※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。
ここ数年、以前に増して多くの日本のスタートアップが国内から海外の市場を目指すようになった。これはまぎれもなく素晴らしいことだ。しかし、この前進には苦労や不慣れがついてまわる。日本では大丈夫なことが他の場所では通用しないことがあるのだ。社名においては、特にその典型だろう。
外国人である私の目から見て、非常に多くの会社がおかしな名前をつけているように思える。この問題を説明するにあたって、事例には事欠かない。
- 3文字連続アルファベットの流行:Niiice、Freee、Snapeee、Calll
- ランダムなアルファベットの大文字化:DoCoMo、DeNA、CocoPPa、MiCHi [1]
- 響きのよくない名前:CunPic、Askiss
(訳注:CunPic は cunt pic に通じ、女性器の写真を意味する。Askiss は ass kiss に通じ、直訳すると「尻にキスをしろ」という意味になる。)
この種の指摘をするのに少し嫌気が差していたが、堀江貴文氏が最近出したアプリに「TERIYAKI」と名付けた記事を読んで、この問題についてさらに考えさせられた。
(中略)グローバル展開も意識して、TERIYAKI という名前にした。(堀江氏談)
こういう考え方をする日本のスタートアップは、極めて少ない。実のところ、我々も同じ罠にハマってしまい、最近、THE BRIDGE と名前を変えることになった。罠から這い出すことができてよかった。[2]
問題を回避するには・・・
さてもし、あなたが日本の会社に居るなら、このような問題をどうすれば避けられるだろう。社名やサービス名を選ぶとき、考えるべきポイントを何点か述べたいと思う。別に私は名付けのエキスパートだと言っているわけではないが、ここにポイントを記すのは、日本のスタートアップに役に立ちたいと思っているからだ。
- 知り合いに聞いてみる – Google Drive や Facebook の投票機能を利用して、できるだけ多くの友人からフィードバックを集めてみよう。できるだけ、いろんな人に聞いてみるのがいいだろう。
- 知らない人に聞いてみる – 提言をしてくれる英語話者の知り合いがいなければ、PickyDomains のようなサービスを使ってみるといいだろう。安価でドメイン名のアイデア出しをクラウドソーシングできるサービスだ。[3] 現代のインターネットツールを使って英語話者からのフィードバックを管理できないなら、そもそも海外でビジネスをするのは考え直した方がいい。
- 電話テスト – 電話越しに問題なく相手に伝えられる名前は、いい名前だ。
- Tシャツテスト – その名前やロゴをプリントしたTシャツを作ったら、従業員が喜んで着てくれるようなものだろうか。そうでなければ、再考すべきだ。
- 世界市場を目指していても、日本名を使うのを恐れる必要はない – 世界的にも都合のよい日本名はあるからだ。楽天、Origami、Gengo、ニコニコは発音しやすく覚えやすい。クールに聞こえるからという理由で、日本語っぽい名前をつける欧米企業もあるくらいだ。(テックブログ「Kotaku」など)
いい社名やサービスを選ぶのは実に難しい。複数の市場を相手にするなら、その選択はそれだけ難しくなる。制限がある中で、最良の方法は、いずれの市場においてもダメではない名前を選ぶことかもしれない。
国外進出の予定がなければ、私がここで述べたことは忘れてほしい。しかし将来、少しでも海外展開の可能性があるのなら、名前を決める際、考慮に入れておいて損は無いはずだ。
- CocoPPa は海外で極めてうまくいっており、これは喜ばしいことだ。しかし編集者の立場から言わせてもらうと、大文字の P が2文字ダブるのは大嫌いだ(訳注:大文字の「P」が2文字並ぶと、男性器を現す隠語となる)。以前おかしな大文字の使い方について書いたことがあるので、私は再びこのことを言及するつもりはない。↩
- 私が新しいチームに加わると、改称は付き物のようだ。あなたも会社に参加し、社名を変えよう。↩
- 現在では、以前ほどドメイン名は重要ではないと考えている。我々が選んだ「THE BRIDGE」という名前も難しいもので、SEO 的にも評価されたものではない(訳注:同名のテレビドラマが存在するため)。しかし幸運にも、SEO も以前の状況とは違ってきている。↩
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