、TOSYのような大手企業がグローバル市場のためにロボットを生産している。

ベトナムの産業は、まさにハードウェア中心に変わろうとしている。2016年までに、ベトナムの大手ハードウェアメーカーが独自の工場を建設し操業したとしても、私は驚かないだろう[1]。

[1]これには当然ながら、日本企業の管理職や技術者が知識と経験をベトナムの管理職や技術者に伝授することが前提となる。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

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